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編集部きっての梅好き!梅干しの目利きには絶対の自信を持つある日、私が面白いものを発見。
それは、だれも面倒を見なくなった和歌山の放置梅林で実った梅を使って、梅干しや梅昆布塩、梅酢を作り、クラウドファンドで応援購入を呼びかけているというものでした。呼びかけているのはなんと、御年94歳のおばば。何てパワフル!これは梅好きとしては取材しないわけにはいきません。そこでさっそくおばばとそのお孫さんにお話を伺いました。
なお、このおばばの南高梅づくしプロジェクトはMakuake(マクアケ)で10月末まで展開中。応援購入できます。
「うちには完全にほったらかしで野生化しているのに、たくさん実を付ける梅が何本もあります。ソバカスと言われる黒い斑点こそ出たりするけど、何しろ無農薬で無肥料だし、おいしいので毎年梅干しに漬けてるんです。ご近所にも配っていて毎年楽しみにしてもらっています。今流行してるでしょ、食べものを無駄にしないってうやつ。あれと同じということかな」
それがなぜクラウドファンドを立ち上げようと?
「梅干しを作ると、梅酢がたくさん出てくるの。これを見た孫が、色はワインみたいにきれいだし、味見してみたらなんだか甘みもあっておいしいよ!というんです。これ、なにかに使えないのかな?と考えて出てきたのが梅塩。梅酢を乾燥させたものです。でもそれだけじゃつまらないからと、2人であれこれ工夫してできたのが梅昆布塩なの。
これを試しにメルカリに出品してみたら、2年でなんと3000以上も売れちゃって、これには私も孫もびっくり。それならと調子に乗って、孫がクラウドファンドのMakuakeを探してきて、去年プロジェクトを立ち上げたの。そしたらこれも大好評で、350セットを応援購入していただいて、3日で完売でした」
それは大成功だったのですね。でもおばばの家は南房総ですよね。それがなぜ和歌山の那智勝浦の南高梅で今年、またプロジェクトを立ち上げたのですか?
「私たちの活動を知った和歌山県の那智勝浦に住んでいる知り合いが電話してきて、近所の元梅農家のおばあさんが『うちの梅も放りっぱなしだけど、もとは良い梅だし、今年もたくさん実っててもったいないからなんとかして』と言ってる、あんたに預けるから梅干しにしてよ、というのよ。
そこでその梅を預かって、自分のレシピで漬けたわけ。そしたら孫が、梅干しだけじゃつまらない、梅昆布塩と料理に使えるおいしい梅酢をセットにして、“珠玉の南高梅づくし”プロジェクトを立ち上げようってね。梅ってちょっと都会からはずれると、本当にどこにでもあって、しかも放っておかれているものも多いの。そういうのはだいたいなんにもしてないから無農薬なんで、安心でしょ。そういう梅がおいしく食べられる活動が広がればいいのになぁと思ってやってるんだけどねぇ」
おばばの思いは地球環境を考えるSDGsにもつながるんじゃないかと考えさせられました。
取材の最後に、梅干し、梅酢、梅昆布塩の“南高梅づくし”セットをいただきました。さっそくおばばの味、いただくことにしました。
まずは梅干しをそのままいただきました。
あれ?すっぱい!を覚悟していたのにびっくりするほど酸味がやさしい。しかも塩辛くないのです。果肉はジューシー、まるでジャムみたいです。
ご飯にのせてみると
ジャムのようです。ほんのり自然な甘みもあり、これはご飯が進みます。そのまま食べても塩辛くないし、激すっぱくないからポイポイと口に放り込めて、たちまち5個ペロリでした。梅って果物だったんだな、と思わせるほどの柔らかな酸味と甘みがあります。今流行りの梅干しのハチミツ漬けとは明らかに違います。甘みがあくまでも自然なのです。
おばばの梅干しは、メルカリで出品するとほんの数分、早い時は30秒で売れてしまうそうです。この味ならそれも納得です。メルカリでは、「こんな梅干し食べたことがない、梅干し感が劇的に変わった」と、梅干し界に旋風を巻き起こすんじゃないか?と思われるほどの高評価が珍しくないそうです。
次に梅昆布塩で塩むすびにしてみると、
梅昆布塩の味付けだけなのに、めちゃくちゃウマイ。昆布の旨みなのか、味が深い。新米でやったらおにぎり3個はかるくいけるでしょう。梅干し入れたら相性抜群、最高でした。
ステーキのつけ塩にすると、脂っこさがなくなってさっぱりといただけます。安いOGビーフでも塩の旨みでガンガンいけます。天ぷらや刺身のつけ塩でもおいしいに決まってます。
最後に楽しみにしていた梅酢です。私はお酢が好きで、黒酢、もろみ酢、美酢など飲めるお酢をよく買います。おばばの話では、ほんのり塩味で梅の甘みがあって酸味がやわらかいということなので、まずはそのまま飲んでみました。
これはなんだ!?
塩気が少なく、刺すような酸味もありません。ほんのり甘みも感じられてストレートでおいしく飲めます。梅酢と言えば、猛烈に酸っぱくて猛烈にしょっぱいのに、まったく違うのです。これはハマる味です。おまけに少しだけですが細かい梅肉が入ってます。おばばによると超完熟梅のパンクした梅肉のかけらで、おいしいからあまり濾(こ)してないんだよねとのことでした。
次におばばの梅干しと梅酢で梅サワーを作ってみました。梅酢を多めに入れて酸味を効かせました。
居酒屋で飲む男〇サワーは人工的なピンク色と香りですが、これは違う。明らかに天然の色と香り、味です。文句なしにおいしい!冬ならお湯割りでも絶品でしょう。この味を知ったらもう男〇サワーには戻れない。
おばばがいうには、梅酢は古米を炊くときにちょっと入れるだけでツヤツヤになるよ、というので、米1合に対して大さじ1を入れてやってみたら、
炊きあがりのご飯の透明感がハンパない。光ってます。梅干しを入れて混ぜご飯にしたら、もう箸が止まりません。
梅酢2に対してエキストラバージンオリーブオイル1、梅昆布塩、胡椒、パルメザンチーズの梅酢ドレッシングもおいしいです。果実酢とも穀物酢ともワインビネガーとも違う、今まで食べたことがない味ですが、不思議にいくらでも食べられます。
梅昆布塩を振ってポリ袋にいれておいたしょうがやオクラ、きゅうりに梅酢を入れて1~2日漬けるとしば漬け風の漬物に。ご飯のお供はもちろん、お酒のつまみにもぴったりです。
朝食におすすめなのが、梅にゅうめん。お湯に梅昆布塩、梅干しとだしの素を少し入れて煮立て、素麺を入れて茹でてそのまま丼にあけるだけ。茹でた汁も出汁になるという簡単レシピ。なのにウマイ。二日酔いの朝にはばっちりです。
おばばの梅干しや梅昆布塩、梅酢を試食してわかったのは、なるべく手を加えない自然のままを活かした食べものはうまい、のひと言だということです。無農薬、無化学肥料、無添加のおばば手作り品は、おばばの手のぬくもりが感じられるやさしい味でした。
SDGsにもつながるおばばの活動、ぜひ応援したいと思いました。
梅干し×梅昆布塩、梅昆布塩×梅酢、梅酢×梅干しなど、とにかくいろいろ応用が効いて、しかもおいしい。梅好きにはたまらないでしょう。梅まみれになりたい方はぜひ!
■珠玉の南高梅づくし!再登場、奇跡の調味料【梅昆布塩】と【梅干し】【まろやか梅酢】
https://www.makuake.com/project/umekonbu2/
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。