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サラダ油、オリーブオイル、ごま油、ココナッツオイルなど、世界中に多種多様なオイルがあります。トレンドを抑えたり、健康を考えたりと、珍しいオイルをお試し買いをされた方もいらっしゃるはず。私にもそんな経験があって、使い方が良く分からないままキッチンの奥で眠っているオイル達が結構あるのです。
そこで、オイル別の正しい保存方法や、加熱?常温?など、何をどう選んで使えばいいのかを知り、目的に合った油を選べるオイル上手さんになって頂く為の「オイルの知識メモ」コーナーです。
初回は、オリーブオイルについてお伝えしていきたいと思います。
オリーブオイルは、オリーブ木の果実のみから採油されたもので、溶剤抽出や科学的処理を一切行わずに採油されたオイルで、他のいかなる種類のオイルも混入していないものをいいます。
他の食品油のほとんどが種子から作られており、溶剤抽出や加熱精製が不可欠であるのに対し、オリーブオイルはオリーブの実を搾り水分とオイルに分離させる。というシンプルな方法は古代ギリシャ時代も現代も全く変わっていません。オリーブの油の大部分(96〜98%)は果実部に存在してるので、まさに絞りたてのオリーブ100%の生フレッシュジュースなのです!
しかし油は1gあたり9kcalと、糖質、タンパク質(1gあたり4kcal)に比べても高カロリーなので、摂りすぎ“もこみちかけ”には注意が必要です。
絞っただけのオリーブオイルは、オリーブのフレッシュな香りや味わいがそのまま残っており、スパイシーな風味がしたり、ピリッとした苦味強かったり、オリーブの1600種以上ある品種や気候、産地、生産者などによってそれぞれ全く違う風味になります。
ワインやコーヒーのように、品種や産地によってどんな味の違いがあるのか、またどんな料理と合うのか、好みに合わせて使い分けてみるのも大人の楽しみのひとつですね。
そしてオリーブオイルは鮮度が命で、新鮮であればあるほど美味しく、ワイン同様ヌーボー(フランス語で「新しい」「当年産」)があり、南半球と北半球では収穫時期が違うので年に2回、フレッシュな味が味わえます。
4月頃に収穫期を迎えるチリやオーストラリアの南半球産は、夏に旬ものを味わうことができます。
10月〜1月の秋冬時期は、スペインなどの地中海沿岸地方の北半球産が旬を迎えます。最も早いものではイタリアで10月初めに収穫が開始され、このような早摘みのオリーブ果実から絞ったオイルは、まさにフレッシュジュースのような新鮮な強い風味があり、地元でもなかなか入手が困難なのだそうです。
12月になると北半球産の「オリーブオイルヌーボー」が日本にやってくるので「ボジョレヌーボー」ならぬ「オリーブオイルヌーボー」で今年の初物を楽しんでみたいですね。
参考
参考資料:『オリーブオイルハンドブック』(松生恒夫、鈴木俊久、朝日新書)
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。