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そろそろ薄着の季節。冬の間に、冬眠もしないのにしっかり貯め込んだ脂肪分は、もともとほとんど存在していないウェストのくびれを余計目立たないものにしてくれています。といって、おいしいつまみで一杯やりたいし、炭水化物も摂りたい。これは止めようがないことです。
そこで、今回は100gで7kcalという驚異の低カロリー、こんにゃくでつまみを作ることにします。こんにゃくというと、おでんや筑前煮など煮物に使うことがほとんどですが、これをスペイン南部発祥のアヒージョにします。“アヒージョ”とはスペイン語で“ニンニク風味のソース”という意味だそうですが、まさか純日本産で、外国の方にはスライムか?と誤解されるこんにゃくをアヒージョにするなんて、スペインの方も思いもよらないでしょう。
こんにゃくというと、白い色と黒いツブツブが入っているグレーっぽいのがあるのはご存じかと思いますが、何の違いかはこんにゃく製造の歴史に遡ります。
こんにゃくの歴史は古く、仏教伝来とともに渡来し、最初は医薬品として用いられていたものが、鎌倉時代ぐらいから一般的に食べられるようになったと言われています。当時はこんにゃく芋の生をすりおろして作られていました。この作り方だと芋のベースは灰色で、作る際にすりおろしたツブツブの皮が一緒に入って黒っぽくなります。これが黒こんにゃくです。だから当時はすべて黒こんにゃくでした。
しかし、江戸時代に入ってからこんにゃくの生芋を乾燥させて製粉したこんにゃく粉が発明され、これからこんにゃくが作られるようになり、現代に至っています。こんにゃく粉は真っ白なので、できたこんにゃくは白こんにゃくになります。つまり、こんにゃく粉では黒こんにゃくはできないわけで、スーパーに並ぶこんにゃくは全部真っ白のはずです。
ところが、今でも黒こんにゃくが存在しています。それはなぜか。地域差が関係しているようです。
一説によると、西日本では昔から、生芋で作られた黒こんにゃくが流通していて、こんにゃく粉の白こんにゃくは売れ行きが悪かった。そこで、メーカーが白いこんにゃく粉にひじきなどの黒い海藻の粉末を混ぜて色をつけ、黒こんにゃくを作って売ったのがはじまり、だそうです。
こうした経緯をたどったこんにゃくの分布を見ると、西日本は黒こんにゃく、東北は白こんにゃくと結構はっきり分かれています。さらに異端児として、滋賀県には派手好きな織田信長が作らせたともいわれる赤こんにゃくなんかもあります。
こんにゃくの話はこれぐらいにして、アヒージョの作り方をご紹介しましょう。
こんにゃくだけだとちょっとさみしいので、これから旬を迎えるしらすを加えます。しらすの塩気とこんにゃくのプルプルがなんとも絶妙で、オリーブオイルのおいしさも相まって、こんにゃくなのにワインが進みます。食べ終わったオイルはパスタソースにします。しらすが効いて、これも絶品です。
1. こんにゃくは3mm程度の薄切りにする。ニンニクも薄切りにしておく。
2. スキレットなどの鍋に1を入れ、中火で水気が飛ぶまで5分程度乾炒りする。こんにゃくは水分が多いので、油を入れなくても焦げつかない。
3. 2に醤油、日本酒、みりんを入れ、火を少し弱めて味をからませながら調味料の水分を飛ばす。
4. 調味料が焦げ付く前にオリーブオイルをこんにゃくがかぶるまで注ぐ。ニンニクと鷹の爪を投入。弱火でグツグツと煮る。
5. こんにゃくの端がカリっとしてきたら、しらすを投入し、しらすがキツネ色になるまで煮て出来上がり。
6. 全部食べ終わったら、パスタにからめるとまたおいしい。
こんにゃくは水分がほとんどです。素材自体に味がないので、しっかり下味を付けることがまず一番のポイントです。次に、アヒージョにする時は水分を極力飛ばすことがおいしさのコツです。乾炒りを十分にすると、食感が増すのはもちろん、味も入りやすくなります。またオイルでカリッとするまで煮ると、肉のような食感にもなります。
こんにゃくにはこんにゃくマンナンという、体内で消化されない食物繊維が含まれています。こんにゃくマンナンは、胃や腸で水分を吸って膨張する性質があり、便秘解消や血糖値の上昇を抑える効果があると言われています。
超低カロリーの上に食物繊維が摂れるこんにゃくは女子にとって強い味方です。でも、残ったオイルでパスタを食べたらダイエットも何もないんですけどね…
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