目次
口溶けの良い美味しいチョコレートを作るために必要なテンパリング。聞いた事はあるけど、どういうものかよく分からない、難しそうというイメージがある方も多いのではないでしょうか?
この記事では、パティシエである筆者が、テンパリングについての詳しい解説と具体的なテンパリング法や、オリーブオイルを使った簡単なお菓子レシピなどをご紹介します。
バレンタインにチョコレート作りにチャレンジしたい方は、ぜひ参考にしてみてくださいね!
テンパリングとは、チョコレートの温度調整をして、チョコレートに含まれるココアバターを安定した結晶(V型)にそろえる作業のことです。
テンパリングすると、ツヤのある口どけの良いチョコレートになります。
また、パキッとした固い食感や収縮性も出るので、型からきれいにはずすことができます。
テンパリングしないで固めると、表面の油脂が白く固まってツヤが無い状態になり、べたべたして食感も悪くなります。
お店で売られているような美味しいチョコレートを作るために、テンパリングは欠かせない作業と言えます。
テンパリングには、いくつかやり方があり、それぞれにメリットやデメリットがあります。
道具や設備の広さ、作る量、手軽さなど、自分に合った方法を選ぶ事が大切です。
ここでは、代表的なテンパリング法5種類についてご紹介します。
(スイートチョコレートを使った場合を例にしています。調整温度は、チョコレートの種類やメーカーなどによっても異なるので、必ず確認するようにして下さい)
チョコレートを電子レンジで少しずつ加熱し、ゆっくり混ぜながら溶かして、すべてが溶け終わった時32℃以下(スイートチョコレートの場合)になっていればテンパリングが完了という方法です。
とても手軽ですが、全てのチョコレートにこの方法が使える訳ではなく、100g程度の少量のテンパリングに向いた方法です。
カカオバターパウダーをチョコレートの重量の1%加えてテンパリングする方法です。
カカオバターパウダーは安定した結晶型でできているため、溶かしたチョコレートに加えると結晶型が安定します。カカオバターパウダーは、マイクリオという商品がよく使われます。
少量でも失敗が少ないため、初心者にもおすすめです。
温度管理が悪いと固まらなくなるので、温度の上げ下げには注意が必要です。
チョコレートを湯せんにかけたり冷やしたりして温度調整する方法です。
特別な道具がいらず、少量でも作りやすいため、家庭でのお菓子作りにおすすめです。
湯せんの水が入ると分離するため、作業中はチョコレートに水が入らないように注意しましょう。
刻んだチョコレートを溶かしたチョコレートに混ぜてテンパリングする方法です。
作業時間も短く手軽な方法ですが、ぴったりの温度に調整するためには、慣れや経験が必要です。
溶かしたチョコレートを冷たい大理石の上に広げ、均一に温度を下げる方法です。大量のチョコレートを扱う場合に適しています。
手早く作業する必要があるのと、チョコレートの状態を見極めなければいけないので、プロでも経験が必要な難しい方法です。
テンパリングをしたら、きちんとテンパリングできているかの確認が必要です。
テンパリングしたチョコレートをパレットナイフの先やカードなどに少量つけ、室温で2〜3分、冷蔵庫に1〜2分置いて指につかない位に固まれば成功です。
テンパリングに失敗した場合は、チョコがいつまでも固まらなかったり、表面にココアバターが白く浮くファットブルームと呼ばれる状態になります。その場合は、テンパリングをやり直しましょう。
テンパリングはチョコレートの状態が悪くならない限り何回でもやり直しできるので、最初はうまくいかなくてもやり直せば大丈夫!と思ってチャレンジしてみて下さい。
とはいえ、何回やってもテンパリングがうまくいかない、もっと簡単に作りたいといった場合もあると思います。裏技として、テンパリングせずにツヤのあるチョコレートにする方法をご紹介します。
最も簡単なのは、市販されているコーティングチョコレートを使う方法です。溶かすだけで簡単にツヤのあるチョコレートになります。
チョコがけのお菓子やボンボンショコラの表面などにも使えますが、口溶けやツヤ感などはきちんとテンパリングしたクーベルチュールチョコレートには劣ります。
家庭で作る時に手軽にできるのが、チョコレートに食用油を加える方法です。
クランチチョコレートなど他の食材を混ぜ込む時やお子さんと作る時などにおすすめの方法です。
食感や風味に関しては、テンパリングしたクーベルチュールチョコレートより悪くなるので、簡単に作りたい時に向いた方法と言えるでしょう。
バレンタイン向けに簡単に作れるレシピとして、オリーブオイルを使ったマンディアンショコラの作り方をご紹介します。ご家庭でも作りやすいようにテンパリングしない作り方にしていますが、本格的に作りたい場合は、ぜひテンパリングにも挑戦してみて下さい。
トッピングにブラックオリーブを使っているので、お酒などにも合う大人向けの味わいです。お子さんが食べる時など、オリーブの風味が苦手な場合は、トッピングから外して下さい。
1. チョコレートを耐熱ボウルに入れ、500wのレンジに30秒〜1分位ずつかけながら、滑らかになるまで溶かす。一気にレンジにかけすぎるとチョコが焦げ付いたりするので、加熱しすぎに注意する
2. 溶かしたチョコレートにオリーブオイルを加えて混ぜる
3. スプーンなどでオーブンシートの上に直径3〜4cm位に丸く落とし、チョコレートが固まる前に素早くトッピングをのせる
4. 完全に固まったら、オーブンシートからはがす
チョコレートの扱いに慣れないと難しく感じられるテンパリングですが、成功した時のチョコレートの美しさや美味しさは格別です。
まずは、手軽にできそうな簡単なレシピから始めて、慣れてきたらぜひ本格的なテンパリングにもチャレンジしてみて下さい。
チョコレートが上手に扱えると、お菓子作りの楽しさもさらに広がりますよ!
参考URL:失敗知らず!チョコレートのテンパリング基本ガイド
参考文献:中山弘典・木村万紀子『科学で分かるお菓子の「なぜ?」基本の生地と材料のQ&A231』柴田書店
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。