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お菓子作りの中でも、難しいイメージがあるシュークリーム。
うまく膨らまない、オーブンから出したらしぼんだなど、失敗経験がある方も多いのでは無いでしょうか?
初心者にはハードル高く感じるお菓子ですが、コツやポイントを抑えれば失敗する確率はぐんと下がります。
今回は、パティシエである筆者が、シュークリーム作りのポイントと、よくある失敗例と解決策についてお伝えします。ポイントを掴んでシュークリーム作りの参考にしてみてくださいね!
最後には、ひな祭りにもぴったりのオリーブオイルを使った苺シュークリームの作り方もご紹介しているので、ぜひそちらもご覧下さい。
シュー生地をうまく膨らませるためには、やわらかく伸びがあり、水分をしっかり含んだ生地を作ることが大切です。
生地を再加熱することによって小麦粉にふくまれるでんぷんが糊化(こか)して、生地の粘りが強くなります。
生地をしっかり糊化させるには、生地の中心温度が80℃前後になっていることが大切です。生地を広げながら均一になるように加熱して、鍋の底に薄い膜が貼るようになったら加熱終了の目安です。
焼く前に生地の温度が下がってしまうと、生地が固くなり膨らみも悪くなります。生地が出来上がったらすぐに絞って焼けるよう手早く作業しましょう。出来上がった生地は、40℃前後になっているのが理想的です。
絞ってから長く置きすぎると生地の表面が乾燥して膜が張り、これも膨らみを悪くする原因になります。
また、生地の温度を下げず、余分な水分の蒸発を防ぐために、使う材料は全て常温にしておいた方が良いでしょう。
焼き上がりが気になって何度もオーブンを開けてしまうと、庫内の温度が下がって生地がしぼんでしまいます。焼き上がるまでオーブンは空けないようにしましょう。
生地がしっかり膨らんで亀裂が入り、亀裂の部分にも焼き色がついていれば焼き上がりと判断できます。
考えられる原因はいくつかあります。
段取りなどを考えて手早く作業することと、細かいポイントに気をつけながら作業することが大切です。気になっても、途中でオーブンは開けないことが!
オーブンの温度が低いか、焼き時間が短く生焼けであることが原因です。
オーブンは200℃で十分余熱してから焼き、生地が膨らんでから段階的に温度を下げてしっかり乾燥焼きにします。
表面に亀裂が入り、亀裂部分にも焼き色が入るのを焼き上がりの目安にします。
水分と油脂が沸騰したら、一度火を止めてから粉を入れます。火をつけたまま粉を入れるとダマになりやすいので注意しましょう。
粉を入れたら、生地がまとまるまで一気に混ぜるのもポイントです。
卵を一度に沢山入れすぎると混ざりにくくなります。
溶き卵を3〜4回に分けて加え、都度切るように混ぜて乳化させます。全体が滑らかになったら次の卵を加えます。
卵の量は、生地の水分量によって変わるので、生地の状態を見ながら調整しましょう。生地をへらで持ち上げた時に、ゆっくり落ちて逆三角形になる位が固さの目安です。慣れないうちは、やや固めに仕上げた方がしぼむことが少なく安心です。
今回は、オリーブオイルを使ったシュー生地のレシピと、苺と生クリームを使ったアレンジ方法をご紹介します。
カスタードクリームだけでも美味しいですが、クリームやフルーツを使えば華やかなデザートになってひな祭りなどにもおすすめです!
<シュー生地>
<カスタードクリーム>
<仕上げ用>
<シュー生地>
1. 水とオリーブオイルを手鍋に入れて中火にかける。
2. 完全に沸騰したら火を止めて、ふるった薄力粉を一度に加える。
3. へらで一気に混ぜて、生地全体をまとめる。
4. 再び火をつけて、へらで混ぜながら鍋底に薄く膜が張るまで加熱する。
5. 生地をボウルにうつし、溶き卵を3〜4回に分けて加えながら、その都度卵がなじむまで混ぜる。生地がなめらかになり、へらから逆三角形に落ちる位が目安。
6. 直径11mm〜13mm位の丸口金をつけた絞り袋に入れて、オーブンシートを敷いた天板に直径5cm位に丸くしぼる。
7. 表面に霧吹きで水を吹いて、200℃に余熱したオーブンで10分→180℃20分程焼く。
8. オーブンが止まったらすぐにオーブンを開けず、余熱で10分程置いてから出す。
<カスタードクリーム>
1. 牛乳は手鍋に入れて火にかける。
2. 卵黄にグラニュー糖を入れて白っぽくなるまですり混ぜ、薄力粉とコーンスターチを加える。
3. 牛乳の周りがフツフツしてきたら火を止めて、2の卵黄に加える。鍋に濾しながら戻す。
4. 絶えず混ぜながら中〜強火にかけ、全体がなめらかになり、ツヤが出るまで炊き、火を止めてバターを入れる。
5. バットなどに流して密着ラップし、氷を当てて急冷する。粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やす。
<仕上げ>
1. カスタードクリームをなめらかにほぐし、固くあわ立てた生クリーム50gと合わせてクレームディプロマットを作る。
2. シューの上部1/3位を切り落とし、下の部分にクレームディプロマットを切り口いっぱいまで絞る。
3. 残りの生クリームを星口金で絞り、苺を飾る。
4. 切り落とした上部に茶こしで粉糖を振り、上に飾る。
一見難しそうに感じるシュークリームですが、失敗しやすいポイントさえ抑えれば、成功率は上がります。
そのままカスタードクリームを絞って食べるのも良いし、生クリームやフルーツで飾れば、ひな祭りやパーティーなど行事ごとにもぴったりのデザートになります。
オリーブオイルを使った生地は軽くてあっさりしているので、塩気のあるフィリングを挟んでおつまみなどにするのも良いですね!
シュークリームをマスターして、美味しいおうち時間を楽しんでみてください。
参考文献:
中山弘典・木村万紀子『科学で分かるお菓子の「なぜ?」基本の生地と材料のQ&A231』柴田書店
参考URL:
シュークリームの秘伝レシピをプロが伝授!シュー生地がふっくら膨らむ裏ワザとは – dressing(ドレッシング)
「シュー生地」失敗から学ぶ、成功するお菓子レシピ
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。