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2026年3月23日

抹茶が消える日? 世界的ブームがもたらす意外な影響

抹茶が消える日? 世界的ブームがもたらす意外な影響

日本を代表する伝統的なお茶「抹茶」。近年、この抹茶が海外で空前のブームとなっているのをご存じでしょうか?

国内でも、訪日外国人が抹茶メニューを求めて行列をなす光景や、抹茶の名産地で商品がすぐに売り切れてしまう状況が珍しくなくなりました。

お菓子作りに抹茶を使用する筆者自身も、以前はスーパーでも買えた抹茶が店頭から消えていたり、価格の上昇を感じたりと、需給バランスの変化を感じています。

抹茶はいまや「日本の伝統文化」から「世界的な人気食材」へと変化しました。この記事では、抹茶ブームの背景と、その裏側で起きている課題について考察します。
貴重な食文化を未来へつなぐために、いま改めて抹茶の現状を見つめてみましょう。

  • オリーブクエスト
  • ルイーザ(LUISA)

空前の抹茶ブームが起きている理由

抹茶ブーム

抹茶人気は、これまでにない規模で世界中へ広がっています。
健康志向の高まりやSNSの影響もあり、抹茶は単なる飲み物でなく、ライフスタイルの一部として受け入れられつつあります。

海外で特に人気なのは抹茶ラテ。カフェ文化との親和性が高く、日常的に楽しめる抹茶メニューとして定着しました。
元々抹茶の人気が高かった欧米市場をはじめ、サウジアラビアやタイなど中東や東南アジアでも需要が拡大しています。

この現象の背景には、いくつかの要因が存在します。
なぜ抹茶は、これほどまでに熱狂的なブームを巻き起こしているのか、その要因について迫ってみます。

1. 健康志向との親和性

抹茶は、茶葉を丸ごと粉末にするので、茶葉に含まれるカテキン・テアニン・ビタミン・食物繊維などを効率よく摂取できます。その強力な抗酸化作用や栄養から、海外では「スーパーフード」として、特に健康志向の高い層から支持されています。

また、植物由来であることから、ヴィーガンやナチュラル志向の層とも相性が良く、健康・美容を意識する消費者に広く受け入れられています。

2. 海外での日本文化への関心

抹茶の海外での認知の高まりと共に、「禅(ZEN)」に代表されるような抹茶の背景にある「精神性」や「丁寧な暮らし」といった概念も注目されています。

こういった傾向は、近年のマインドフルネスを求める風潮ともぴったり合致していて、ライフスタイルの一つとして受け入れられています。

3. SNSとの相性の良さ

鮮やかな緑色が特徴の抹茶は写真映えするので、SNSとの相性も抜群です。若い世代を中心に、「抹茶ラテ」や「抹茶スイーツ」といったフォトジェニックな食べ物の写真が世界中に拡散され、トレンドを加速させました。

ハリウッドセレブなどの影響力のあるインフルエンサーが、抹茶を取り上げた投稿をするのも、ブームの後押しをしています。

4. グローバルな企業の参入

スターバックスなどの世界中に店舗のある大手チェーンが抹茶メニューを打ち出した事で、日常的に消費しやすいものになりました。
世界中の企業が抹茶の獲得に乗り出しており、市場規模はどんどん拡大しています。

抹茶ブームがもたらす課題

抹茶ブーム

海外への輸出量が増え、抹茶の認知度が上がることは一見良いことのように思えますが、思わぬ弊害もあります。急激な抹茶ブームによって引き起こされる問題についても取り上げます。

1. 抹茶価格の高騰と供給不足

抹茶の原料となる「てん茶」の栽培や加工には非常に手間と時間がかかり、すぐに生産量を増やすことは困難です。結果として需要が供給を上回り、価格上昇や品薄が続いています。

これは一般消費者だけでなく、菓子職人や飲食店、茶道関係者にも影響を与えています。

2. 小規模事業者や生産者の負担増大

抹茶ブームの陰で、国内の需要や生産者は減少傾向です。抹茶ブームに乗って、自社で生産から加工まで行う大規模な製茶業者は売り上げを伸ばし、生産体制が追いつかない中小メーカーは、赤字や休廃業に追い込まれる所も出てきて、二極化が進んでいます。

帝国データバンクの調査によると、2025年の製茶業の倒産件数は、過去最高を上回っています。栽培農家も、人手不足と高齢化が重なり、限界を感じる農家も出てきています。

3. 品質問題と誤認リスク

海外需要の増加に伴い、「抹茶」と称した類似商品も増えています。本来の抹茶とは異なる粉末茶が混在することで、品質やブランド価値がゆらぐ懸念も指摘されています。

抹茶文化の信頼性を守るためには、正確な理解と適切な情報発信が重要です。

4. 国内文化への影響

海外への輸出が増大する一方で、国内では茶葉の入手困難や価格の高騰が続いています。稽古用の抹茶が手に入らず、茶道教室の運営が困難になる事例もあり、伝統的な茶道文化への影響も心配されています。

また、煎茶から抹茶の生産に切り替える農家が増えたことから、抹茶ブームの余波で、日常的に飲まれる煎茶の価格も上がっています。

抹茶の未来に必要な視点

抹茶

抹茶ブームとして起こった世界的な「抹茶バブル」は、一過性のブームではなく、今後も市場拡大が続くと予想されています。

しかし、持続的な成長のためには、生産体制の整備、品質の維持、文化的価値の保護などが不可欠です。

単なる流行ではなく、日本の大切な食文化として抹茶を守る視点が求められています。

抹茶の未来を守るために私たちにできること

抹茶

世界的な抹茶ブームは、日本文化が再評価されている証でもあります。しかし、その裏では、供給不足や生産現場の課題といった深刻な問題も存在します。

抹茶の価値を未来へつなぐためには、消費者・生産者・市場がバランスよく共存する仕組み作りが重要です。伝統と需要の両立という視点で、私たち一人一人が現状を知り、考えて選択・行動することが大切です。

■参考URL

企画:オリーブノート編集部
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