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山形の”だし”という郷土料理をご存知でしょうか。”だし”といっても、そばや味噌汁に使う”出汁”(だし)とは違います。ナスやキュウリ、ショウガ、ミョウガ、オクラ、大葉などの夏野菜を細かく刻んだものと、納豆昆布ともいわれるほど粘りが強い、がごめ昆布や切り昆布を合わせて漬けた山形県の郷土料理です。
味付けは作る家それぞれで異なっていて、塩、しょうゆ、辛味を入れたりとバリエーションは豊富です。食べ方としては、ご飯にかけてかきこむのが王道で、冷蔵庫で冷やした”だし”とアツアツのご飯のコラボがたまりません。
”だし”は2000年ごろまでは山形周辺でのみ作られていて、知る人ぞ知るようなマイナー漬物でした。しかしその後、NHKの「きょうの料理」で紹介されると、その年の「きょうの料理」視聴者からのレシピ問い合わせ第1位になるほどの人気となり、一気に全国に知れ渡るようになったようです。今ではスーパーでパック入りのものも売られるようになり、身近な漬物として親しまれています。
”だし”は夏の漬物なので、もちろん夏野菜がベースになります。絶対入るものはナスとキュウリ。これに香味野菜のミョウガ、ショウガ、大葉などが入ります。加えて、ネバトロが”だし”のおいしさのポイントなので、オクラ、がごめ昆布(納豆昆布)を合わせるが一般的です。
でも、これといったルールはないので、冷蔵庫でハンパになっている使いかけのにんじん、ピーマン、セロリ、ズッキーニなどを入れてもOKです。逆にトマトなど水っぽい野菜はNGです。せっかくのネバトロがサラサラになってしまいます。
何かを作ろうとするとレシピ通りに買いそろえないとなぁと思いがちですが、この”だし”はナスとキュウリ、がごめ昆布だけあれば、あとは冷蔵庫と相談してください。
”だし”の材料は野菜と昆布だけなので、とてもさっぱりしています。だから、夏の暑い朝ごはんにさっとかきこむ、という食べ方が多くなります。でも、この”だし”にオリーブオイルを回しかけると、一気にコクが増してごちそうに変わります。いわば和風サラダのようなものなので、オリーブオイルとの相性も抜群なのです。これは想像以上にイケます。ご飯はもちろんですが、冷奴、そうめん、パスタなど何にでも合います。
”だし”を作るうえで一番めんどくさいと言えば、野菜を切ることだけです。といっても、ナスやキュウリは包丁で切りますが、それ以外はめんどうならフードプロセッサーを軽くかければOKです。ただし、フープロにかける際には、野菜は1種類ごとにしてください。
1. ナスとキュウリを5mm角ぐらいに切る。ボウルに水を1リットルぐらい入れて、塩を入れ、切ったナスとキュウリを浸けておく。これがアク抜きと下漬けになる。
2. 1を15~30分ぐらい浸けたらザルにあけ、水をよく切っておく。
3. オクラを電子レンジに2分ほどかけてから水で冷やし、みじん切りにする。
4. ミョウガ、ショウガはみじん切り(フードプロセッサーでもOK)、青じそは千切りにしておく。
5. ボウルに2,3,4とがごめ昆布(納豆昆布)、醤油を入れてよくかき混ぜて粘りけを出す。
6. 保存容器に入れて冷蔵庫で2時間ぐらい冷やしてできあがり。2日ぐらい保存できるが、色が変わるので早めに食べた方がよい。
漬け上がった”だし”をアツアツのご飯の上にたっぷりかけてから、エキストラバージンオリーブオイル、ルイーザを回しかけてざっくり混ぜてからかきこみます。食べてみると野菜と昆布だけのさっぱり味にオイルのコクが足されると、こんなにも豊かな味になるのかという感じです。サラダとはまた違うし、漬物にオイルをかけた感じとも違う。これは細かく切った夏野菜と昆布が絶妙にオイルと合うのだと思います。
”だし”の調理といえば、ほぼ野菜を切ることだけです。その際、ミョウガやショウガなどの香味野菜はフードプロセッサーでみじん切りにしてもよいのですが、ナスとキュウリだけは包丁で細かく刻んでください。フードプロセッサーだと切り口がギザギザになるので、食感が悪くなるからです。できれば香味野菜も包丁で丁寧に刻むとおいしさが違います。
あとはがごめ昆布(納豆昆布)を多めに入れると、昆布の出汁が出るのと同時に粘りけが強くなるので、よく混ぜるとネバトロになります。材料や分量は好きなものを好きなだけ入れればよいと思います。
”だし”はただ夏野菜を刻んで昆布と混ぜただけじゃんと思われがちですが、食べてみるとそれぞれがうまく組み合わさって、絶妙にコラボするのです。たくさんの種類の夏野菜を一度にたっぷり摂ることができるので、この夏のおすすめレシピには間違いありません。
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