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マーガリンなどに含まれるトランス脂肪酸(トランス型不飽和脂肪酸)は、食品から取る必要がないものと考えられており、むしろそれによる健康への悪影響が注目されています。
厚生労働省の「トランス脂肪酸に関するQ&A」によると、
※平成18年度食品安全委員会調査
以上のように記されています。
その上で、平成22年のマーガリン、ファットブレッド、ショートニングを対象とした検査では、トランス脂肪酸の含有量は減少傾向にあることがわかりました。
トランス脂肪酸の摂取量については、農林水産省の「すぐにわかるトランス脂肪酸」に分かりやすく書かれています。
トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%に相当する量よりも少なくするよう勧告をしています。日本人が1日にとるエネルギー量の平均は約1,900 kcalであり、この1%に相当するトランス脂肪酸の量は約2グラムです。
農林水産省HP
基本的に食品から摂取する必要が無い前提ですので、この勧告はぜひ実践したいものですね。
マーガリンやショートニングは、使っていないつもりでも、知らずのうちに多くの加工食品を経由して摂取しています。ハンバーガーやドーナツなどファストフードの食品はトランス脂肪酸の多いショートニングが使われていることが多く、日頃から意識することが大切です。
とはいえ、社会的な意識の高まりもあり、身近で手に入るマーガリンのトランス脂肪酸含有量が減少していることは喜ばしい限りですね。どのくらいへったのでしょうか?調査してみることにしました。
二つのスーパーを回って、売っていた商品のトランス脂肪酸を調べました。
商品をみて気付いたのは、メーカーもかなり意識しているようで、パッケージには次のようにトランス脂肪酸についての記載がありました。
しかし、残念なことにどの程度トランス脂肪酸が含有されているかは、パッケージに書かれておらず、以下の様な分かりにくい表示があるのみです。
<トランス脂肪酸の原因となる部分水素添加油脂※を使用していません>
え?トランス脂肪酸は入ってないじゃん!
そんな風に、勘違いされる人もいるのではないでしょうか。そんなことはありません。各社のHPを調べてみたところ、それぞれしっかりと含有しています。
リスクが分かっており、摂取を控えるよう国から勧告されているトランス脂肪酸です。
どの程度含んでいるのかは、パッケージにキチンと表記していただきたいものです。
※部分水素添加油脂とは、水素添加の工程を経て製造され、完全に飽和していない食用油脂と定義されています。シンガポールや台湾では食品への利用を禁止しています。
売っていた商品と各メーカーの関連商品について以下にまとめます。
小岩井
部分水素添加油脂:使用しない
雪印
現在の『ネオソフト』に含まれるトランス脂肪酸の含有量は、2004年に比べ1/16の量まで少なくなっています。
雪印Hp
部分水素添加油脂:使用しない
バリュープラス(PB商品)
◎参考までに製造メーカーJオイルミルズの商品を調査
部分水素添加油脂:使用しない
帝国ホテル
部分水素添加油脂:使用しない
例えば体重50キロ、30代女性の身体活動レベルが「普通」である人の場合、1日に必要なエネルギー量は1920Kcalとなります。
国のトランス脂肪酸摂取量の勧告はその1%以下。19.2kcalですのでトランス脂肪酸に換算すると2.2g(油脂1g=9kcal)です。
食パン1枚当たりのマーガリン量はメーカーによると10gで計算されていますので、調べた商品の全てがパン1枚当たり0.1g以下。最も少ない商品では0.035g!
平成18年度の調査では100gあたり平均7gとありましたのでものすごい改善ですね。ちなみに、業務用マーガリンで高いシェアを持つ「株式会社カネカ」を調べてみましたが、トランス脂肪酸軽減の取り組みは見て取れるものの、数値についてはわかりませんでした。
ファストフード大手・マクドナルドの取り組みは、HPに以下の通り記されています。
日本マクドナルドは、欧米のトランス脂肪酸の規制とともに、これまでに原材料や調理方法などの研究に取り組んできました。
マクドナルドHP
2007年にトランス脂肪酸を減らすため原材料の一つであるフライ油の仕様を変更いたしました。このフライ油の仕様を変更したことで、マックフライポテト®︎に含まれるトランス脂肪酸の量を減らすことができました。
多くの企業も努力を続けていることが分かります。国民の所得が上がらない中、コストを考えればいきなりなくすことも出来ないトランス脂肪酸。消費者の一人として、自己防衛していく上でも適切な知識を身に着けることが大切です。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。