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鶏むね肉といえば、このオリーブノートで何度も取り上げられている人気食材です。何よりまず価格が安い!特売なら100gで48円、大きい胸肉1枚で150円もしない、なんてことはザラです。それに高タンパク低カロリーなので、ダイエットをしている方やより良い筋肉をつけようとしているストイックな筋トレマニアの方にとっては、非常にバランスの良い肉なのです。
しかし、難点が一つ。脂肪分がほとんどないので、下ごしらえせずに火を通すとパサパサで味がしない。それに肉の繊維が結構複雑に走っていて、意外と食べにくい。要するに味気ないのです。これが安さの理由なのでしょう。
しかし、鶏むね肉は調理法によってはとてもおいしくすることができます。
たとえば、塩と砂糖で3日ぐらい漬け込んでから低温調理する方法があります。この方法だとプリプリになって、まるでイカのような弾力になります。ただ、濃いめの味がついてしまうので、他の料理に応用する、ということができません。鶏ハムやサラダの具材にするには絶好ですが、そればかりでは飽きてしまう…ということになりかねないのです。
そこで、今回は塩や砂糖の味をつけず、時間もかからず、しかも出来上がりが簡単ジューシーになる裏ワザをご紹介します。下味をつけなくてもOKなので、どんな料理にも返信させられるというスグレモノ裏ワザです。
鶏むね肉の繊維は非常に複雑です。この画像の肉の下半分の繊維は時計で言うと11時の方向から5時の方向に走っているし、上半分は9時から3時の方向に走っています。まず、この繊維の方向を見極めることがジューシーに仕上げるコツです。繊維を断ち切るように肉を切れば、オリーブオイルがより浸みこみやすくなるので、ふっくらジューシーに仕上がってくれます。繊維が走っている方向は、肉を見るとすぐわかるのでご安心ください。
この繊維の方向がわかったら、その繊維を断ち切るように切っていきます。ちょうどホタテ貝の柱を思い浮かべるとわかりやすいと思います。うまく繊維が断ち切れると、ホタテ貝のような切り身ができます。一口大に切るなら、まず繊維の方向が異なる上半分と下半分を切り離してからにしましょう。
また、胸肉を切り開いてから、のし棒や空ビンで叩いて伸ばすと、薄いカツレツを作るのに最適の状態にすることができます。
この伸ばした状態で、大体20cm以上はあります。たった1枚150円足らずで、とてもボリュームのあるミラノ風カツレツを作ることができます。なんともサイフにやさしいじゃないですか。
肉を切ったら、ジューシーに仕上げる裏ワザをくりだすことにしましょう。といっても簡単です。以下ご紹介。
1. 切った肉をジップロックに入れる。ここで塩、コショウを少々ふってもよい。大さじ2の片栗粉を入れ、ジップロックを閉じて袋を振り、まんべんなく肉に片栗粉をまぶす。
2. 1にオリーブオイル(できればエキストラバージンオリーブオイルなどの上質のもの)をたっぷり注ぎ、袋をもんで肉にオイルをなじませ、30分から1時間程度冷蔵庫で寝かせる。それ以上長くてもOK。
ここまでできたら、あとはいろいろなアレンジができます。1日置いても大丈夫なので、前の日にここまで作っておいて、翌日はただ焼くだけでもOKです。
下ごしらえが済んだ肉を使って、今回は甘辛醤油の焼き鳥風と、ミラノ風紙カツレツをご紹介します。どちらもとても簡単で、しかもボリューム満点。家のみにはもってこいのおつまみとメインディッシュになります。
一口大に切ったものは、甘辛醤油で焼いて焼き鳥風にするとこじゃれたおつまみになります。付け合わせにししとうや長ネギを一緒に焼いてもおいしくいただけます。下ごしらえ時に片栗粉をまぶしてあるので、甘辛味が肉によくからみます。
1. フライパンを熱して油はひかずに下ごしらえした肉を入れ、両面をきつね色になるまで焼く。
2. 1に醤油、日本酒、砂糖を入れてよく混ぜ、汁気がほとんどなくなるまで時々肉をひっくり返して味をよくからませる。このとき、付け合わせのししとうや長ネギを一緒に焼いても良い。
3.器に盛ってできあがり。
肉を切り開いて叩いて薄くしてから裏ワザ下ごしらえものを使ってカツレツを作ります。軽く大きさ20cmは超えるボリュームある一品です。粉チーズをパン粉に混ぜて肉にまぶしますが、すでにオイルがしみ込んでいるので、よくくっついて簡単にまぶすことができます。
1. パン粉と粉チーズを混ぜる。
2. 肉に塩、コショウ少々をふり、1をまぶす。すでにオイルがついているので衣は簡単につく。
3. フライパンを熱し、オリーブオイルをひいてからニンニクを入れ、2をそっと置いて広げ、両面がきつね色になって表面がカリっとするまで焼く。
4. 肉が焼けたら皿に盛り、あいたフライパンにトマトケチャップを入れて少し熱してから肉にかけてできあがり。
鶏むね肉は肉の中には脂分がまったくない上に、かなり厚みがあり、そのまま調理しても味気なく、肉汁もないので物足りなさが残ります。しかし、オリーブオイルと片栗粉で下ごしらえをしておくと、まるで生まれ変わったようにおいしくなります。作る料理によって切り方を変えて漬け込んでおけば、あとは焼くだけ。この下ごしらえはオススメです。使うオリーブオイルにはこだわって、質の良いエキストラバージンオリーブオイルにすると上品なコクが出て、一層おいしくなります。
家のみを脱出して、安心して外食できる日までにはまだかかりそうです。なんとか工夫しながら楽しくおうちごはんを楽しみましょう。
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。