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「高加水パン」を知っていますか?食パンなどのパン生地は、粉に対して水分が65%前後というのが一般的ですが、「高加水パン」は80%近く水分を入れたり、100%を超えたりするものもあります。たっぷりの水分を含むことでもちもちの食感が生まれ、高加水パンならではの美味しさが楽しめます。
自分で作るなんて難しそうに思えるかもしれませんが、実はおうちでも作ることが可能。生地を手でこねるという工程がなく、コツを掴めばとっても簡単にできるんです。
今回は、高加水パンのひとつである「チャバタ」のレシピを紹介します。
チャバタとは、イタリアの代表的な食事パンで、形が「スリッパ(=チャバタ)」に似ていることが語源です。
水分量が多くしっとりもちもちとした食感が特徴で、シンプルな材料で作られます。卵や乳製品を使用しないため、ヘルシーである、アレルギーに対応している、手軽に作れる等、美味しさ以外にも嬉しいポイントがたくさんあります。
サンドイッチなどのアレンジにも向いており、イタリアでは、チャバタにチキンやハム、チーズ、野菜などの具材をサンドして波型の鉄板で挟んで焼く、パニーニも人気です。シマシマの焼き目が特徴で、日本でもコンビニやパン屋で販売されているので、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
冷蔵発酵でじっくりと時間をかけて作ることが多いですが、今回はより手軽に作れるよう冷蔵発酵なしで作ります。力を使ってこねる作業はなく、ボウルの中で混ぜ合わせるだけで生地ができあがります。
1. ボウルに強力粉、塩、ドライイーストを入れて混ぜ合わせる。
2. ぬるま湯を加えてゴムベラでよく混ぜ合わせ、粉っぽい部分がなくなったら、ラップをして室温(20〜25℃)で20分休ませる。
3. ゴムベラで生地をすくい上げ、反対側に折りたたむ。これを4〜5方向から行い、生地をまとめる。
※伸ばしすぎると生地がちぎれるので、ちぎれないギリギリの高さまで持ち上げて折りたたんでください。
4. ラップをして再び室温で20分休ませ、同じ作業を行う。
※1回目より生地の伸びが良くなっていると思います。これが、生地が繋がっているということ。生地をこねる作業と同様の作用があります。
5. ラップをして発酵させる。
※温度が高すぎると生地がダレて扱いにくくなるので、28℃程度で発酵させてください。
※発酵が完了するタイミングでオーブンの予熱(250℃)が完了するよう、天板ごと予熱しておいてください。
透明の容器で発酵させると発酵の様子が見えるのでおすすめです。裏から見ると、しっかり気泡ができているのがわかりますね。
6. 生地が2倍に膨らんだら、生地と台に強力粉をふり、ゴムベラを生地とボウルの間に入れてからボウルを裏返し、生地を落とす。
※生地をひっぱらないよう、自然に落としてください。
7. 生地の下に手を入れるようにして、やさしく広げる。20×20cmが目安です。
※気泡を潰さないようやさしく扱いましょう。
8. 生地を三つ折りにする。
9. スケッパーで3分割してクッキングシートを敷いた板にのせる。
10. 切り込みを1本入れる。
※生地の表面がべとついていたら粉をふり、素早く削ぐように切ってください。クープナイフやカミソリを使用するのがおすすめです。
11. 熱した天板(250℃)にクッキングシートごと移し、230℃に下げて13〜15分焼く。
※スチーム機能がある場合は3分入れる。なければ庫内に素早く霧吹きを4〜5回してから焼いてください。
外はパリッと薄皮で、中はもっちもちのチャバタが焼きあがりました!
大きめのポコポコした気泡があり、薄い膜がきらきらしているのが高加水パンの特徴。気泡がつまっているようであれば、発酵が足りていない、成形の際に気泡をつぶしてしまった等の原因が考えられるので、その点に注意して作ってみてください。
生地の扱いになれるまでは水を120gから始めてもOKです。生地の作り方や扱いに慣れてきたら、徐々に水分を増やしみてくださいね。強力粉の種類によって吸水率も違うので、お使いの粉に合わせて調整してください。
水分が多い生地をしっかり上に膨らませるためには、下火の強さが大切です。家庭のオーブンでは、予熱の段階で天板も一緒に温めておくことで、生地を下からもしっかり加熱することができます。生地をのせたクッキングシートを天板よりやや小さいサイズの板にのせ、予熱した天板にクッキングシートをスライドさせて焼きましょう。
焼くときにスチーム(蒸気)を入れることで、生地の表面が乾燥せずふっくらと焼きあがってくれます。スチーム機能がない場合は、生地を天板にスライドさせたらすぐに庫内に向かって霧吹きを4〜5回吹きかけてください。庫内の温度が下がらないよう、素早く行いましょう。
いかがでしたか?なるべくシンプルな工程でおうちでも作りやすいレシピになっています。美味しく焼くポイントも紹介しているので、ぜひ「高加水パン」作りにチャレンジしてみてくださいね。
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