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オリーブオイルについて深く学びたいとき、代表的な受講・取得可能な資格は次のものがあります。
日本オリーブオイルソムリエ協会とは日本最大のオリーブオイルに特化した専門機関です。日本はIOC(International Olive Council:国際オリーブ協会)に加盟しておらず、JAS規格によってオリーブオイルの規格が定められていますが、IOC自体も生産国が中心になってつくられた基準です。したがって、より消費者の立場に立ったオリーブオイル鑑定の知識を養います。
オリーブオイルの歴史的背景、規格基準、製法、品質や風味の特徴などの基礎をマスターし、テイスティングの技術を習得していること。
テイスティングの実習を行いながら、オリーブオイルの知識を広く学びます。
オリーブならびにオリーブオイルの栽培から製造にいたる流れ、品種、格付、栄養学的見地、健康効果、料理への活用法などの専門的知識を習得し、それを他の人々に語ることができること。
ジュニアオリーブオイルソムリエの資格を取った後に、挑戦できます。
参照:日本オリーブオイルソムリエ協会
日本オリーブオイルテイスター協会は、その世界基準の規定に沿ったオフィシャルなテイスター養成コースを学び、オリーブオイル鑑定のプロとしての資格認定をしています。
IOC(国際オリーブ協会)の規定に則っておこなわれるテイスター養成のための教育プログラムです。
オリーブオイルに関する概論や規定、IOCの国際基準に基づいた化学分析や官能検査、テイスティングメソッドなど、オリーブオイルテイスターとして必要な基本技能と知識を学びます。
参照:日本オリーブオイルテイスター協会
編集部では、二日間にわたってジュニアオリーブオイルソムリエを受講してきました。授業は120分の授業が全部で6コマ。二日間みっちりとお勉強してきましたよ。
受講内容は、ざっくり次の通り、
丸二日間かけてしっかり習得します。
これまでさんざんオリーブオイルを食べてきた編集部ですが、ここでテイスティングの技術を学ぶと、オリーブオイルの豊かな香り、風味に驚きます。
写真のようにして、エキストラバージンオリーブオイルを体温で温めながら、カップの中に香りを閉じ込めます。そのあとにそっと香りを確かめると、青リンゴ、すもも、ベリー、イチジク・・・、ウソみたいだけれど、フレッシュでフルーティーな香りがしっかりと確認できました。
本物のエキストラバージンオリーブオイルは、その品種によって、驚くほど味が異なります。香り・甘味・苦味・渋み・辛味などから構成されるオリーブオイルの味は、産地や品種で大きく異なり、料理も向き不向きの相性があることを知って、改めて感動します。
何でも”かければいい”というものではないのですね。
また、科学的な根拠をもとに、深くオリーブオイルの薬事的効果を知り、健康の為にもより多くの方に消費いただけるよう、情報を発信してゆきたい!そんな想いを抱くこととなりました。
二日にわたる受講が終わって、代表理事の多田俊哉氏にお話を伺いました。
日本オリーブオイルソムリエ協会は、日本での健全なオリーブオイル市場の構築を目的として2005年に創立、2009年に社団法人化された日本で最大規模のオリーブオイルの専門団体です。会員数は現在1680名います。
その背景には、国際的に品質偽装が横行するオリーブオイル業界にあって日本市場もその例外ではなく、本来消費者が量販店や百貨店で安心して品質・価格に応じた商品を買える状況からは程遠い現状の中で、そうした事態を少しでも改善するために、オリーブオイルのプロを養成することを活動の中心に据えています。
現在は、オリーブオイルの専門家養成として、オリーブオイルソムリエ®の指導養成の他、オリーブやオリーブオイル生産者のために海外から技師を招いて栽培や搾油の講座を行うとともに、流通業者むけに「オリーブオイルアドバイザー」などの資格講座を開講しています。
2012年には日本で初めてとなる国際的なオリーブオイルコンテスト『OLIVE JAPAN』を開催、今年その9回目となるOLIVE JAPAN 2020 を開催しました。世界23か国から700品以上のエントリーを集めるコンテストは今や世界でも2〜3番目の規模を誇る著名な国際オリーブオイルコンテストになっています。
コンテスト後に開催されるイベント「OLIVE JAPAN SHOW」は昨年開催から池袋西武百貨店にその舞台を移し、約20万人以上が参加して100種以上のコンテスト受賞オイルを買うことができる世界でも最大級のオリーブオイルイベントとなっています。
本当に様々なかたが受講されます。高校生から80代の方まで年齢層は幅広く、また料理人や料理研究家、輸入業者から生産者、あるいは医師や栄養士、大学教授なども大変多くなっています。一方で約3割程度の方は、普通の家庭の主婦です。
職業をお持ちの方は、それぞれの仕事に役立てる知識を求めて来られるほか、純粋に趣味でオリーブオイルを楽しみたい、と受講されてはまってしまい、とうとうショップまで出された、という主婦の方もおられます。
様々なシーンでの活躍が見られます。野菜ソムリエやパン講師などもソムリエの知識を使ってそれぞれの調理などにオリーブオイルを取り入れて講演や講義を行うほか、流通の現場で消費者向けに熱心に商材説明をするときの知識として役立てる方も多くいらっしゃいます。
もちろんインポーターの方は、学んだ知識と技術で、生産者との折衝に役立てていただいています。
私たちは、オリーブオイルは大好きですが、オリーブオイルの摂取だけを勧めるような、「妄信的」な団体ではありません。スタッフの中にもバター好きや肉好きもたくさんいます。そもそも油の摂取は、様々な油をバランスよく摂取することが重要です。ただ、そうした中でもオリーブオイルの占める地位は、少々特別です。
良質のオリーブオイルを選ぶことができれば、その健康機能や安全・安心度は抜群です。遺伝子組み換え原料の心配は一切ありませんし、油分の抽出や精製で油を変質させてトランス脂肪酸を発生させる化学合成などの心配もありません。
天然の抗酸化成分をこれほど多く含む油脂はほかになく、しかも主成分のオレイン酸は人間の体を構成する成分の一つですから過剰摂取が害になることもありません。
有史以来人間の生活と1万年近くもの間、人々の生活とともにあるため、食経験の背景は申し分なく、文化的な価値も豊富です。
しかも、すばらしく美味しい。
こんな自然食品に触れることは、他にあまり例がなく、まさに天の恵みとでも言うべきものでしょう。そして、良質のものを創り出すためには、農家のたゆまない努力と苦労の積み重ねが必須です。
そう、つまり、すべてが美しい心の連鎖によってのみ生み出され、遠く1万キロも離れた日本の地にもたらされるのは、まさに奇跡とでも言うべきことかもしれません。そんな思いを、多くの人々と分かち合ってまいりたいと考えています。
素晴らしいオリーブオイルの魅力を沢山学ばせていただきありがとうございました。
二日間の学びを糧に、オリーブオイルの魅力を一層広げてゆきたいと思います。
多田先生、ありがとうございました。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。