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寒空にホカホカの焼き芋がおいしい季節です。昔は焼き芋屋さんが街中に売りにきて、計り売りしていたものですが、最近はコンビニやスーパーで茶色の袋に入っているのを自分で選んで買うもの、に変わっています。なんだか味気ない感じですが、焼き芋屋さんよりもはるかに安いので、まあしょうがないところです。
さつまいもの旬は他のいもと同様、秋です。いも掘りと言えば秋!と思い浮かべられるほどです。旬のものはその時期に食べれば一番おいしいはずですが、さつまいもが本当においしいのは今の時季です。というのも、さつまいもは収穫してから低温で貯蔵し、追熟させると甘みがぐっと増す性質があるからです。詳しく言うと、さつまいものデンプンは追熟によって酵素が働いて分解され「糖化」、つまり糖分に変わります。 デンプンを分解する酵素は収穫直後から働きはじめますが、10~15℃の環境に1週間~1ヵ月程度置いておくと、より糖化が進んで甘みが増します。この温度帯は冬の気温にぴったりなので、秋に収穫されて今出荷されているいもは甘くておいしい、というわけです。
さつまいもと言えば、昔は焼き芋にするとホクホクで“粉を吹く”ものがベストと言われていました。しかしそのトレンドが変わって、今やスプーンですくって食べるほどネットリ系のいもがモテモテです。ホクホク系は紅あずま、鳴門金時、ネットリ系は紅はるか、安納芋が代表選手ですが、それぞれ好き嫌いや向き不向きの料理があるので、作るものに応じて品種を使い分けるのが、さつまいもをおいしくいただくコツでもあると思います。
ホクホク系は、てんぷらやきんとん、ポテトサラダなどに向き、ネットリ系はスイートポテトや干し芋に向いています。焼き芋はどちらでもおいしいですが、ホクホクが好きかネットリが好きかで分かれます。
今回は大学いもを作るのですが、これはホクホク系が向いています。熱を加えても形が崩れにくく、外はカリカリ、中はホクっとした食感になるからです。
大学いもといえば、油でカラッと揚げてから蜜をからませて黒ゴマをふるという、まあ作り方を羅列しただけでもハイカロリーな、日本伝統のスイーツです。
確かに大学いもはおいしいですが、自分でこのハイカロリースイーツを作るのは気が引けます。だって、せっかく面倒な揚げ物の準備をするんだから、たくさん作らないと損という結果、山盛りのいもができてしまい、味見して満腹、残すともったいないと満腹なのに無理して胃に押し込んで、挙句の果てに体重計にのるのが怖いという、後悔一直線が見えているからです。
これでは大学いもは一生作ることができません。そこで、なんとかして揚げ物の面倒とカロリーを減らすことを考えて簡単大学いもを作ることにしました。
本来の大学いもは、生のいもを油でじっくり揚げることで火を通すわけですが、これがハイカロリーの第一歩です。これではいけない。そこでやわらかくするためにレンチン作戦を使います。レンチンなら10分弱でやわらかくなり、しかも水っぽくならずにいもはホクホクします。これで揚げる手順の省略と時短、大幅なカロリーダウンを実現することができるでしょう。さらに、油はエキストラバージンオリーブオイルを使って、お上品な仕上げに。また皮は女子にはうれしいポリフェノールが含まれるのでむかずに使います。
以下、作り方のご紹介。
1. さつまいもはたわしで皮の汚れを落とし、一口大の乱切りにしてボウルに入れ、水をはって20分程度アクを抜く。
2. 砂糖、みりん、醤油、酢をよく混ぜて砂糖を溶かしてタレを作る。
3. 1の水を切り、皿などにあけてラップをしてレンジ強で6分、加熱ムラのないように上下を返してからさらに2分レンジにかける。
4. フライパンを熱し、エキストラバージンオリーブオイルをひいて3を並べる。表面がカリっとするまで中火で焼き付ける。
5. いもの表面がまんべんなくカリっとしたら、2を入れてフライパンをゆすり、いもにからめる。箸でつつくと形が崩れやすいので、フライパンをゆすって味をなじませるのがコツ。
6. 黒ゴマをふってできあがり。
油で揚げない簡単大学いものポイントは、まずおいしいいもをいかに選べるかです。油で揚げると、油の旨みで素材の味がごまかせますが、レンチンで勝負するこの大学いもは、素材であるいもの味がおいしさの90%を決めるといっても過言ではないからです。
そこでスーパーに行ったら、
を頭に置いて選ぶようにしてください。これでおいしい大学いもの90%はできたも同然です。あとはレンチンしたいもをオリーブオイルで香ばしく焼き付けること。焦げる直前ぐらいまで焼き付けた方がおいしくなります。
さつまいもには腸活にうれしい食物繊維がたっぷり含まれているばかりでなく、ビタミンB1、C、E、カリウムなども豊富です。特にビタミンCは他の野菜に比べて、加熱しても壊れにくいので、冬の野菜不足の女子にはうれしい食材です。
巣ごもりで気分が滅入ることもありますが、スイーツは食べるとなんだか幸せな気分になります。大学いもがスイーツなのか、おかずなのかの議論はありますが、とりあえず甘くておいしいものでも食べて、元の生活に戻れるまでなんとか頑張りましょう。
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。