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茶碗蒸しといえば、懐石膳のほんの隅っこにちょこんとあるとか、家のごはんでもせいぜいお吸い物がわり、メインディッシュにはむりむり、ぐらい存在感が薄いなぁという感じがします。その上、茶碗蒸しって“す”が入らないようになめらかに、しかもおいしく仕上げるのは意外と難しくて、うまく仕上げる努力の割には評価されないという、なんだか気の毒な料理かもしません。
茶碗蒸しの難しさは「料理は卵に始まり卵に終わる」、と言われるほど扱いが難しい卵がベースだからです。温度変化が激しいと硬くなったり、“す”、つまり穴だらけになってザラザラになったり、出汁とたまごが分離したり…まあ結構失敗することが多いのです。
しかし、私はあえてこの存在感が薄い割には難しい茶碗蒸しを、今回はプルンとおいしく、しかもメインディッシュになるまでに昇格させようと思い立ちました。あぁ、茶碗蒸し食べた!という感じにしたいわけです。
茶碗蒸しの伝統的な作り方は、蒸し器に入れて蒸気で蒸し上げるわけですが、家に蒸し器があるという方はそれほど多くないのではないでしょうか。あってもいちいち引っ張り出して水を張って、蒸気の上がり加減を見て…とそのハードルは高く、ここですでにやる気がそがれ、ましてそれでも頑張って作ったら、穴だらけのザラザラだった…では買った方がまし、ということになります。
ならば、いかに簡単に失敗なくできるかをGoogle先生に聞くことにして、早速調査を開始。するとありました、レンチンでできる方法が。しかも簡単そうです。
茶碗蒸しを電子レンジで作るには、150wから200w、「レンジ弱」「生解凍」モードでじっくり加熱する、とあります。それなら簡単そうではないですか。あとはいかにごちそうに仕立てるか。今回は今が旬のプリプリのカキをメインに、あとの具も海鮮にして最後にMCTオイルをかけてコクを出すことにします。
海鮮の具材として選んだのはカキ、エビ、ホタテ。さらに茶碗蒸しにつきもののカマボコもカニカマボコ、青物は三つ葉の代わりにワカメをチョイス。どこまでも海鮮推しです。ただ、なんとなく肉類もちょっと入れたいなと思い、鶏モモ肉を少し足すことにします。仕上げにさらっとしてクセのないMCTオイルをかけてちょい足しすれば、なめらかさがアップして、まさにごちそう茶碗蒸しが完成!
また今回はたっぷり具材を入れ、取り分けて食べるスタイルにするため、茶碗でなく土鍋で作ることにします。作る量はそれぞれ異なると思いますが、溶いた卵1に対して出汁2を守れば失敗なく作ることができます。上達してくると出汁を3にしてもうまくいきます。
さて、前置きはこの辺にして早速ご紹介。
※直径18cm程度の土鍋で作る分量
1. 卵を割ってよくほぐし、できれば裏ごしする。面倒であれば裏ごしは省略できるが、裏ごしすると仕上がりがとてもなめらかになる。溶いた卵の分量を量っておく。
2. 1の分量の2倍の湯に鰹出汁の素を入れ、塩、酒を入れて冷ましておく。
3. 2が少し冷めたら1を入れて泡立たないようにかき混ぜてから味をみて、お吸物程度の塩加減に調整する。
4. 土鍋に具材を入れ、そこに3を静かに注ぎ入れる。
5. 土鍋にふたをして(茶碗の場合はラップをかけ、楊枝で何か所か穴をあけておく)、電子レンジ弱(200w程度)でまず15分かける。
※今回は土鍋で作っているため量が多いので15分ですが、茶碗の場合は8分位かけてください。
6. 時間が経ったところで様子を見て、加熱が足りないようなら1分単位(茶碗なら30秒単位)で再加熱する。
7. きれいに加熱されると卵液がすべて固まり、出汁が浮いてくる。こうなれば出来上がり。
8. MCTオイルを回しかけて仕上げる。
茶碗蒸しのおいしさを左右するのは、まずは卵液の熱の入り方です。熱の入り加減を見るには、蒸し器だと途中でフタをあけると蒸気が熱くて大変ですが、電子レンジならしょっちゅう様子を見ることができます。これは電子レンジを使って作る大きなメリットだと思います。
また、具材に海鮮をたっぷり使うと、もうそれだけで具材からおいしい出汁が出て、ベースの出汁はいらないのでは?ぐらいになります。特に今が旬の生ガキはおすすめ。カキの旨みは茶碗蒸しの味をワンランク上に引き上げてくれます。
さらに、最後のMCTオイルのちょい足しも味を良くしてくれます。海鮮だけだとさっぱりしすぎるところを、油分が入ることでコクと満足感が得られる上に、食感がよりプルンとした感じになります。
茶碗蒸しの具材って、鶏肉、椎茸、カマボコ、三つ葉の定番にこだわる必要は全然ありません。具材は自由に好きなものを入れればよいと思います。ソーセージと溶けるチーズ、エリンギを入れて、最後にオリーブオイルをちょい足しすれば洋風ですし、ピータン、ザーサイを入れてごま油をちょい足しすれば中華風にもなります。
料理初心者の方は、レシピにある材料が手元にないと買いに行くことを考えるか、もう無理と思い込むことが多いと思いますが、料理は想像と創造の世界です。場数を踏んでいくうちに、具材の組み合わせや代用を考えることができるようになっていきます。そうなると腕も一段上がるし、どんどん作ることが楽しくなっていきます。
緊急事態宣言でおうちごはんにならざるを得ず、やむをえず始めた人でも、それがきっかけで料理に目覚めてくれると、私はうれしい限りです。
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しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。