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夏本番、外で過ごす時間が増えますが、屋外で困るのは蚊による虫刺されです。
日本で蚊が発生する時期は4月から11月ごろまでといわれており、秋まで活発に人を刺す吸血行動を行います。
日本には約130種類もの蚊が生息しているそうです。
主な蚊は、草むらや雑木林に多いヒトスジシマカ(やぶ蚊)、民家周辺に多いアカイエカ(イエカ)。交尾を終えたメスが産卵のために吸血をおこなうことが知られており、朝夕の時間帯に活発な吸血活動を行います。
蚊の吸血行動は、人間や動物が出す呼気などの炭酸ガス、体温、汗や体臭を認識して集まってきます。ちなみに、メスの吸血量は1回の産卵で2mg程度、1回刺して2mgまで溜まればいいのですが、人が動いたりすると逃げてしまうので、実は何回も吸血して産卵できる状態まで血をため込んでいるのです。
京都教育大学付属高校2年生の田上大喜さんは、妹がなぜ蚊に刺されやすいのかを不思議に思ってその理由を調査しました。いろいろと調べているうちに靴下に蚊が反応したことから、人の足にある常在菌の培養研究を行い、蚊に刺されやすい原因を突き止めました。
・蚊に刺されやすい人は足の常在菌の種類が非常に多い(多様性が高い)
という事実を見つけ、世の中を驚かせました。
人の嗅覚でわかる匂いとは別に、一部の常在菌が出す脂肪酸などの化学物質や、その割合が蚊を興奮させ、吸血行動を引き起こす可能性があるようです。
この時期、蚊に刺されやすいと自覚のある方は、手だけでなく、足もしっかりとアルコール除菌をしてみてください。劇的に効果がありますよ。
蚊に刺されたあとかゆくなるのは、蚊が口(針)を皮膚に刺したときに、血を吸いやすくするために唾液を出します。実はこの唾液、最近の研究によって、針に刺された痛みを消す麻酔の役割を果たしていたことが分かってきました。
チクリと刺したことに気づかれなければ、それだけパチンと叩き潰される確立も下がりますよね。蚊とはいえ、生き物って精緻に、そして巧妙に出来ているのですね。
蚊は吸血しておなか一杯になると3日後に水のある所へ産卵(アカイエカ:120~150個、ヒトスジシマカ:100個前後)し、卵は1.5~3日でボウフラ(幼虫)になります。ボウフラは水の中で生息しますので、自宅周辺の空き缶や古タイヤなど水の溜まる場所がないか注意が必要です。
ボウフラは1週間から10日で蛹(さなぎ)になり、2~3日で成虫になります。
蚊が産卵しにくいように自宅周辺に気を配ることも虫除けの第一歩ですね。
蚊の交尾の回数は一生に一度です。その後4回前後の産卵を行いますから、寿命をまっとうした場合、かなりの回数を刺していることになりますね。もし、家の周辺に100匹のメスがいたら、、、と思うと、ちょっとゾっとしますね。
ディート(DEET:ジエチルトルアミド)は、世界でも最も多く使われている虫除け成分で、日本でも最初に承認された虫除け剤の成分です。
ディートの効果は、薬剤を肌に塗布しておくと、蚊などの吸血害虫が塗布された肌に止まった(接触)時に、血を吸うための獲物かどうかを感知させる能力を錯乱させ、その面を避けさせます。したがって、しっかり肌に塗布しておかないと効果はありません。接触したときのみ有効で、虫を忌避させる効果はないのです。
肌全体にふんわりとスプレーしても刺されてしまうのはこのためです。また、汗や衣類にこすれて取れた場合も、あらためて塗りなおすように気を付けて使用します。
ディートは、蚊のほかに、ブヨ、アブ、マダニ、イエダニ、ノミ、トコジラミ、ヤマビルなとの吸血害虫にも有効です。
厚生労働省は平成17年に、ディートの安全性に関して検討結果を公表しています。
以下引用紹介します。
(1)ディートを含有する医薬品等は、我が国において多くの人が40年以上使用してきているにもかかわらず、現在まで薬事法に基づく副作用報告はない。
・米国、カナダ、英国などにおいて、販売停止等の措置を講じている国はない。
・デューク大学の研究グループが行ったラット皮膚塗布試験に関する報告については、関係する他の報告に比べ低用量でディートの神経系への影響が認められているが、試験方法等の不備が見られるため、現時点では評価は困難である。(2)このような状況において、ディートを含有する医薬品等について、現時点では、販売停止等の措置を講ずるだけの科学的根拠はないと考えられる。
(3)現在、国内で流通している製品については、使用方法等の記載が不明確なものが多いことから、適正使用を推進する観点から、製品中のディート濃度を明記させるとともに、カナダにおける記載(6か月未満には使用しない、6か月から2歳は1日1回、2歳から12歳は1日3回)を参考に、使用方法の目安等を明記させる必要がある。
(4)デューク大学の研究グループが報告している低用量において認められた神経毒性については、再現性等を確認するために追加試験を行う必要がある。また、ディートの神経毒性について、今後も同様な研究報告に注目していく必要がある。
引用:ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について
ディートは世界中で使用されており、国内でも認可後40年以上問題がないようですので、とりあえず副作用などの心配はなさそうです。とはいえ、あの息が詰まる独特な臭いが苦手な人も多いことでしょう。
さらに、ディートは虫除けではなく、接触した時に初めて「あれ?これ人間とちがう?」という具合に、蚊を混乱させる成分ですので、周囲の蚊は全く減ることがありません。私たちが呼吸をしている以上、足の常在菌がある以上、どんなにスプレーしても蚊は集まってきますので、完全塗布しない限り、蚊には刺される可能性がなくなりません。
そこで、今回はオーガニックな虫除け方法を探ってみました。
蚊取り線香は、除虫菊(シロバナムシヨケギク)という、マーガレットに似たかわいい花の種子に、殺虫成分であるピレトリンが含まれており、この成分をつかって虫除けと殺虫を同時に行う万能選手。もっとも長く愛されている日本の夏の風物詩。
ピレトリンは人など哺乳類には毒性がなく安心して使用することができます。
除虫菊が手に入るのであれば、庭などに植えておけば虫除けにもなり、見た目も可憐でかわいい花が咲きます。
ユーカリ系の植物の多く含まれる香りの成分で、蚊やハエが嫌う効果があります。
ローズマリー、ローリエ、よもぎなどにも多く含まれ、シネオール効果は、他にも抗菌、抗ウィルスなどの作用があることがわかっています。
ハーブの精油を衣類の目立たないところなどにつけておくと虫除け効果を発揮してくれます。
◎シオネールが多く含まれている精油
シトロネラ、ミント、レモンユーカリ等に含まれるシトロネラールには蚊を寄せ付けない虫除け効果にくわえ、雑菌の繁殖を抑える抗菌、防臭効果がある。
皮膚刺激が強めで肌に吸収されやすいので衣類の目立たないところへつける
◎シトロネラールを多く含む精油
シトロネラールと似ているが、分類も特徴も違い、シトロネラールよりも肌に優しく安全です。
ゼラニウム、レモングラス、シトロネラなどの精油などに多く含まれるシトロネロールの香りは、バラを思わせるよい香りがし、蜂が寄ってくることがわかっています。また、ダニの誘引捕獲にも利用される成分です。
同様に、ゲラニオールという成分も蜂が寄ってきてしまいますのでご注意。
今回はこちらはあまりお勧めできません。
ミントの成分で、ミントから作られるハッカ油(ミント油)は、清涼感がある鼻にすーっとした香りが特徴的です。この香りが、蚊やブヨに対して忌避性があり虫除けとして使うことができます。
ハッカ油には消臭効果もあり、汗が吹き出るこの季節にはとてもありがたいですね。
ただし、、、残念なことにハッカ油にも弱点があります。
それは、蜂が寄ってくること。周囲の環境に蜂がいないことを確かめてから使用してください。
コンパクトに携帯出来て、汗をかいても長くお肌に定着して効果を持続させたい。そうするためには、ボディオイルのようにしっかりとお肌に塗れるオイルをベースにした虫除けスプレーがグッド!
今回はキャリアオイル(ベースのオイル)に、価格もお値打ちでオーガニックなアーモンドオイル(無印良品)を、虫除け効果に使うアロマオイルは、シトロネラールの成分で虫除けをしてくれるユーカリシトリオドラを使用します。
まずは、Amazonで、こちらの商品を購入
作り方は、スプレーボトルに水を45ml、アーモンドオイルを5ml、ユーカリシトリオドラ(レモンユーカリオイル)を10滴入れてよく混ぜ合わせたら完成です。
早速キャンプに行って試してみましたが、蚊取り線香との併用ではありましたが、参加者全員蚊に刺されることはありませんでした。匂いもすっきりとした香りで、肌心地もよく、とてもおススメです。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。