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2025年6月2日

梅雨の時期は食中毒に注意!種類と家庭でできる対策についても解説

梅雨の時期は食中毒に注意!種類と家庭でできる対策についても解説

年間を通して発生する食中毒ですが、6〜8月にかけての夏は、特に食中毒が増える季節です。今回は、製菓衛生師の資格を持ち、衛生管理の知識もある筆者が、食中毒について詳しく解説します。

食中毒の種類や家庭でもできる予防法を知り、暑い時期でも食材を安全に食べる方法を学びましょう。

ご家族やご自身の健康を守るために大切な知識なので、ぜひ身につけてくださいね!

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食中毒とは何?

食中毒とは何?

食中毒とは、食品や飲料水についた細菌やウィルス、寄生虫、自然毒、化学物質を摂取することによって起こる健康被害です。

下痢、おう吐、腹痛、発熱などの症状が多いですが、原因物質や食べる量などによっても症状はさまざまで、重篤な場合は命に関わることもあります。

食中毒の種類と対策

食中毒には色々な原因があり、症状や予防方法もさまざまです。主な原因と種類、対策についてお伝えします。

細菌性の食中毒

腸管出血性大腸菌(O157)

人や家畜の腸内にいる大腸菌のうち、ほとんどのものは無害ですが、なかには人に下痢などの消化器症状や合併症を起こす病原大腸菌もあります。

病原大腸菌のうち、毒素を出し、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群を起こすものを腸管出血性大腸菌と呼んでいます。その代表的なものが、O157です。

加熱や消毒によって死滅するので、食材の衛生的な取り扱いやしっかりした加熱が重要です。

ハエや家畜などから感染した事例もあるので、周囲の環境を衛生的に保ったり、動物とのふれあいの後はしっかり手を洗うといった対策も大切です。

カンピロバクター

生や加熱不十分の鶏肉から感染する事が多く、国内での発生件数も多い食中毒です。

予防法としては、鶏肉を充分に加熱する、調理の際に他の食品と器具を分ける、調理後の道具の洗浄や殺菌をしっかり行うといった対策があります。

リステリア

河川水や動物の腸管内など自然環境の中に広くいる細菌です。
日本ではこれまで食中毒事例はありませんが、重症化すると致死率が高いので、妊婦や高齢者の方は注意が必要です。

生ハムなどの食肉加工品、未殺菌乳、加熱していないナチュラルチーズなどの乳製品、スモークサーモンなどの魚介類加工品は、原因食品になることがあります。

加熱により死滅しますが、4℃以下の低温や12%の食塩濃度でも増殖できるので、冷蔵庫保存や塩漬けの場合でも気をつけましょう。

その他の細菌

その他の細菌性食中毒としては、鶏肉や卵が原因となるサルモネラ菌、人の手指や鼻腔、傷口などにもいる黄色ブドウ球菌、生鮮魚介類によって起る腸炎ビブリオ、大量調理によって発生しやすいウェルシュ菌、土壌に含まれるセレウス菌といったものが代表的です。

食材をしっかり加熱する、調理前の手指や食材をしっかり洗う、加熱調理した後は急冷するなどといった対策が効果的です。

また、1歳以下の子どもに起こりやすい乳児ボツリヌス症という食中毒もあるので、はちみつは1歳を越えてから与えるようにしましょう。

ウィルス性の食中毒

ノロウィルス

二枚貝

ノロウィルスは感染力が強く、集団発生を起こしやすいです。年間の食中毒患者の約半分は、ノロウィルスによるもので、特に冬に流行しやすい特徴があります。

感染経路はほとんどが経口感染で、汚染された二枚貝を生や加熱不十分で食べた場合や、感染した食品取扱者、家族などからうつる場合が多いです。

潜伏期間は24~48時間で、主な症状は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、微熱などです。
予防には、85℃以上で1分以上加熱するか、塩素系の消毒液で消毒するのが効果的です。

A型肝炎ウィルス・E型肝炎ウィルス

それぞれA型、E型の肝炎ウィルスによって引き起こされる肝炎です。
肝炎ウィルスに汚染された水や食品が原因となります。

動物性自然毒

自然界にいる動物には、食用でも毒素を持ったものがいるので、調理の際に注意が必要です。代表的なものは、ふぐや貝などです。

ふぐ

ふぐ

ふぐの体内に含まれるテトロドトキシンという毒素が主な原因で、毎年食中毒が発生し、死亡例も報告されています。
ふぐを扱うには、取扱者や提供施設に都道府県からの許可が必要です。

二枚貝

ホタテや牡蠣、アサリなどは、毒素を持った植物プランクトンを餌として食べると体内に毒素が蓄積されます。毒素が蓄積した貝類を食べると下痢や麻痺といった症状を起こすことがあります。

巻貝

キンシバイ等の巻貝はふぐと同じ毒を蓄積することがあり、食中毒の原因になることがあります。

植物性自然毒

毒キノコ

動物以外にも、植物にも自然毒を持ったものがいます。秋になると毎年中毒者の出る毒キノコなどがよく知られています。

毒キノコ

毒キノコには、食用のきのこと間違えやすい形状のものも多くあり、注意が必要です。
知識が無い場合は、むやみに採ったり食べたりしないようにしましょう。
カエンタケのように触るだけで炎症を起こすものもあります。

有毒植物

スイセンやチョウセンアサガオ、クワズイモ、トリカブトなどが有名です。野菜や食用の野草に似たものもあるので、こちらも知識が無い場合は食べないようにしましょう。

化学物質による食中毒

食中毒には、化学物質によって起るものもあります。

ヒスタミン

ヒスタミン食中毒は、ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品で起ります。ヒスチジンを多く含む魚類やその加工品を食べることによって発症し、アレルギーのような症状が出ます。
熱に強い性質があり、調理の工程で取り除けないため、一度生成されると食中毒は防げません。予防するには、原材料の温度管理が大切です。

寄生虫

寄生虫による食中毒の代表的なものは、アニサキスです。

アニサキス

アニサキスは寄生虫の一種です。
幼虫はサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、ヒラメ、マグロ、イカなどの内臓や筋肉に寄生しています。特に生食の場合に注意が必要です。

長さ2〜3cm、幅0.5〜1mmと肉眼で見えるので、魚の身に白色の白い糸のようなものがいたら取り除きましょう。そのまま加熱せずに食べると、アニサキス幼虫が胃壁や腸壁に入り込み、食中毒(アニサキス症)を起こします。

症状は急性で、1時間から数日以内に激しい胃痛や下腹部痛、吐き気などを生じます

食中毒を予防するには

食中毒を予防するには

食中毒予防の3原則は、「つけない、増やさない、やっつける」です。
この原則は、飲食店でも家庭でも同じです。

つけない

食中毒を防ぐには、食べ物に細菌ウィルスをつけないことが大原則です。
調理の前には手を洗う、衛生に気を配るなど、まずは細菌やウィルスをつけない努力が大切です。

増やさない

生鮮食品はすぐに冷やす、調理後の料理を置きっぱなしにせず、すぐに食べるなど、適切な保管と温度管理が重要です。

やっつける

肉をしっかり加熱する、熱湯消毒をするなど、ついてしまった細菌やウィルスを死滅させれば食中毒のリスクは下がります。

家庭でできる予防のポイント

家庭でも簡単にできる食中毒の予防法について解説します。下で紹介する予防法の他、手洗いをしっかりする、調理器具や調理場を清潔に保つといった対策も重要です。

肉はよく焼いて食べる

牛や豚などは、解体処理する過程でO-157やサルモネラのような細菌やウィルスが肉や内臓に付着したり、寄生虫に感染している場合があります。鶏肉にもカンピロバクターやサルモネラなどの危険があります。

新鮮かどうかに関わらず、食中毒の可能性があるので、肉はよく焼いて食べましょう。

二枚貝はよく加熱する

二枚貝には、内部にまでA型肝炎ウィルスやノロウィルスがいる恐れがあるため、中心部までしっかり加熱する必要があります。特に冷凍や殻付きの二枚貝は加熱が不十分になりやすいので、注意しましょう。

他の食材への汚染を防ぐため、二枚貝を触った後はよく手を洗う、加熱の前後で調理器具や食器を変えるなど、洗浄・殺菌をしっかりすることも大切です。

梅雨の時期も正しい知識で食中毒を予防しよう!

食中毒は飲食店やテイクアウトだけでなく、家庭の台所でも起こります。特に梅雨の時期は、湿度や気温が高くなり、細菌が増殖しやすい環境になるので注意が必要です。

食中毒の種類や予防法などについて知り、日頃から家庭でもできる食中毒の予防に努めましょう。

健康な人にはあまり症状が出なくても、免疫力の低い高齢の方や妊婦さん、赤ちゃんなどには症状が強く出ることもあります。体調がおかしいかなと思ったら重症化する前に医療機関にかかることも大切です。

衛生に関する知識をつけて家族を食中毒から守りましょう。

参考URL
食中毒|厚生労働省

企画:オリーブノート編集部
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