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11月に気温の高めが続いて、今、大根や白菜、レタスなどが激安です。しかもどれも大ぶりなのに、急激に大きくなっているので柔らかくて、とてもジューシーです。こんなときは大いに食べるべきです。中でも大根は、冬になるとキメが細かく柔らかくなり、しかもみずみずしくて甘みが増してきます。夏の大根とは雲泥の差です。おでんや煮物にするには最高の状態のものが、今は実に安く買えるのです。聞くところによると、大根が10本ぐらい入ったダンボール1箱で10円(!)、だけどダンボール箱代が1枚100円という、生産者の方には本当にお気の毒なほど値崩れしているので、収穫しないでそのままつぶす、というなんとももったいないことも起きているそうです。
それならば、今回は大根を主役に据え、少しでも消費してフードロスを防ごうと、ふろふき大根のネギ味噌がけを作ろうと思い立ちました。
冬大根といっても、やはりおいしいのとそうでないのがあります。ふろふき大根やおでんなどの煮物に使う大根は、切った時の断面が透き通るようにみずみずしいものがベストです。これが白っぽくて、なんとなくジャリジャリしているものは、繊維に隙間があって水に入れた瞬間からプカリと浮いてしまい、煮てもおいしくありません。光熱費と調味料の無駄になります。
そこで、店頭でおいしい大根を見分ける方法をお教えしましょう。
大根はたいてい、葉が短く切られた状態で売られています。選ぶ際には葉の切り口を見て、芯の部分が白っぽくなっていたら、それは大根本体も白っぽく固い可能性があるので避けて、葉の芯も緑でみずみずしいものを選びます。
次に、大根のお肌を触ってみます。すると、みずみずしい大根はみずみずしいヒトのお肌と同様、しっとりとしてやわらかく、水分を含んでいる感触があります。また大根にはひげ根が縦に並んでいますが、このひげ根があまり目立たず、ひげ根の間隔が広く、しかもなるべく縦一列で整然と並んでいるものはおいしい大根です。ひげ根の間隔は育つペースが速いと広くなり、縦一列にまっすぐ並んでいるものは、育つ過程で固い土などにあたることなく、すんなりと育っているものです。育つペースが速いとそれだけ柔らかく、すんなり育っているものはストレスがかかっていないので、おいしさが増すのです。あとはどっしりと重いこと。重い大根は水分がたっぷりと蓄えられている証拠です。これらのポイントに気を漬ければ、間違いなくおいしい大根を選ぶことができます。
大根はやわらかくて甘みがある部位と、辛みがあって固い部位があります。そこで、部位によって調理法を変えるのが大根1本をおいしく食べきるコツです。
まず、葉が付いている緑がかった部分は辛みが少なめ、固めです。この部位はサラダや炒め物に向いています。
真ん中の真っ白の部分は、甘み多め、やわらかめです。この部位は煮物やおでんに最適です。
尻尾の部分は辛みは多めです。辛めの大根おろしに向いているので、おろしそばに使ったりすると、ピリッとして味がしまります。
おいしい大根を選んだところで、さっそくふろふき大根のネギ味噌がけを作ります。
ふろふき大根は本来、米のとぎ汁を使ってコトコトと弱火で1時間ぐらい気長に下ゆでして下処理をし、それから昆布出汁で煮るのですが、今回は時短を兼ねて電子レンジで一気に熱を通して下ゆでした状態にしてしまいます。
ネギ味噌には鶏の胸ひき肉を使い、オリーブオイルで炒めて香ばしさを出します。
出汁昆布がなければ、出汁の素を使ってください。
1. 大根を3~4cmの輪切りにし、厚めに皮をむく。
2. ピーラーか包丁で面取りをし、その後片面だけに十字に隠し包丁を入れる。包丁を入れると早くやわらかく煮える。
3. 大き目の皿に2を並べ、1cm程度水を入れてラップをし、電子レンジ強(600W程度)で10分かける。
4. 鍋にたっぷり水を入れ、レンジにかけた3と出汁昆布を入れて、中火~弱火で30分程度煮る。その後一度火を止めて大根に出汁の味をしみ込ませる。
5. 30分ぐらい経ったら再び弱火にかけておく。
6. ネギ味噌を作る。長ネギはみじん切りにしておく。フライパンにエキストラバージンオリーブオイルを大さじ1入れて熱し、ひき肉を炒める。今回は脂のない鶏むねのひき肉を使用することで、オリーブオイルの旨みを際立たせる。
7. ひき肉に色が付いてきたら、ネギのみじん切りを加え、さっと炒めてから味噌、日本酒、みりん、砂糖を入れて炒め煮にする。煮汁が半分程度になったところで火を止める。
8. 煮上がった大根を器に盛り、ネギ味噌をかける。その上からエキストラバージンオリーブオイルを適量回しかけてできあがり。
ふろふき大根は下ゆでに時間がかかるので、今回は時短を兼ねて電子レンジで下処理をしましたが、時間があれば、米のとぎ汁でコトコト1時間ぐらいゆでて下処理してください。そうすると本当にやわらかく甘みのある味になります。ゆっくりコトコト煮た大根は、箸で切ると、ジュワーっとアツアツの煮汁があふれて、寒い日にはたまらないごちそうになります。下処理した大根はおでんに入れてもOKですし、オリーブオイルで焼いて大根ステーキを作ることもできます。
たかが大根、されど大根、手間をかけるときっちり良い味を出してくれるのです。
これから本格的な寒さがやってきます。家で飲むならこんな温かいつまみがうれしいですね。
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。