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この記事でわかること
春になると、タケノコを掘りに行くのが毎年の楽しみです。ところが年によっては、まだ芽も出ていないものがある一方で、すでにぐんぐん伸びすぎているものも見かけます。そんな年に出会ったのが、地面から大きく伸びたタケノコでした。
今回は、その伸びすぎたタケノコを使って、手作りメンマに挑戦してみます。アク抜きして、米のとぎ汁で発酵させ、天日干しし、最後にごま油と醤油で味付けするまでの流れを、写真付きで紹介します。
実際にどのくらい伸びているのか気になり、近所の公園に付属している竹林へ様子を見に行きました。

この公園には竹林があり、毎年この時期になると伸びすぎたタケノコが目につきます。行ってみると、1m以上も伸びたタケノコを何本も発見。もはや一般的なタケノコ掘りの状態ではなく、完全に伸びすぎです。

こうなると、いわゆる“タケノコ”というより、竹になる途中の姿に近い見た目です。でも触ってみると、思ったほど硬くなさそうでした。

そこで、ちょうど草刈りをしていた公園管理の方に持ち帰ってよいか確認すると、
「どうぞどうぞ。ただ、これじゃ硬くて食べにくいでしょう」
とのことでした。そこでタケノコの先端部に手をかけて、思いきり倒してみると、“ボキッ!”と気持ちよく折れてくれました。

孟宗竹(もうそうちく)は、よく知られているように地面から芽だけちょっと出ているか、あるいは出そうになっているものを掘って採集します。1mも出ているものはパンダじゃない限り食べられないのかと思っていましたが、意外と簡単に折れて、しかも触ってみると案外柔らかそうです。これはイケるかもと思い、いそいそと持ち帰ることにしました。
持ち帰ったものの長さを計ってみると80cm以上、重さは皮ごと2.34kg、皮をむいても1kg以上ありました。すごい大きさです。

紫色になっている元の方の節を触ってみると、まるで竹です。非常に硬くてざらざらで、これは食べられそうにないので、この色変わり節だけは取り除くことにしました。
その結果、節を取り除いた部分は”輪っか”になりました。これが肉厚でボリュームがあり、食べても歯が立ちそうな感じです。

節を取り除いた部分は、輪のような形になりました。これが予想以上に肉厚で、食べごたえがありそうです。節以外の部分は根元に近くても意外とやわらかく、十分使えそうでした。

先端の方はそのまま活かし、ここで下処理はひとまず完了です。さて、これをどう料理するか。煮物やタケノコご飯にするには、少し育ちすぎている気もします。そこで思いついたのが、メンマです。

私の大好物の一つがメンマです。メンマは台湾や中国の四川省などで食べられている発酵乾燥食品で、原料には麻竹(まちく)という竹が使われます。麻竹のタケノコは大きく育ったところで採取され、ゆでる、または蒸したあとに発酵させ、さらに干して作られます。
本場メンマと今回の自作メンマの違いを整理しておきましょう。
◎メンマとは、台湾や中国・四川省原産の麻竹(まちく)という竹を使った発酵・乾燥食品です。
| 項目 | 本場のメンマ(麻竹) | 今回の自作メンマ(孟宗竹) |
|---|---|---|
| 原料 | 麻竹(台湾・中国産) | 孟宗竹(日本の伸びすぎタケノコ) |
| 発酵方法 | 天然の甘み・酸みで自然発酵 | 米のとぎ汁の乳酸菌で発酵 |
| 発酵期間 | 約1ヵ月 | 約3日(気温による) |
| 乾燥期間 | 数週間〜 | 約1週間(天日干し) |
| 仕上がり | 本格的な旨味と風味 | シャキシャキ食感・深みのある旨味 |

しかし、もっとよく調べて見ると麻竹は日本のタケノコと違い、もともと天然の甘味と酸味を持っていて、それで放っておいても発酵するらしく、それらを持たない日本のタケノコでは自然発酵は難しいようです。
確かに日本のタケノコはちょっと長く冷蔵庫に入れておくとヌルヌルして、なんだか食感も悪くなります。これは腐ってる?というやつなのかもしれません。
うーむ。しかし、私はもともと発酵食品を数々作ってきました。なんとしても発酵させてメンマを作ってやろうという闘志がわいてきて、すぐ実行に移すことにしました。
タケノコはまず糠を入れたお湯でゆでてアクを抜き、糠を洗って落としてから米のとぎ汁に入れて発酵させることにしました。
玄米の周りには乳酸菌がたくさんいて、米のとぎ汁は水キムチにも使うほど、発酵を促すスターターに向いているのです。
タケノコをゆでてアク抜きします。これはいつもと一緒です。


タケノコを糠と鷹の爪を入れた湯で30分から1時間ほどゆで、アクを抜きます。糠を洗い流したら、濃いめの米のとぎ汁に浸けます。今回は腐敗が心配だったので、まじない程度にタケノコの重量に対して10%の塩も加えました。

発酵したかどうかはとぎ汁を少しなめてみるとわかります。すっぱくなっていたら発酵は成功です。
タケノコが浮かないよう皿で重しをして、全体がしっかり浸かるようにします。気温が低かったこともあり、今回は3日ほどで発酵完了。とぎ汁にはしっかり酸味が出ていました。
発酵の成否を確認するポイント
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発酵したタケノコを取り出したら、洗わずに(ココ大事)メンマの太さぐらいに切ってからザルに広げて干し上げることにします。

発酵後のタケノコを洗わずに切るのは、表面についた乳酸菌や発酵由来の旨味成分を流してしまわないためです。
洗ってしまうとせっかくの発酵の風味が薄れ、市販の「メンマ風」との差がなくなってしまいます。
これが本物の発酵メンマになるかどうかの分かれ道です。
1週間ほど干してみると、タケノコは茶色くなってカラカラに乾きます。見た目はほとんど木の枝のようですが、これで仕込みは完了です。1kg以上あったタケノコも、乾燥後は100gに満たないほどまで小さくなりました。メンマが意外と高い理由の一つは、この大きな目減りにもありそうです。

保存方法と保存期間
| 状態 | 保存方法 | 保存期間の目安 |
|---|---|---|
| 乾燥状態(カラカラ) | 常温または冷蔵 | 数ヵ月 |
| 水で戻した後 | 冷蔵庫 | 3〜4日以内 |
| 調味済みおつまみメンマ | 冷蔵庫 | 4〜5日 |
乾燥させると驚くほど量が減るので、市販のメンマが高く感じられるのも納得です。
いよいよメンマができたらしいので、ゴマ油と鷹の爪、醤油でおつまみメンマを作ります。おうちごはんで本格ラーメンに挑戦!でダシに使った親鶏の皮をあらかじめ取っておいたので、これを一緒に炒めることにします。
| 材料 | 分量(目安) |
|---|---|
| 乾燥手作りメンマ | 適量 |
| ゴマ油 | 大さじ1〜2 |
| 醤油 | 大さじ1〜2 |
| 酒 | 大さじ1 |
| 味醂 | 大さじ1 |
| 鷹の爪 | 1本 |
| 親鶏の皮(あれば) | 適量(せん切り) |
メンマを水で戻します。おいしいものを食べようと思ったら手間がかかります。これでまずかったら怒りますね。

半日戻したら元の柔らかい状態に戻りました。これをザルにあけて水を切り、親鶏の皮をせん切りにしたものとゴマ油で炒めます。親鶏の皮は非常に硬いので、細く切るとコリコリとした食感になり、メンマの歯ごたえともよく合います。


炒めて5分ほどすると親鶏の皮から脂がじんわり出てきます。そうしたら醤油と酒、味醂を入れて味をつけ、汁気がなくなるまで炒めてできあがりです。


穂先のやわらかい部分は、鷹の爪をきかせて別に炒めると、穂先メンマのような仕上がりになります。


さっそく食べてみると、思わず「うまい!」と声が出ました。これは、かなりメンマです。
ネットで「手作りメンマ」と検索すると、タケノコを細く切ってメンマ風に味付けしたレシピが多く見つかります。
もちろんそれもおいしいのですが、今回のものはそれとは違いました。発酵と乾燥を経ているぶん、味わいに奥行きがあり、まぎれもなくメンマらしい仕上がりです。

もともとタケノコ自体には強い味があるわけではありませんが、発酵させたことで深みのある旨味が生まれ、食感もシャキシャキ。しかも乾燥して小さくなるので、保存しやすいのも大きな魅力です。
手間はかかりますが、そのぶん完成したときの満足感はかなり大きいです。伸びすぎたタケノコでも、工夫すればここまでおいしく食べられるのは驚きでした。旬の時期にたくさん手に入ったら、また作りたくなる味です。
伸びすぎて「もう食べられない」と思ったタケノコが、米のとぎ汁の乳酸発酵によって本物のメンマに変わる体験は、発酵食品の持つ力を改めて実感させてくれます。アク抜き・発酵・乾燥・味付けと手間はかかりますが、完成したときの達成感と味わいは格別です。
| 工程 | ポイント |
|---|---|
| アク抜き | 糠と鷹の爪で30〜60分ゆでる |
| 乳酸発酵 | 米のとぎ汁+塩10%で室温3日 |
| 乾燥 | 洗わずに切って1週間天日干し |
| 味付け | ゴマ油・醤油・鷹の爪で炒める |
市販メンマとは違う、発酵の旨みが詰まった本物の手作りメンマをぜひ試してみてください。
A. 布袋竹(ホテイチク)など他の竹のタケノコでも応用できる可能性があります。ただし竹の種類によって食感や風味が変わります。
A. タケノコの重量に対して10%の塩を加えることで腐敗を抑えられます。「すっぱい臭い」は発酵のサイン、「不快な腐敗臭」の場合は廃棄してください。
A. 乾燥した状態であれば常温でかなり長期間保存できます。湿気を避けて密閉容器に入れて保管してください。
A. 最初に洗った白く濁ったとぎ汁(1〜2回目)が最も乳酸菌が多く発酵に向いています。
A. 風通しの良い日陰や室内での乾燥も可能ですが、天日干しに比べて時間がかかります。カビに注意してください。
. 表面についた乳酸菌や発酵由来の旨味成分を流さないためです。洗うと「メンマ風」になってしまい、本物の発酵メンマの深みが出なくなります。

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編集部より、2026年4月に加筆・修正しています。










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