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相変わらず巣ごもり生活が続いている方も少なくないと思います。私はゴールデンウィークにも遠出せず、うつうつと家にこもっておりました。
例年、この時期には友人のタケノコ山でタケノコ堀りをするのが楽しみで、もはやルーティーンワークになっているほどです。それが今年に関してはそれもできませんでした。
しかも今年はコロナだけでなく、4月の初めに急に暑くなったり、かと思うといつもの気温に戻ったりと、気温の変動が非常に大きかったために、タケノコの生長の足並みがまったく揃わなかったそうです。
タケノコ友人曰く、もうとっくに伸びすぎて親になっているタケノコもあれば、まだ芽も出ていないものもありで、タケノコ山がいつになくバラバラに乱れている、今年はダメだねぇという連絡もあって、恒例のタケノコ堀りは諦めました。
そうは言っても、生えているタケノコの顔を見ないままでは到底いられそうにありません。そこである日、近所の公園に付属している竹林にでかけてみました。この公園は近所の友人曰く”結構タケノコ採っている人いるよ”、と聞いていた場所です。厳密に言うと、それって窃盗になるのではと思うですが、まあ黙認されているようです。
とにかく現場を見に行こうと出かけてみると、1m以上も伸びたタケノコを何本も発見!もはやタケノコ掘りできるような状態ではありません。完全に伸びすぎです。
こうなるとタケノ”コ”とも言えないような感じです。でも姿を見たら持って帰りたい。ちょうど草刈りをしていた公園管理のおじさんにもらってもいいかと聞くと、どうぞどうぞ、だけどこれじゃ硬くて食えないでしょうということでしたが…
タケノコの先端部に手をかけて、思いっきり倒すと“ボキっ!”とよい音がして見事に折れました。
孟宗竹(もうそうちく)は、よく知られているように地面から芽だけちょっと出ているか、あるいは出そうになっているものを掘って採集します。1mも出ているものはパンダじゃない限り食べられないのかと思っていましたが、意外と簡単に折れて、しかも触ってみると案外柔らかそうです。これはイケるかもと思い、いそいそと持ち帰ることにしました。
持ち帰ったものの長さを計ってみると80cm以上、重さは皮ごと2.34kg、皮をむいても1kg以上ありました。すごい大きさです。
紫色になっている元の方の節を触ってみると、まるで竹です。非常に硬くてざらざらで、これは食べられそうにないので、この色変わり節だけは取り除くことにしました。その結果、節を取り除いた部分は”輪っか”になりました。これが肉厚でボリュームがあり、食べても歯が立ちそうな感じです。
先端の方はそのままにして下処理が済みました。ここまでは良いのですが、さてこれをどう料理するか。元の方はいくら硬くなさそうと言っても煮物やタケノコご飯にできるほど柔らかいのか、自信がありません。煮ただけ損、となりたくはないところです。
そこで、私の大好物の一つ、メンマを自作してみようと思い立ちました。メンマは台湾や中国の四川省に生える“麻竹”(まちく)という種類の竹を茹でるか蒸すかした後、なんと1ヵ月ぐらい放置して発酵させてから干して作るそうです。麻竹は、120cmも伸びたものを折って採集するので、今回と状況は一緒なわけです。それなら竹の種類は違ってもできないはずはない!ということになります。
しかし、もっとよく調べて見ると麻竹は日本のタケノコと違い、もともと天然の甘味と酸味を持っていて、それで放っておいても発酵するらしく、それらを持たない日本のタケノコでは自然発酵は難しいようです。確かに日本のタケノコはちょっと長く冷蔵庫に入れておくとヌルヌルして、なんだか食感も悪くなります。これは腐ってる?というやつなのかもしれません。
うーむ。しかし、私はもともと発酵食品を数々作ってきました。なんとしても発酵させてメンマを作ってやろうという闘志がわいてきて、すぐ実行に移すことにしました。
タケノコはまず糠を入れたお湯でゆでてアクを抜き、糠を洗って落としてから米のとぎ汁に入れて発酵させることにしました。玄米の周りには乳酸菌がたくさんいて、米のとぎ汁は水キムチにも使うほど、発酵を促すスターターにむいているのです。発酵したかどうかはとぎ汁を少しなめてみるとわかります。すっぱくなっていたら発酵終了です。
早速タケノコをゆでてアク抜きします。これはいつもと一緒です。
30分~1時間程度ゆでてから糠を水で洗い落し、濃いめの米のとぎ汁に浸けます。さすがに腐るのは怖いので、まじない程度にタケノコの重さに対して10%の塩を投入しました。
気温が低かったせいか3日間かかりましたが、室温放置で発酵させることができました。とぎ汁はしっかりすっぱいです。
発酵したタケノコを取り出したら、洗わずに(ココ大事らしい)メンマの太さぐらいに切ってからザルに広げて干し上げることにします。
1週間干したら、なんだか茶色くなってカラッカラになりました。木の枝のようです。
ともかく、これでメンマはできたみたいです。カサが激減して、1kgのタケノコが100gにもなりませんでした。メンマラーメンが高いわけがわかりました。
いよいよメンマができたらしいので、ゴマ油と鷹の爪、醤油でおつまみメンマを作ります。おうちごはんで本格ラーメンに挑戦!でダシに使った親鶏の皮をあらかじめ取っておいたので、これを一緒に炒めることにします。
メンマを水で戻します。おいしいものを食べようと思ったら手間がかかります。これでまずかったら怒りますね。
半日戻したら元の柔らかい状態に戻りました。これをザルにあけて水を切り、親鶏の皮をせん切りにしたものとゴマ油で炒めます。親鶏の皮は非常に硬くゴムのようなので、せん切りにします。せん切りにするとまるでクラゲのようなコリコリ食感で美味です。
炒めて5分ほどすると親鶏の皮から脂がじんわり出てきます。そうしたら醤油と酒、味醂を入れて味をつけ、汁気がなくなるまで炒めてできあがりです。
穂先は〇屋の”穂先メンマ〇〇らぎ”風にしたかったので、鷹の爪を入れて別に炒めました。これは親鶏の皮はなしです。
早速食べてみましょう。
ん?!これはウマー!
おー、これはまぎれもなくメンマだ…
ネットで“手作りメンマ”とひくと結構たくさん出てくるのですが、それってタケノコを細く切ってメンマ風の味付けにしたものが多くて、あくまでもメンマ“風”なわけです。
でも、これは違う。まぎれもなくメンマです。もともとタケノコってほとんど味はないと思うのですが、発酵させたからなのか、深みのある旨みがひそんでいる感じです。食感もシャキシャキです。しかもカサが減るし、カラカラなので長期保存も楽です。これは来年もリピ確実です。
でもね…やっぱり地面にもぐっているタケノコも掘りたいなと思うわけです。皆さんと一緒で、早く元の生活に戻りたいですが、集団免疫を獲得できる日まで頑張るしかないな。
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しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。