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今の時季、おいしさ絶好調の白菜。気温が下がって霜が降りるようになると、白菜は自分が凍りたくないので、自身の中の水の割合をできるだけ下げるために葉っぱに糖分を貯め込もうとします。そうなると柔らかいし、甘いしで、春から秋の白菜とは別物のように味が良くなります。
今年は特に秋から初冬にかけて気温が高く、一時は白菜が大暴落して1株100円なんて夢のようなこともありました。最近では値段も落ち着いたようですが、それでもいつもよりは安いのではないでしょうか。
以前、“無限白菜鍋!ツナとオリーブオイルでつくるやみつき鍋(心まで寒い夜に)”でもご紹介したように、白菜は煮るととても濃い旨みのあるスープが出ます。今回はたっぷりの日本酒と白菜のスープ、オリーブオイルで1人でも1/2株は軽く食べられる濃厚な白菜の無水煮をご紹介します。
今回のレシピは白菜を1回で大量消費できるので、長期保存はあまり必要ないのですが、立派な大きさのものを1株丸ごと買った場合の保存法をご紹介します。1株買いは割安だし、1/4株などに切られたものより切り口が黒くならないし、今の時期の気温なら冷蔵庫に入れずに保存できるのでオススメです。
その保存法はとても簡単です。白菜は、収穫された後も生長を続ける性質があり、外側の葉っぱが栄養分を中心の芯の方に送ります。つまり、収穫後時間が経てば経つほど、葉っぱは一生懸命に栄養を送り続けた結果、自分には栄養や甘みがなくなって、おいしさが半減するわけです。そうさせないために、買ったらすぐに芯の部分を先のとがったナイフや包丁で三角にくり抜きます。そうすると栄養を送るはずの芯がなくなって、葉っぱは栄養を送ることをやめます。これで葉っぱにおいしさが保たれるのです。
芯をくり抜いたら、あとはぬらした新聞紙にくるんでからポリ袋に入れ、暖房を入れていない部屋の寒い場所や外のベランダなどに立てて置いておきます。野菜は生えていた姿勢で保存すると長持ちするので、これで2週間は軽く鮮度が保たれます。
芯を取り除くと長持ちするのは、カット白菜でも一緒です。カットされている芯の部分を切って取り除いておくと、葉っぱがあまりしおれることがありません。さらに葉っぱは中心部から使うようにすると、葉っぱの外側の栄養が失われにくくなり、最後までおいしく食べ切ることができます。
普通、鍋物に白菜を入れる場合、せいぜい1人で葉っぱ1〜2枚程度だと思います。でも無水煮は、白菜がトロトロになってカサが減るので1人1/4株、いや1/2株は軽くいけるほど白菜をたっぷり食べられる料理です。しかも簡単だし、水を一切入れないので濃厚な旨みがあり、白菜ってこんなにおいしかったの?と驚くと思います。
今回は鶏ひき肉で団子を作って入れていますが、肉はなんでもOKです。豚バラ肉でも鳥モモ肉でも、お好みで入れてください。
使う鍋は、白菜の水分を逃さないようにするために、完全にフタができるものにしましょう。
<鶏団子>※他の肉で代用する場合は不要
1. 鶏ひき肉に塩と片栗粉、こしょうを入れてよく練って団子にしておく。豚バラ肉や鳥モモ肉を使う場合は一口大に切っておく。
2. 生椎茸は5mm幅ぐらい、油揚げは1cm幅ぐらいに切る。
3. 白菜を3cm幅ぐらいにザクザクと切り、水洗いしてザルにあげて水気をきっておく。
4. 鍋を熱してオリーブオイルを入れ、1を入れて焼き目をつける。焼き目がついたら、一度鍋から取り出しておく。
5. 4の鍋に3を入れ、塩、こしょうと日本酒を一気に注いでからフタをして中火で煮る。最初はフタがしまらないほどでも、煮ているうちに白菜がしんなりしてくるのでOK。
6. 白菜がしんなりしてきたら2と4を入れ、やや火を弱めて20〜30分ほど煮ると、白菜から水分が出てくる。白菜がトロトロになったら、ミニトマトを入れ、3分ほど煮てできあがり。器に盛ったらオリーブオイルを回しかける。
白菜の無水煮はそのまま食べるのはもちろん、春雨を入れてスープとして、またご飯を入れて雑炊にしても絶品です。白菜の旨みと甘みに加えて、オリーブオイルの香りとコクがなんとも良い味を出してくれます。その際、もしスープが足りないようであれば、少し水を足し、塩で味を調整してください。
白菜の無水煮をおいしく作るポイントは、味付けが塩と日本酒でシンプルなため、素材の旨みが味を左右するので、今の時季のおいしい白菜を使うことです。次に、白菜の水分をできるだけ逃さずにトロトロに煮ることです。日本酒をたっぷり入れるので、ある程度の水分はありますが、あとの水分は白菜から出てくるものだけなので、煮ている途中で水分が逃げると、おいしさ半減です。できるだけ水分を逃さないように、密閉度が高いフタができる鍋で作ってください。もし途中で水分が逃げてしまったら、しょうがないけれど、水を足して煮てください。水分がなくなるとパサついておいしくないし、焦げ付く原因になってしまうからです。
ちなみに今の時季の白菜の中には、白い部分にポツポツと黒い斑点があるものがあります。これは傷んでいるわけでも、虫がついているわけでもありません。この正体は甘みを溜め込んだあかしのポリフェノールで、斑点があるものほどおいしい白菜なのです。そういう白菜を見かけたら即買い、即無水煮をオススメします。
白菜はトロトロに煮ても煮崩れることがない野菜です。シャキッとした炒め物やサクサクとした漬物とはまったく別の食感と味になる白菜をたっぷり食べて、この冬の巣ごもりライフを上手に乗り切りましょう。
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ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。