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2024年9月19日

お刺身だけじゃもったいない!戻りガツオを食べ尽くす方法

お刺身だけじゃもったいない!戻りガツオを食べ尽くす方法

春の初ガツオ、秋の戻りガツオとして知られているカツオ。初ガツオはまだ若々しくさっぱりとした味わい、戻りガツオは皮と身の間にうっすらと脂がのって、成熟した身と上品な脂の旨味。これからは戻りガツオが入ってきます。これを食べずに魚の秋は終われないという感じです。

今回は、この戻りガツオを1本無駄なく食べ尽くそう、という企画です。

  • ルイーザ(LUISA)
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戻りガツオを仕入れに市場へ

さて、戻りガツオが入った頃を見計らって、市場へGO。

戻りガツオ
“k”はキログラムの意味

ありましたよ、お目当てのものが。ただ、一本釣りではなく巻き網ものでした。
カツオ漁は大きく分けて一本釣りと網で獲る漁法があります。一本釣りはまさに1本の釣り竿でカツオの群れに針を投げ込み、ひっかけて次から次へと釣り上げるもので、よく映像が流れる、あれです。

これに対し、巻き網は網でがさっと獲るものですが、網の中でカツオ同士がぶつかるため、お肌が傷んで顔はピンク色っぽくなり、体にも傷があります。身もストレスがかかるからなのか、一本釣りより若干味が落ちるかな…という感じです。とはいえ、一本釣りよりお安いので、うちで食べるならおすすめです。

なじみの店では何で獲ったかまでちゃんと書いてくれているので親切です。1本まるまる買うことはないかもしれませんが、もしめぐり合ったら、顔と体の傷を見るとすぐわかりますよ。

というわけで、ど~ん!と買ってきました。戻りガツオにしては中ぐらい、2.92kgのサイズでした。

戻りガツオ
うらめしそうにこっちを見てる…

スピード勝負、早速さばく

それでは、さっそくさばいて調理していきます。
カツオは比較的さばきやすい魚です。うろこがほとんどないことと、体がまんまるで厚みがあるのでおろしやすいのです。頭を落としてから腹を裂き、肝を出したらまずは第一段階終了です。詳しくはyoutubeにさばき方がたくさん載っているので参考にしてください。

正本の中出刃
頭を落とす

じいちゃんの伝家の宝刀、正本の中出刃を使用していますが、私は左利きのため、おそらくポテンシャルの1/5も出ていないと思います。そこが残念。これは3枚におろすとき、特にデメリットで出てきます。

3枚におろす
身に段々がついてしまった

3枚におろすとき、出刃を背骨に沿って入れていくのですが、左利きの私が持つと刃が反対向き(和包丁は片刃なので)になり、思ったように背骨に沿わないので、軌道修正しているうちに身に段々がついてしまうのです。まあ刺身にすればわからないので、ここは我慢して、3枚におろしました。右上にあるのは肝と胃袋ですが、これは次回、酒飲み界では”通のおつまみ”として知られる“酒盗”を作るためにとっておきます。

次に、血合いに沿って真ん中に入っている中骨を取るために、縦に包丁を入れ、中骨を取ります。これで身が4つになります。これがいわゆる刺身の“サク”です。この姿ならスーパーでも見かけますね。

刺身の“サク”
中骨を取って身が4つに

サクを刺身とたたき用につくる

カツオは刺身派とたたき派に分かれる魚です。私はどちらも好きですが、あえて選ぶならたたきの方が脂が回って美味しいと思います。といってもたたきばかりじゃなんだか飽きそうなので、刺身用とたたき用につくることにします。
腹身は脂が多いので、刺身用にします。皮を薄く引いて終了です。この皮はすごく美味しいので絶対に捨てません。後で塩焼きにします。

皮
皮を薄く引く

次にたたき用です。まず氷をたっぷり入れた水を作っておきます。次に背身に金串を打って、ガスの直火で皮目をやや強めに焼きます。この時脂が燃えてパチパチ音がしたら、それは美味しいカツオの証拠です。皮に焼き目がついたら、身の方は色が変わる程度にさっと焼き、氷水に投入して急冷して、たたき用のできあがりです。

皮目をやや強めに焼く
皮目を強めに焼く
氷水に投入して急冷
焼いたら急冷する

刺身は生姜、たたきはにんにくで

できたサクを刺身とたたきにつくります。これも好みですが、刺身は生姜醤油でさっぱりと、脂がのったたたきはパンチの効いたニンニクスライスとさらしたまねぎ、ポン酢でいただくと同じ魚とは思えないほど絶品です。

刺身
刺身は生姜醤油で
たたき
たたきはニンニクスライスとポン酢で

アラも美味しく食べ尽くす

“戻りガツオを食べ尽くす”と銘打っている限り、頭以外は全部食べ尽くします。カツオは骨が大きく、血合いも多いのでアラ煮にして食べます。これがまたウマイ。こってりと煮ると、ご飯のおかずでもおつまみでもイケます。

アラ
結構な量のアラが出た

魚の煮物のコツは、とにかく水を入れないことだと思っています。水の代わりに日本酒を煮切って(アルコールを飛ばして)たっぷり使います。日本酒200mlとみりん100ml、砂糖大さじ3と醤油大さじ3ぐらいでカツオ1本分のアラを煮ます。落し蓋をしてやや強めの火で汁気がなくなるまでこってりと煮ていきます。この時箸などでいじらないように。身がくずれて汚くなります。あくまでも鍋を揺すって汁気を回します。

アラを煮る
最初はこんな感じで

汁気が煮詰まってきたら火を弱め、焦げないように煮詰めてできあがりです。

煮物
いいツヤ!甘辛でご飯のおかずにも

刺身にするときにむいた腹側の皮は、薄く塩を振って塩焼きにします。これがまた脂がのっていて、皮目がパリパリでなんとも香ばしい。すだちなどを振ってもオツな味に。

腹側の皮
皮目パリパリで香ばしい

刺身が残ったら茹でてツナに

1本買っても食べきれないな…と思っても大丈夫。食べきれなかったら茹でてほぐし、ツナにできます。カツオの茹でたものは“なまり”といって、そのまま生姜醤油でも美味しく食べられるのですが、ほぐすと缶詰とは味の差があることがわかります。油や塩分で加工していない天然の旨味があるのです。きゅうりの塩もみとマヨネーズ、醤油であえる、あるいはオリーブオイルと塩コショウであえても美味です。

ツナ
カツオの旨味が全体にまわる

番外編:尻尾をつま楊枝に

カツオの尻尾がつま楊枝になるのをご存知ですか。江戸時代、カツオを食べた後の粋な細工物としてつくられていました。カツオはハイスピードで泳ぐ魚なので、尻尾がとてもしっかりした作りをしています。この尻尾の骨を利用してつくります。

作り方は簡単で、尻尾をよく茹でて皮と身を取り去り、真っ白くして乾燥させればOK。オツにしたければ先端に食紅(紅しょうがの汁でもOK)で色を付けます。弾力があって、意外と使い心地が良く、結構びっくりします。先人の知恵はたいしたもんです。よく洗って乾燥させると、全然生臭くないのでご心配なく。また、シーシーと使うのは、根元の方です。枝分かれしている先端ではありませんよ。

尻尾
尻尾をよく茹でる
尻尾
バラバラにして皮と身を取る
骨
骨1本ずつにする
カツオの尻尾のつま楊枝
先端を食紅で染めてできあがり

旬のものは逃さず美味しく

今が旬の戻りガツオ。今年は豊漁で安めで推移しているそうです。1本丸ごと買う、ということはないかもしれませんが、カツオは頭以外捨てるところがない魚です。今が旬の戻りガツオをぜひ美味しく料理してみてください。1本まるまるでも2000円前後で買えるので、ちょっと失敗してもたいしたことはありません。うちで食べるならどうやったって食べられますので。

次回は、新鮮な肝と胃袋を使った珍味、“酒盗”の作り方とアレンジレシピを紹介できればと思っています。実はもうすでに酒盗は仕込んであって、熟成期間に入っています。美味しいのができるといいですが…

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