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銀座でワインと肉を堪能したければここ! という店、それが銀座駅から徒歩6分にあるワインバー、銀8710です。ワインバーというものの、肉を中心としたメニューが充実しています。
料理はイタリアンではなく無国籍に近いですが、シェフはオリーブオイル使いの達人とのうわさが。
姉妹店がA5ランクの和牛を扱うしゃぶしゃぶを出す店で、同じ仕入れということで牛肉の質には自信があると聞けば、オリーブオイル好き、肉好きぞろいの編集部としては飛んでいかなければなりません。
ちなみに、「国産牛」と「和牛」の違いをご存知ですか。どっちも日本で育った牛じゃん、というのは大間違い。実は「国産牛」は産地、「和牛」は品種を指すのだそう。つまり、「国産牛」は日本で生まれ育っていればもちろんですが、海外生まれでも、ある程度育ってから日本に来て、日本にいる期間が海外より長ければ名乗ることができます。
これに対し、「和牛」とは、日本で長い時間をかけて品種改良されてきた黒毛和牛、褐毛和牛、日本短角種、無角和牛の4品種と、その交雑種のみを指します(農林水産省HPより)。もちろん日本生まれ日本育ちです。
一般庶民である私がよく行くスーパーでは「国産牛」はよく見かけるけれど、「和牛」がないのはそのせいか…と気づかされました。きっと青山あたりの高級スーパーにはあるんだろうなぁ。
今や「和牛」は海外でも「WAGYU」としてどんどん評価が高まっています。普段は輸入牛や国産牛で我慢しても、時にはちょっと気張って和牛を食べたいものです。その日をめざして頑張って働こうっと。
チーフシェフの井ノ川さんは東京会館など一流ホテルで腕を磨いたベテラン。キャリアの裏打ちがあるからこそ、肉はたたきで食べられる上質なものから、肉からはずした筋や脂までも上手に使い、オリーブオイルも随所に効かせた、まさに「気持の入った料理」を出してくれるとのことで、期待がふくらみます。
夜の蝶のお姉さんとすれ違っておーっと思いながら、ちょっとビビッて入店しましたが、井ノ川シェフは気さくに出迎えてくださいました。
クリームチーズにオリーブオイルをかけたカプレーゼからいただきます。チーズというより脂っぽくないバターという感じのコクと濃厚さ。オイルとの相性もぴったりで、次に続く料理に期待が膨らむ上質な味です。
次はオードブルです。さすが肉自慢だけあって肉の質、量ともに満足です。ドーンという感じです。
ワカサギのエスカベッシュは、オリーブオイルとエクストラバージンオリーブオイルの二種をベースに、柚子こしょうとワインビネガー、バルサミコ酢を合わせたドレッシングでいただきます。酸味と甘味、オイルの旨味がたまりません。さすがオリーブオイル使いの達人の手になる料理です。
牛肉のカルパッチョは軽くあぶってピンク色を残したたたきにしてあり、上にはオリーブオイルで作ったマヨネーズと細かく刻んだオリーブの実、ベルギーエシャロットが入ったタルタルソースがかかっています。ソースはサラダオイルベースと異なり、オリーブならではのすっきりした味。まったくしつこくありません。オードブルからしてすべて手がかかっていて、手抜き一切なし。
お次は地鶏のコンフィ。和牛の上質な脂肪だけをとっておき、溶かした脂に地鶏を2時間じっくりコンフィ。身はほろほろと柔らかく、それでいて鶏の旨味と牛のコクがしっかり入っています。牛の脂でコンフィというと脂っぽさを感じるかなと思いましたが、まったく感じません。むしろソテーにしたほうがはるかに脂っぽいと思います。ソースはチキンベースに、野菜や牛の筋や端肉を入れて煮込んだフォンドヴォー。ほんのり甘みがあります。牛だけのフォンドヴォーよりさっぱりしています。
最後はコンソメスープでいただくしゃぶしゃぶです。牛はランプ、豚はロースで、もやしやズッキーニを巻くように美しく盛りつけられています。「先にコンソメだけを召し上がってみてください」とのシェフのおすすめで一口飲んでみると、なんとも深い味。時間をかけて煮込み、繰り返しアクを取った澄んだスープは、思わずがぶ飲みしてしまいそうです。
このコンソメでしゃぶしゃぶです。まずくなるわけがありません。味のアクセントに味噌にワインビネガーを合わせたものと粒マスタードの2種をつけていただきます。豚も牛も、ペロっといってしまいました。写真は2人前です。
今回、料理に集中するあまり、ワインバーなのになんとワインを飲み忘れるという失態をやらかしました。そのぐらいシェフの料理は一品ひと品、気持がこもっていて、美味しいものを提供しようという気迫に押されるような感じでした。
この料理のクオリティの高さ、そして美味しいワインがあれば至上の悦楽であることは間違いありません。料金もリーズナブルでした。大満足、ごちそうさまでした。
【今回訪問したお店】
銀8710
所在地:中央区銀座8-7-10(博品館の真裏)
TEL:03-3573-2775
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。