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太陽が燦々と降り注ぐ、宮崎県日南市。
飫肥(おび)城の城下町として発展したこの町は、美しい日向灘に面しています。そんな日南市は、宮崎県の中でも特に温暖で農林水産業が盛んな地域。
実は8年ほど前から、その気候を利用してオリーブの栽培が始まっています。今回は日本でもっとも新しいオリーブ産地の一つ、宮崎県日南市の国産オリーブの人気の理由について迫ってみたいと思います。
宮崎市内から車で約1時間。太平洋を右手に見ながら日南海岸線を降って行くと現れるのが、宮崎でもっとも有名なパワースポットの一つ「鵜戸神宮」(うどじんぐう)。
断崖絶壁の奇岩の下に隠れるように祀られた霊場は、古来より安産や子宝の神様として地域の人々の信仰を集めてきました。
神聖なる海と、飫肥杉がうっそうと茂る自然豊かな土地に、日南の町が開けています。日南市は、天然の良港「油津港」(あぶらつこう)に恵まれ、江戸時代までは飫肥城を擁する伊東氏の城下町として栄えてきました。
市内には当時から伝わるご当地名物「飫肥天」があり、観光客の舌を楽しませています。
日南市の中で、特に日照時間が長く、南国フルーツ「マンゴー」の栽培地にもなっているのが南郷町。
2011年、地元農家と日南市・宮崎大学の研究機関とが連携し、「にちなんオリーブプロジェクト」が始まりました。
最初にこのプロジェクトに参加した農家は15軒。
元はみかんの栽培地であった1.2haの山林に、約2000本のオリーブの樹が広がりました。
2017年には、農家が主体となったNPO法人「日南オリーブ コンパネロ」も設立され、現在は10軒の栽培農家が同プロジェクトに参加しています。
NPO法人「日南オリーブ コンパネロ」の会長を務める井上勇一さん。
元は養豚農家だったそうですが、廃業をきっかけに跡地の利用について市に相談したところ、今回のオリーブプロジェクトへの参加を呼びかけられたそう。
日南市は温暖ではありますが、県内でも特に降水量の多い地域。本場スペインや日本のオリーブ産地小豆島とは気候条件が違うため、オリーブを育成するまでには、様々な苦難があったそう。
現在では、肥料を抑制して樹の実の付きをよくしたり、害虫「葉巻虫」や「穴あきゾウムシ」を早めに駆除するなどいろいろとさじ加減をしつつ、オリーブを育てているそうです。
日南市の農家10軒が、約5年の歳月をかけてようやく誕生した新商品が「日南海岸オリーブオイル」。
オイルの精製のためには50kgの果実が必要なため、2017年にはスペイン産のオリーブと合わせて精製・出荷したそうです。
日南海岸オリーブオイルは、香り高くさらさらとした質感にも関わらず、しっかりとコクがあるのが特徴です。100%日南市産のオリーブの実を使った商品が登場する日もそう遠くなさそうです!
太陽のめぐみをいっぱいに受けて育った「日南海岸オリーブオイル」は、日南海岸線に面した「道の駅なんごう」で販売されています。
「道の駅なんごう」は、5月下旬から6月上旬には、薄紫の可憐なジャカランダの花が満開になる風光明媚な道の駅で、ドライブの休憩スポットとしても人気です。マンゴーなど人気のお土産も並んでいますので、ぜひ、立ち寄ってみてください。
(道の駅なんごう施設情報)
住所:宮崎県日南市南郷町大字贄波3220-24
電話:0987-64-3055
ホームページ:http://www.michinoeki-nango.jp/
小豆島に続く新しいオリーブ生産地として大注目の宮崎県日南市をご紹介致しました。日南市のオリーブ栽培は2011年のスタートから今年で8年目を迎えます。台風の直撃も多い日南市に置いて、根が浅く倒れやすいオリーブ樹木の栽培は決して簡単なことではありません。モンスーン・アジアの宮崎で、100%国産のオリーブオイルは製造できるのか?日南海岸での取り組みは続きます。生産農家の方々が丹精込めて育てた日南オリーブを、一度味わってみませんか?
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。