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実はフランスワイン、19世紀後半にブドウの病気が相次ぎ、加えて20世紀に入って世界恐慌による不景気が原因となり、過剰生産ワインや粗悪なワインが偽物ワインとして大量に市場へ出回りました。その結果、世界中で評価を大きく下げてしまうことになったのです
そこでフランスワインの評価を再構築するために、政府が解決策として対策を始めました。
1905年以降、生産地偽装ワインを取り締まるための、産地境界線を確立。しかしこれだけでは、偽装ワインは減ることはなかったのです。
1935年、AOC法の制定
AOCとは、「Appellation d’Origine Contrôlée(アペラシオン・ドリジーヌ・コントロレ)」の略称で、「原産地統制呼称制度」と呼ばれています。生産農地にお墨付きを与える制度で、その土地の人しか生産できないようにして、国が品質保証を行います。
特徴の一つ目は、有名なワイン産地を使用できる境界線を明確にしたこと。
二つ目は、有名産地のワインについて、使用できるブドウ品種、栽培方法、ワイン醸造法を細密に定めました。
以上のように、フランスのワイン文化が培ったノウハウを法律でしっかりと制定し保護を始めた結果、今日のフランスワインの評価の基礎が完成したのです。
ちなみに、イタリアのDOC、DOCGなどをはじめ多くの国で用いられているワインの品質分類は、このフランスのAOC制度を真似たものにあたります。
長い歴史の中で厳格な規定を法律として定めて最初に管理を始めた結果、高品質で特徴がしっかりしたワインを世界に広めることになり、模範として見習われるようになったのですね。
この中でもフランスワインの2大産地として有名なのが、ボルドーとブルゴーニュですね。
パリの旅はこちらの食べ歩き記事でもご紹介していますが、旅のもう一つの目的はパリにあるワイナリー見学です。編集部が見学したワイナリーはルーブル博物館から歩いて10分ほどにあるレ・カーヴ・デュ・ルーブル(Les Caves du Louvre)にお邪魔いたしました。
ワイナリーというと、田舎町の壮大な土地にあるイメージをされる方が多いですが本日訪れたのはパリの中心にある珍しいワイナリー。フランスではワインが有名ですから、観光地のひとつとして国内外の観光客の方に人気があるみたいです。
今回、私が参加したツアーは15時からの1時間コース。フランス語ツアー、英語ツアーと2種類のツアーがあるみたいです。予約もせず飛び込みで入ったのですが丁度、英語のツアーが始まるようでしたので思い切って参加してみました。
私を含め参加したのは約10名ほど。後でわかったのですが、ほとんどがアメリカからの観光客の方でした。
さて、はじめてのワイナリー見学です。ちょっと緊張ぎみにワイナリーへのタラップを降りてゆきました。
ほんのんりとした灯のともった階段を下っていくと、ワインの樽が並んでいるお部屋に案内されました。ワインの貯蔵庫なので、もっとひんやりしているものと思っていましたが、建物の中の温度と同じで少々肩空かし。案内してくれたスタッフは英語でしたが、早口の英語なので聞き取れない部分もたくさん。なんとかフランスの有名なワインの樽が並んでいるということを理解しました。そこで飲んだ1杯目の白ワインがこちら。
試飲ワイン1杯目:サン トーバン ドメーヌ フランソワ ミルクスキ(白ワイン)
ワインが大好きな私にとっては、もう少し大きめのワイングラスで飲みたかったです。このワイナリーではあらかじめ決まった試飲ワインとしてふるまわれます。口当たりがしっかりしていて好きなタイプ。このお部屋で飲むに相応しい樽感もそれなりにともなったお気に入りの1杯になりました。
次に案内をされたのはこちら。ワインに使われるブドウの木と土壌の実物を展示してあります。ワインで大事なのは、ブドウの実なのかな、と思っていましたが木をしっかり支えるブドウの樹本体自体が肝心のようで、ごつごつとした枝ぶりの木が展示されていました。フランスといえば、シャンパンが有名ですがシャンパーニュ地方で栽培されたブドウの木も展示されていましたよ。
カラフルなボトル、そして沢山のワインのラベルに囲まれたお部屋に案内されました。
ワインのラベルは「エチケット」と呼ばれることがあります。こちらにはワインの生産地、生産された年、生産者などが記載されています。「エチケット」とはフランス語なのですが何故このように呼ばれるようになったのかご存知ですか。
元々「エチケット」の意味はフランス語で「荷札」「貼り札」などの意味があります。なのでラベルという意味とは合っているのですが、一般の私たちの感覚からすると「礼儀作法やマナー」というイメージがありますよね。昔のフランスの人たちはの宮廷では、外部から宮廷を訪れる客人に、とるべき作法が書かれた貼り紙”エチケット”を見せていたそうです。やがて、いつの間に、礼儀作法そのもののことがエチケットと呼ぶようになっていったと言われてるようです。
こちらのお部屋には珍しいエチケットが並んでいるようで、生前ピカソが愛したワインのエチケットなども並んでおりちょっと嬉しくなっちゃいました。
このワイナリーでは3本の試飲を楽しむことができます。2杯目に飲んだワインはこちらです。写真の並びでは、一番左が1杯目、2番めの真ん中のボトルが2杯目。最後の一番右が三杯目です。
試飲ワイン1杯目:サン トーバン ドメーヌ フランソワ ミルクスキ(白ワイン)左
試飲ワイン2杯目:サン テミリオン グランド クリュ オー ブラント(赤ワイン)真ん中
試飲ワイン3杯目:シャトーヌフ デュ パブ ドメーヌ ボールナール(赤ワイン)右
赤ワインが好きな私は真ん中にあるサンテミリオンがお気に入り。赤ワイン特有のタンニン感はそれほど強いわけではないですが、バランスが良く余韻も長く続くずっと飲んでいたくなるようなワインでした。
あっという間の1時間のワイナリー見学でしたが、スタッフの方が丁寧に説明をしてくれて、とても満足な時間を過ごすことができました。
3杯では飲みたりない!という方は最後のお部屋がバーカウンターになっており気になるワインをグラスで提供してくれるので参加したお客さん同士、仲良くなっている方もいらっしゃいました。
ツアーを終えて、最後はお土産売り場へ。ワイナリーの建物の隣がワイン販売店になっており、試飲したワインをはじめ、フランス国内有名シャトーのワインがたくさん売っていました。そこで私が選んだワインはコレ。試飲で気に入った一本です。
初めて行ったパリのワイナリーでしたが、街の真ん中にあり、とても便利で気軽に尋ねることができました。パリに行かれた際には是非尋ねてみてください。おススメですよ。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。