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キッチングッズを無理目だろうがなんだろうがとにかく企画して商品化を狙うコーナー!
今回は、おうちでのカフェタイムを優雅に彩るグッズを考えました。
アフタヌーンティーってありますわね。
お店のほうじゃなくて、イギリス発祥の喫茶習慣。段重ねのトレイに、ケーキや水菓子、スコーンにサンドウィッチなど盛って優雅にたいらげる、アレ。
こんなかんじ。
すごいよね…甘物としょっぱ物が交互にパンチを繰り出してくる。そういう意味ではうちで普段食べるようなオヤツ(シュークリームとえびせんを交互に限りなくいただくような行為)も根源は一緒です。
しかしこの、画圧。これは盛り盛りスイーツから発される衝撃波のせいもあろうけど、なんといってもこの西洋オカモチ、ならぬティー・スタンド(私はアフタヌーン・ティーに否定的なわけではなく、機会が巡ってきたら私も2つ返事でかけつけたいと思ってます)、このスタンド攻撃からの圧ではないかと。
おうち需要が叫ばれる昨今、日本人としては日本風の、心おだやか、静謐にして侘び寂びを感じさせるアフタヌーンティー、もとい午後のお茶はできないか。そう考えて今回作りますのは、
「盆栽式アフタヌーンティー・スタンド」でございます!
やっぱり英語入れちゃった。だって「盆栽式午後のお茶立て」って言われても、ねぇ。それにしても今日は、いつにもまして適当な絵。大きめのもの作るのにこんなラフで大丈夫なんでしょうか。
とにかく!手を動かしましょう。どんどん作っていきましょう。
土台になる盆栽鉢は、本物を取り寄せました。陶器の重みで安定させたい所存であります。
ここに、さてどうやって倒れないように枝を立たそう?
家の木端をかき集めて、木工用ボンドや強力ボンドを駆使して、わからないなりに土台を構築していきます。松の幹の芯に木材を使う、ってちょっと妙な気分。
とにかく「倒れる」のを回避すべく、素人なりにいろいろな策を投入していきます。
がっちり固定したい隙間は、硬くなる木工用パテで。他の隙間は、石粉粘土で。土の代わりに粘土類を総動員。そうしたらかなり重くなってきまして、逆に不安になります。こんな重いグッズ、うちにあっていいんでしょうか。
さて枝ぶりを形作っていきたいんですが、カクカクと曲げねばなりません。でもどうやって、芯材をつなげていこうかしら。
曲げたい角度にしたら、関節部に紫外線で固まる接着剤を少し垂らして、仮止めしました。そうした後に針金で固定していきます。今のところ好調ですね。
骨折したときの添え木とか、鉄筋コンクリートの構造とか、中途半端な知識の断片を思い出しながら、形にしているところ。関節部は絶対強固にしたいので、ここにもパテを埋め込みます。
ホームセンターで安い木皿を買ってきました。枝ぶりは、だいたいこんな感じで良さそうな。
あとは、より盆栽らしく肉付けをしていきます。ここでも半端な盆栽イメージが炸裂します。
木から粘土、そしてまた木へ…
割り箸を折った断面で、樹皮のテクスチャーを追い求めていきます。
木材を芯にして、粘土で覆って幹とする…繰り返しますがやっぱり不思議な感覚ですわ。
このへんは悩みました。木皿をどうやって枝に乗せるか。いちおう土台となる枝を3方に広げてみたけれど、果たしてうまく乗っかるかどうか。ここを失敗すると、きっと阿鼻叫喚のアフタヌーンが待ってますぜ。
諸星大二郎作品のような枝ぶりが完成してしまいました…。3つの皿が乗って、まるでキングギドラのようでもあります。あっ、今度はキングギドラ風のティースタンド作ろっかな…
とか言ってないで、いよいよ楽しい彩色です。
まず黒く塗ってから、ドライブラシ法で上から茶色を足して、幹っぽくします。
土の部分もとりあえずは茶色に。土は土で、ジオラマ風にまとめたいと思います。
土を全てコケで覆うかなと思っていましたが、砂利を敷くのも有りですね。木工用ボンドを塗り延ばした上から、砂利やコケなどのジオラマ素材を。がぜんこのあたりの作業は楽しいぞ。
しかし、また悩みどころが…木皿を緑に塗ったとして、そのまま置いたのではちょっと寂しくないだろうか。
悩んだ末、イバラの道を選んでしまいました。つまり、松っぽさを出そうと、竹串を数百本カットして、このように皿に取り付けたのでした。ここで今年いちばん頭使いました。
これも瞬間接着剤で仮止めして、あとからUV接着剤で補強。
さあ、果たして、心おだやか、静謐にして侘び寂びを感じさせる盆栽式ティースタンドは、どう出来上がったのか!
うちに和室がないので、このために畳シート買っちまいました。なかなか「盆栽っぽく」なってますでしょ。お皿が、小さな回転式レストランっぽく見えなくもない。
さてさて、ここに、「ケーキやスコーン、水菓子、軽食」の和的解釈を加えていきましょう。わくわくと買い回ってきましたわ。
和菓子など多用するともっと渋々な色味になるかと思いきや、かなり華やかな佇まいになりましたわね。
ムースやアイスに代わるものとしてはやはり「あんみつ」。そしてそして、マカロン的立ち位置には、そう、「モナカ」しかない!ごま、いちご、栗モナカだわよ。
こちらには練り切り、葛餅、桜餅などスタンダードな和菓子を。そしてロールケーキ的役割のものがありました!愛媛名物、「一六タルト」でございます。カステラ生地で餡を巻いた、まごうことなき和菓子ですわよ。
Oh、そしてこれぞ世界に誇る日本の軽食、寿司!蕎麦!
寿司は近所のスーパーで、子供の日をアピるための手毬寿司が売れ残っていました。大きさといい、ちょうど良かった。
さあひとり、午後の盆栽アフタヌーン・ティーの開演、ですわよ〜!
わーい、どれから行こうかな〜!
…。
すみません、犬がそばを離れません。テーブルの上でやればよかった。
茶を飲みつつ「次はどれを…コラッ!」
犬は一六タルトに激しく反応している。
こりゃ眼福、口福ですわい(しかしひとりでは食べきれぬ…!)
***
ひとりで行うとまぁ腹一杯になって終わってしまいますが、ちょっとしたパーティなんかに、話のタネとしてぜひ一家に1台、いかがでしょう。
早くたくさん人呼んで、渋々な和アフタヌーン・ティーを共にしばきたいものですわ!
乙幡啓子
1970 年群馬生まれ・東京在住。「デイリーポータルZ」「フィギュア王」等の媒体で工作記事などを連載するほか、モノ作りイベントやワークショップ、講演などでも活動。
著書に「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」「笑う、消しゴムはんこ。」。
また妄想工作所名義で「ほっケース」「スペース・バッグ」「ケルベコス」などの雑貨製作・企画も行う。
乙幡啓子オフィシャルサイト 妄想工作所
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しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。