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食まわり、キッチンまわりのグッズを企画し、いつの日か商品化を達成するコーナー!
あまりにも暑い日が続いている昨今、今回はアイストレー=製氷器を作って、涼みたいと思います。それも「クラゲ舞うアイストレー」。ありそうでなかった(筆者調べ)、クラゲ型の氷が作れるアイストレーを1から作りたいと思います。なぜ「ありそうでなかった」かは、後からわかる、かも?!
では行ってみよう!
あの映画のおかげでイメージが難なく決まる
まずは、元型となるクラゲを粘土で制作していきますが、大きさに注意。
氷として複数個をグラスに入れたいので、なるべく小さめに、しかし小さくなりすぎずに。
おまんじゅうみたいな形を作ったら、赤血球みたいに裏にくぼみを作ります。まんじゅうやら赤血球やら忙しいな。
そしてこれがクラゲたるゆえん、「足」(クラゲ的には「触手」)を、なるべく簡単に、3本ほど作ります。本当は、よくクラゲとしてイメージされるような、ずっと細い足を作りたい!でも氷にしにくい。できたとしても折れやすい。なのでここは「崖の上のポニョ」のクラゲをヒントに、簡素化してみました。
足を別で作って、体に埋めていきます。
某林業グループのキャラじゃないよ。
アイストレーからポコポコ作るなら、これくらいの造形が限界ですかね。
スペインバルで出てくるマッシュルームのおつまみじゃないよ。
さてこの形。なるべくこの形を、型を分割せず、ひとつだけの型でポコっと抜けるようにしたいんです。水が漏れますからね。
が、それには難関が…これ、もしかしてクラゲのアイストレーがなかなか売ってない原因かも。つまりこういうことです。
型を横から見た断面イメージ。上図でも下図でも、赤い斜線の部分が邪魔をして氷を取り出せなくなるおそれがあります。それに加えて、下図だと青斜線部分の型が分かれてしまう。
でもまだ上図のやり方のほうが、開口部の大きさによってはツルンと氷が取り出せそう。でもなるべく、伸びのいいシリコーン型を作る必要があるな…
これを可能にしてくれそうなシリコーンがありました。
よく見てください。「たとえばサザエの型取りに、分割しなくとも」と書いてある。つまり、あの複雑怪奇なボコボコした形状を、1つの型で複製できるらしいのです!これだ!
さっそく先ほどのマッシュルー…じゃなくてクラゲさんを、型取りしてみましょう。
2枚前のラフ画を参照ください。上図の場合、クラゲを逆さまにして型を取る必要があります。
底面に、両面テープで逆さまにクラゲを固定して(浮き上がるおそれがあるので)、そしてブロックで壁を築き、そこに先ほどのシームレスシリコーンを流し込みます。こうすることで、頭のところに穴が開き、そこから水を流し込めるというワケです。
※今回、工作用シリコーンをそのまま製氷器にしています。市販のシリコーン型は食品複製に耐えられる基準をクリアしたシリコーンですが、これはあくまで工業用のを記事に使っておりますこと、ご了承ください
そしてそのまま、一晩…
そろそろ固まったかな?(シームレスシリコーンは他のシリコーン素材より、固まるまで少し時間がかかる)
粘土の元型、ここから外れるかな?
ムニムニ…
んんん、ポコッ!
コツがわかった!1箇所が外れれば難なく外れそう!さすが、従来のシリコーンより引き裂き強度が7〜8倍もあるツワモノ!
逆テーパー(ラフ画の赤斜線部分)に私は勝った!勝ったのだ!
この小さい穴から、この大きさが産み出されたということ…母は偉大だ。
そしたら早速、水を流し込んで冷凍室へ直行です。
チョロロー。水は凍ると膨張するから、少しだけ少なめに。
途中から型をもう1個増やしました。
さて、2~3時間後。
やっぱり少し膨張して型からはみ出してます。でもクラゲの頭だからこれでもOKかな?
型から外すところは急いでたので写真がないですが、覚えたコツで難なく取り外せました。
わははは、かわいいぞ!少しづつ作りためた、出番を待つクラゲさんたち。
部屋をなるべく涼しくして、グラスに数個放し(完全にクラゲ扱い)、なるべく冷たい水を入れて…
浮いてる!(笑)
しっかり浮いてくれてる!
ゆらゆら気持ち良さそうであります。
ずっと見ていたい…が、なにぶん少し小さめだからか、すぐに溶けて小さくなってしまう…
親クラゲから、稚クラゲへ。ある意味、不老不死と言われるクラゲの一生を再現してるといえましょう。
ウイスキーにポトン…酔っ払いクラゲだ。見ているだけでもいい気持ち。
というわけでけっこういい線いってるのではないでしょうか、「クラゲのアイストレー」。商品化でクラゲアイス大量生産できるようになったら、おうちでいつでも水族館気分が楽しめますぞ。何卒よろしくお願いします!
乙幡啓子
1970 年群馬生まれ・東京在住。「デイリーポータルZ」「フィギュア王」等の媒体で工作記事などを連載するほか、モノ作りイベントやワークショップ、講演などでも活動。
著書に「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」「笑う、消しゴムはんこ。」。
また妄想工作所名義で「ほっケース」「スペース・バッグ」「ケルベコス」などの雑貨製作・企画も行う。
乙幡啓子オフィシャルサイト 妄想工作所
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