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「アフターコロナ」だか「ウィズコロナ」だかわかりませんが、マスクをしている人だらけであることを除けば、世の中はだんだんと3年前の状態に戻りつつあるようです。家に引きこもってしぶしぶおうちごはんを食べていた人も、居酒屋でビールをプハァ〜っとできるようになってきました。
私も最近になって少しずつ外食をするようにはなってきましたが、それでもなんとなくおっかなびっくりで腰が落ち着きません。まあもう少し、様子を見ながら暮らすことにしましょう。
さて今回は何を作ろうか、旬のものは…とスーパーに行ってみると、新にんにくが目につきました。産地は鹿児島や香川など南の地域で、青森の有名なホワイト六片はまだ出てきていないようです。
新にんにくは見た目ですぐわかります。というのも、ふつう見慣れたにんにくは皮がカサカサして紙のような薄さをしていますが、新にんにくは皮が分厚く、みずみずしくてしっとりしているし、緑の茎がついたまま売られているものもあるからです。どちらかというと、玉ねぎの小さいものみたいな見た目です。
にんにくの収穫時期は今頃からで、産地は南からだんだん北へと移っていきます。最後は国産にんにく界の王者“福地ホワイト六片”が出てきます。その名のとおり、粒が6つに分かれていて、味も香りも最高と言われています。
フレッシュな新にんにくは今の時期だけ味わえるもので、旬を過ぎれば乾燥させたものにかわっていきます。そこでせっかくならこの新にんにくのおいしさを閉じ込めるレシピを考えようと思い立ちました。
にんにくの香りや味をそこなわないように長期間保存するもっとも簡単な方法は、皮のまままるごと冷凍する方法です。にんにくは冷凍してもカチカチにはならないので、使う時は解凍しなくてもそのまま包丁で簡単に切ることができます。
このように冷凍保存は確かに保存には適していますが、やはり料理に使うにはそれなりの手間がかかります。特に急いでいる時には面倒なものです。
そこでおすすめなのがオイル漬け。時間のある時にみじん切りや輪切りにしてオイルに漬けておけば、忙しい調理の時、オイルとにんにくを一緒にすくって炒め油にも、ドレッシングにもすぐ使うことができます。
早速オイル漬けを作ろうと思いましたが、具がにんにくだけではつまらないので、シラスを入れて和洋どちらでも合う万能オイル漬けにしてみようと考えました。これならのせるだけでごはんのおかずやおつまみになり、とても便利でおいしいのです。
早速スーパーに行って、鹿児島県産の新にんにくを買ってきました。粒が大きく、4片しかないですが、はちきれんばかりの丸々としたにんにくです。しかし、いざ調理しようとしたら、実に皮がむきにくい。肉に皮がくっついてはがれにくいのです。この困りごとには解決策があるはず、とググってみると、30秒のレンチンがいいとありました。
まず皮ごと尻の部分を切り落とし、レンジで30秒。それを頭の部分を持って押し出すと、見事にツルンとむくことができました。なるほどやりやすいです。
むきかたも学習したところで、早速新にんにくとしらすのオリーブオイル漬けをご紹介。
しらすもまだシーズン中です。冷凍保存されていない釜揚げしらすがまだ手に入ります。旬のもの同士、おいしいオイルに閉じ込めて長く楽しめるようにします。
1. 新にんにくの皮をむく。皮ごと尻の部分を切り落とし、レンジ強で20~30秒かける。頭の部分をもって押し出すと、ツルンときれいにむける。
2. 1をみじん切りにする。鷹の爪は薄めの輪切りにする。
3. しらすにめんつゆを入れてよく混ぜて味をなじませる。
4. フライパンにエキストラバージンオリーブオイルと2を入れて、火をつける。弱火でじっくり、薄くキツネ色がつくまで、にんにくに火を通す。火を通しすぎると焦げて苦味が出るので注意。色がつき始めたと思ったらすぐ火を止める。
5. 4に3を入れてよく混ぜる。余熱でシラスに少し火が入る。ここで火にかけたままでしらすをいれてはNG。しらすが揚がってしまい、硬くなるため。あくまでもシラスはしっとり仕上げるのがコツ。
6. 粗熱が取れたら保存ビンなどに入れてできあがり。
このオイル漬け、和洋食何にでも合います。白いごはんや冷奴にのせたり、そうめんと混ぜてもイケます。新にんにくの香ばしさや香り、しらすのうま味でおいしいのはもちろんですが、やはりオイル漬けの味を決めるもっとも大事なものはベースになるオリーブオイルの質だと思います。今回はオリーブクエストを使いましたが、搾りたてのフルーティなすがすがしい香りとうま味が素材の味をぐっと引き立てます。オリーブオイルは油というより、醤油やソースと同じで、調味料であることが実感できます。
青しそを千切りにして一緒にのせると、いくらでも食べられます。
豆腐にのせれば、ちょっと食べ応えのある冷奴に。
梅肉を合わせてさっぱりと。混ぜそうめんも美味。
新にんにくとめぐりあえるのは今の時期だけ。ぜひフレッシュなものを手に入れてオイル漬けを試してみてください。作り置きできるので、便利ですよ。
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