あさりの旬は春と言われていますが、実は今頃も冬に備えて身がふっくらと太っておいしさが増す、いわば2回目の“旬”を迎えています。私は貝類全般が好きですが、特にあさりは小さいころからとても身近なものでした。なにしろ電車で1駅、頑張れば歩けるほど近くに潮干狩りできる場所があり(有料ではなく自然にあさりが棲んでいる)、町を歩けば道端であさりを量り売りしているおばちゃんがいて、母はよくおかずに困るとおばちゃんからあさりを買って、味噌汁やら炊き込みご飯にしてくれました。
そのあさりは抜群に鮮度がよくて、今スーパーで売られているものとは格段の差がありました。同じ貝とは思えないほどの濃厚な旨みは産地ならではだったのでしょう。安いしうまいしで山盛り食べたのを覚えています。
今ではあさりが自然に棲んでいたその場所は人工的に作られた潮干狩り場になってしまい、買うより高くあさりを獲ることが当たり前になってしまいました。とてもさびしく感じますが、それは時代の流れで仕方ないことです。
さて、今回はこの2回目の旬を迎えているあさりを使って、深川めしを作ろうと思います。あさりはもちろん殻付きを使います。むき身と殻付きでは圧倒的に味が違いますので、絶対殻付きです。今回は殻付きあさりをおいしく砂抜きし、かつご飯にしてもふっくら仕上げるコツをご紹介しましょう。
あさりについてはこちらの記事(あさりの旬はいつ?栄養と美味しい食べ方)でも詳しく紹介しているのでご覧くださいね。
あさり料理には、まずはあさりの砂抜きが必要です。スーパーで売られているものはパックになっていて砂が抜かれたものが多いですが、念のため砂抜きはやっておきましょう。1つでも砂が抜けていないものがあると、料理全体を残念にしてしまうからです。
あさりの砂抜きというと、3%の塩水(500mlの水なら塩15g)をつくって抜くのが王道です。しかし、ヘタに抜くと旨みまで抜けてしまいます。それが、塩水にあるものを加えることであさりがおいしくなる裏ワザがあるそうです。さっそく試してみました。いずれも砂抜き時間は3時間です。
独立行政法人水産総合研究センターによると、『ブドウ糖を海水に入れるとあさりの旨み成分、コハク酸が2.8倍に増える』ことがわかったそうです。ブドウ糖は果糖なので、砂糖ではだめです。そこで最も簡単なのがはちみつです。3%の塩水に0.01%分のはちみつを入れます。500mlの塩水なら0.05ml、ほんのひとたらしです。すごくカンタンです。
これもカンタン。塩水に片栗粉を入れるだけです。分量は500mlの3%塩水に片栗粉大さじ1を入れてよく混ぜます。こうするとあさりがふっくら仕上がるそうです。片栗粉が体内に入ってふくれるんでしょうか。
はちみつで旨みがアップして、片栗粉でふっくらするなら、両方入れてみたらどうなるんでしょうか。ダブルでもやってみることにします。
さて、試した結果です。左がはちみつ+片栗粉、右はただの塩水で砂抜きしたものを2分間酒蒸しにしました。はちみつ、片栗粉それぞれもやってみましたが、はちみつはただの塩水で塩抜きしたものと同じ、やや身が縮んだ右の状態、片栗粉は左の状態になりました。
はちみつ+片栗粉は身がふっくらしているし、縮んでいません。プリッとした感じです。味ですが、コクというか旨みが増しているようです。1滴なのではちみつの甘みは感じませんが、きっとコハク酸が3倍になったのでしょう。はちみつだけだと身は縮むが味はアップし、片栗粉は身はふっくらするが味は塩水と同じという結果になりました。ということで今後ははちみつ+片栗粉で砂抜きをすることにしました。
これを使っておいしい深川めしをつくることにします。
深川めしの作り方は2通りあります。一つは農林水産省郷土料理100選にも選ばれているもので、長ねぎと生のあさりを味噌で煮込んで熱いご飯にかけた、いわばあさりの味噌汁ぶっかけご飯みたいなものです。
もう一つはあさりの炊き込みご飯です。江戸期、大工などの職人さんが弁当に持って行くために生まれたとも言われています。
今回は後者、炊き込みご飯を作ることにします。お米のツヤと味にコクを出すため、オリーブオイルを隠し味に投入します。
1. 米を研いでざるに上げて1時間程度水を切っておく。
2. 砂を抜いたあさりをよくこすり洗いする。鍋に日本酒大さじ2を入れて火にかけ、沸騰させる。
3. 2にあさりを投入してフタをして強火にし、全部の口があいたらすぐ火を止める。
4. 3を少し冷まして殻から身をはずす。出たあさりのダシと身を分けておく。
5. 鍋に日本酒大さじ1とみりん、醤油を入れて火にかけ、沸騰したら殻からはずしたあさりの身を入れて2分程度、さっと煮てすぐ火を止める。煮汁のまま冷まして味をなじませる。冷めたら身と煮汁を分ける。
6. 炊飯器や土鍋などに1を入れ、そこに4で出たあさりの汁と5の煮汁、オリーブオイルを入れ、普通の水加減まで注ぐ。そこでダシの味を見て、少し薄めの吸い物程度まで醤油を入れて調整する(ほとんど調整は不要なはず)。
7. 普通に炊き上げる。炊き上がる直前に5で分けておいた身だけをごはんの上にのせて炊き上げる。
8. あさりとご飯をさっくりまぜて器に盛り、お好きなトッピングでできあがり。
あさりをはじめとする貝類は、とにかく熱に弱く、加熱すればするほど縮んでしまいます。これを防ぐためには少し面倒にも思えますが、あらかじめあさりはさっと煮るだけにしておき、炊き上がり直前に入れて温める程度にしておきます。こうするとあさりには味がしっかりついているのに、ふっくらやわらかに仕上がります。
殻付きのままだと食べにくいし、一緒に入れて炊いてしまうとあさりから完全にダシが出てしまい、縮んでしまいます。ぜひこの方法で試してみてください。料亭の味に近づけるかもしれませんよ。
有機エキストラバージンオリーブオイル ルイーザ(LUISA)
有機栽培オリーブ果実100%のエキストラバージンオリーブオイル
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。