目次
先日、東京から1時間弱のかなり大きな地方都市にある実家に行ってきた。実家は古い一戸建てで、柿やマキ、ツゲなど昔ながらの木々がそこそこ茂っている。今どきの横文字名前の洋木など1本もないのだ。先日、山椒の木に珍しく実がついているのを発見し、そろそろ採りに行かないとな、思っていた矢先だった。
一人で住む母から「なんか変な生き物が玄関に座ってるんだけど」と何やら緊迫した電話が。
実は実家は歩いても15分程度のところにある。しょっちゅう行き来しているのだが、いつになく不思議な電話の内容なので、アシストサイクルの充電池のパワーも借りながら、かっとばして駆け付けた。
門を開けるといきなり、玄関の前にボロボロの何かが座っている。近づくとトコトコと歩き出して、生垣の間から外へと出て行った。あれってもしかして…と思ったが、まさかねぇと、すぐ後を追いかけて撮った写真がこれ。
おいっ!これタヌキじゃないの?? 犬じゃないよね? タヌキだよね?
これには驚いた。毛はボロボロだけれど、どう見てもタヌキだ。ここは人口60万人以上をかかえる大都市の、駅から徒歩8分の住宅密集地ですよ。おかしいでしょう、どう考えても。どこから来たんだろうと不思議に思っていたら、目の前からふっと消えていった。私は化かされたのだろうか。
なんだか狐ならぬタヌキにつままれた気分だったが、気を取り直して山椒の実を収穫することにした。実はちょうどいい感じの熟れ具合。あまりないけれど集めると100gぐらいはあった。
日本の山椒の実は中国の「花椒」と違って、辛味は少なく香りが高い。青いうちは柔らかくプチッとした食感で、ちりめん山椒などに入っていることでも有名だ。ただ、山菜の一種だからアクがあるので、下処理が必要なのが少々面倒。でも美味しいものを食べたければ労力は惜しんではいけない。
これを佃煮風に煮て、オリーブオイルに漬けることにしよう。
オイル漬けを作るには、実に濃いめの味をつけるのがコツ。佃煮風に煮てからオイルに漬けると美味。
【材料】
【つくり方】
1. 山椒の実の下処理をする。実を房ごと洗ったら1分程度茹で、ザルにあげて冷ましてから房をはずし、水に1時間程度浸けておく。これでアクが抜けるので、ザルにあげて水を切る。
2.火にかけた鍋に日本酒とみりんを入れ、沸騰したら醤油を入れて、1を入れて煮る。
3.煮汁が少し残った状態まで煮て火を止めて冷ましておく。
4.保存用のガラスびんなどに、冷めた3と残った煮汁を残さず入れ、そこにエキストラバージンオリーブオイルをたっぷり注ぐ。1日程度漬けたらできあがり。オイルにも山椒の良い香りがつく。
オイル漬けの山椒の実には佃煮風に味がついているので、オイルごとすくってアツアツごはんにのせてかっこむ。実のぷちっとはじける感じとさわやかな香りと刺激がたまらない。
ひらめのカルパッチョにも絶品。ケッパーのように見えるが、さにあらず。漬けたオイルと一緒にたっぷりかけて、実を刺身にくるんでいただくと10人前はいけるかも。
このほか、ポン酢と組み合わせてドレッシングにしても美味。
生の山椒の実は6月だけ出回る貴重品。スーパーでも見かけるのはこの時期だけだ。この時期を過ぎると固くなって、七味唐辛子やうなぎにかけたりする粉として使われることになる。せっかくなのでオイルにこの青い山椒の実のおいしさを封じ込めて、料理に何かピリッとさせたいなと思った時に使ってほしい。
それにしてもあのタヌキ、どこから来てどこに去って行ったのだろう…
有機エキストラバージンオリーブオイル ルイーザ(LUISA)
有機栽培オリーブ果実100%のエキストラバージンオリーブオイル
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。