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本来のオリーブオイルを使ったレシピからはだいぶかけ離れてしまっているのは自覚しているのだが、この1ヵ月の我が家の近くの土手に生えていたセイヨウカラシナの採集から粒マスタード自作に至る過程を紹介したいと思う。
最終的には自作粒マスタードとオリーブオイルで絶品のドレッシングとペーストができた、というオチなのでご安心を。
セイヨウカラシナなんて生えてるわけないじゃん、という方が大部分だと思うが、ネットショップで”マスタードの種”を購入すれば同様においしいものができるので、どうか最後までお読みいただきたい。
粒マスタードとオリーブオイルはとても相性がよく、ドレッシングやペーストにすると料理を一層おいしくするスパイスになるのだ。
セイヨウカラシナはヨーロッパ原産のアブラナの仲間の野草で、関東以西、特に関西地方の河川敷などで大繁殖しているのがよく見られる、意外に身近な植物だ。これが実はとてもおいしく、春は花芽(菜の花にそっくり)と茎をおひたしや漬物にするとこれが野草か?と思えるほど絶品なのだ。
柔らかい部分だけ折り取って軽くゆで、マヨネーズとオリーブオイル、醤油を入れたソースをかけると、食感はアスパラガスをもっとしゃきっとさせた感じで、クセのない甘味がこたえられないおいしさだ。
このセイヨウカラシナ、名前の通りで種は辛子の原料になる。最近その存在を忘れていたのだが、春先に採集した場所を通りかかると、種をいっぱいつけているカラシナを発見!
これは見逃せないと、さっそく種が落ちないように、そっと根元から切って採集。
欲張って特大のポリ袋に入れてたくさん採集したものの、種だけをどう取り出すかで悩んだ。
種の入った房を一つずつ手でしごくのでは気が遠くなってしまう。あー、めんどくさいと1週間ポリ袋のまま放り出しておいた。すると、なんと勝手に種がはじけて袋の下にたまっているではないか!
こうなったらあとはゴミを取り除くだけなので、手で取り除けるゴミは取る。口で吹いて、風でゴミを飛ばしたりしていたのだが、夢中でやっていたらクラクラしたので、その作戦はやめ、水に入れて、浮いてきたゴミを洗い流すと、きれいな赤茶色の小さな種が残った。
これをザルに移して水を切れば、セイヨウカラシナの種、粒マスタードの材料のできあがりだ。
粒マスタードがどうやってできているか、知っている方は少ないと思う。実は粒マスタードは酢漬けの漬物なのだ。
粒マスタードに使う種は、ネットで”マスタードシード”と検索すればいくらでも通販で買えるので、自作してみよう! と思う方に向けて、ここからは粒マスタードの作り方をご紹介。
1. マスタードの種を洗い、ザルで水を切って乾かしてからガラスビンに入れる。
2. 1に塩、種が下1/2ぐらいなるまで酢を注いで2週間程度漬け込む。最初は酢が多いが、漬け込んでいるうちに種が酢を吸って種と酢が同量ぐらいになる。
3. 2週間ぐらい経ったら、すり鉢に種を漬け酢ごとすくい、すりこぎで好みの程度まですりつぶしてできあがり。家にすり鉢もすりこぎもない、という方はミルサーかフードプロセッサーで代用できる。
私も粒マスタードは買うものだと思っていたのだが、自作がこんなにおいしくできるとは思っていなかった。
マスタードの香りが非常に高く、辛味はそれほど強烈ではないが、味に深みがある。使った酢は自作の柿酢なのだが、その味もあるのか、とにかくおいしい。
合わせる酢にもこだわると、お好みの粒マスタードができるだろう。
おいしい粒マスタードができたので、これを使ったレシピをご紹介。
作り方は全部混ぜるだけ。
真ダコのスライス、さらした玉ネギにかければ絶品のドレッシングに。
粒マスタードとオリーブオイルを1:1で混ぜ、ペーストにするとサンドイッチのパンに塗っても、ソーセージにつけてもイケる。
野草というと、アクが強かったり、固かったり、妙に青臭かったりで良いイメージはあまりない。
しかし、セイヨウカラシナに限っては春はおひたし、漬物、夏は粒マスタードと、葉や茎、さらには種までおいしいという、市場に出回っている野菜にはない、とてつもないポテンシャルを感じさせるのだ。
採集した種は、全部を粒マスタードにせずに取ってある。秋になったら種をまいて、来春には好きなだけセイヨウカラシナを食べようと思っている。あぁ、楽しみだなぁ。
来年の話にはなるが、河川敷が近くにある方は、菜の花のような花が咲いているのを見かけたら、ぜひ採集してみてほしい。おいしいセイヨウカラシナかもしれないのだ。
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ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。