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塩麴と言えば、一時は発酵食品の花形のようにもてはやされて、スーパーでも買い物客の目線が集まるベストポジションに陳列されていたものです。メディアでも頻繁に取り上げられて、やれ美容に良いだの、腸活にベストだのと、まさに時代の寵児でした。
でもブームとはむなしいもの。哀しいかな、塩麴くんは今では雑多な加工食品売り場の棚で、酒粕のとなりに申し訳なさそうに置かれて、目に留めてくれる人を毎日うらめしそうに待つ日々を送っているように思えてなりません。
おそらく、塩麴を使って肉を漬けてみる、漬物を作ってみると確かにおいしいけれど、塩麴自体に何かの工夫をくわえることをしなければ、いくらおいしくても飽きる、そんなところではないでしょうか。
しかし、そんなことでせっかく注目が集まった発酵食品の灯を絶やしてはいけない。そこで塩麴に再び光を当てるべく、自称”発酵食品伝道師”の私は立ち上がるのです。
塩麴は、実は何かと混ぜて寝かせるとまた別のおいしさが引き出されます。
今回は、にんにくと玉ネギ、エキストラバージンオリーブオイルと組み合わせて、肉によく合うソースを作ります。使うオイルはスペイン・アンダルシア産の”オリーブクエスト ディスカバリー11“。華やかで複雑な香り立ちと、心地よい苦み辛みが見事に調和し、しかも後味の良さが特徴だそう。
これなら強いうま味を持つ”にんたま塩麴”を、より一層おいしくしてくれるに違いありません。
【材料】
【作り方】
1.にんにくと玉ネギをみじん切りにする。
2.フライパンを熱し、分量外のオリーブオイル大さじ1を入れて弱火にし、にんにくの香りが立つまで炒める。
3.2に玉ネギを入れて、きつね色になるまで中火で炒める。
4.3を火からおろして冷めるまで置き、冷めたら保存容器に入れて塩麴を加えてよく混ぜ、1日程度冷蔵庫で寝かせる。
5.4にオリーブオイルを注いでできあがり。
このにんたま塩麴ソース、なんというおいしさでしょうか。
鶏もも肉のソテーなぞ、このソースをかけて胡椒をふるぐらいでもう他の味付けは一切不要です。にんにくの香り、口に入れて噛んだ時の塩麴と玉ネギの甘味、オイルのキレのある苦味と辛味。すべてがガチっとかみ合っています。安い輸入牛肉だって、ステーキハウスの味に近づけるかもしれません。
また肉だけでなく、ごはんと炒めれば激ウマのガーリックライスにもなります。
ガーリックライスは、熱したフライパンににんたま塩麴ソースを大さじ2程度入れます。するとすぐオイルがにじみ出てくるので、そこにごはんを入れてさっと炒めるだけ。油をひいて、みじん切りにしたにんにくを炒めてから調味料を加えて…という手間が一切不要。びっくりするほど味が決まります。
麹は最近、ヨーロッパで “KOJI” と呼ばれ、そのおいしさから新たな調味料として認知されてきているとも聞きます。
日本酒や味噌もそうですが、日本発の発酵食品が世界の料理を席巻する時代がやってきた!と自称”発酵食品伝道師”は喜ばしい限りだなと思いつつ、にんたま塩麴ソースに舌鼓を打つわけです。
オリーブクエスト
世界で最も信頼のおけるオリーブオイルガイドブック「フロス・オレイ」品質評価メンバーが、世界各地の類稀なオリーブオイルを紹介
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。