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魚市場に行くのが趣味の一つになっている。なじみの店では「姐さん」と呼ばれるほどだ。ある日店を覗くと、小鯛がお手軽値段で売られているではないか。お兄さんは「これは『留め』だから安いよ!」という。
『留め』とは、昨日入荷したもので売れ残ったため、今日まで持ち越しになっているものを指すのだ。とはいってもさすが魚市場、スーパーの鮮度には比べ物にならないぐらいではある。が、小さめでもあるし、刺身はやめて塩焼きかな、と思いつつ購入。さて、何にするか・・・
鯛めしを炊く際に問題となるのが生臭さ。炊き立てはそうでもないが、時間が経つとどんなに下ごしらえをきちんとしていても、やはり少し気になる。そこで臭み消しと味アップにオリーブオイルの投入を考えた。鯛の上品な旨味は、そんじょそこらのオリーブオイルでは逆に損なわれてしまうので、ここはぜひエキストラバージンオリーブオイルを用意したい。
勝負は鯛の下ごしらえといっても過言ではない。もし自信がなければ店でさばいてもらおう。内臓とえら、鱗をとってもらえばOK。自分でさばくなら、顔の周りの細かい鱗を丁寧に取ることと、内臓とえらを取った後は塩水でよく洗うことがポイントだ。
【材料】2人前ぐらい
【作り方】
1.塩水でよく洗った小鯛は胴体に包丁で十字の切れ目を入れる。米は研いだらザルにあげて30分以上置いておく。
2.土鍋や炊飯器に①の米を入れ、普通に炊く量の水、塩、日本酒、しょうがの絞り汁、オリーブオイルを入れてよくかき混ぜる。
3.2の上に出汁昆布を置いて鯛をのせて炊き始める。
4.炊きあがったら、丁寧に骨を取りながら鯛の身をほぐして、ご飯とへらで切るように混ぜる。鯛の脂とオリーブオイルの相乗効果でツヤツヤのごはんになる。
5.青紫蘇やみょうがなどの香味野菜を千切りにして上にのせて出来上がり。
土鍋で炊くとこんなおいしそうなおこげもできる。
炊きあがりで取り出した鯛の骨や頭はまだ旨味成分が残っているので、これで出汁を取って醤油、酒を入れて薄味をつけ、錦糸卵、海苔やゴマなどをのせた鯛茶漬けもイケる。
以前、五目炊き込みご飯の具材を炒めるときにオリーブオイルを使ったものを紹介したが、炊き込みご飯とオリーブオイルの相性は抜群だ。しかも、鯛めしの弱点である生臭さも感じられなくなるから不思議だ。炊きあがったご飯はツヤツヤパラパラ、粒立ちもよい感じ。もはや炊き込みご飯にオリーブオイルを入れずにはいられないほどだ。これはぜひ試していただきたい。
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。