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フランスの人々が普段たべているお料理ってどんな味がするのだろう?
私たちと同じようなフランスの皆さんが利用していそうなお店で、朝昼晩とたくさんお食事をするこの企画。前編ではパリとルマンの街で3件のレストランと1件のテイクアウトをレポートいたしました。
後編は、美食で有名なリヨン編です。それではご覧ください。
お店:Le Laurencin(リヨン)
食べたもの:
ランチセット €15(リヨン風サラダ、ソシソンショー(ソーセージの茹でたもの)、チーズのアイスクリーム)
グラスワイン(白) €5.5
今回の旅で一番、期待をしていた街がリヨン。なんといってもフランスの中でも「美食の街」といわれており、食に対する世界でも評価はとても高いところです。
リヨンでは「ブション」と呼ばれる郷土料理が食べることができるお店がたくさんあります。事前に調べた中でも、「認定マーク」(リヨン商工会議所が伝統的な本物のブション料理を提供しているブションにだけ贈られるマーク)を取得しているお店に訪れてみました。リヨンの町に9店舗しかなく、人気店なのかレストランに入るのに15分ほど待ちました。
フランスの物価は食べるものが結構高めで、日本と比較すると大体1.5倍強くらいのイメージ。世界中にあるマクドナルドの料金もおよそそんな感じです。したがってランチを食べようと思っても平均15€~20€。朝ごはんでも12€くらいかかるお店が多いです。リヨンではいくつかのレストランをのぞき見してきましたが、17€~22€するところが多かったです。実際に入ってみた「Le Laurencin」はお昼のセットメニューが15€で比較的安いほうでした。
いただいたランチですが、前菜にはリヨン風サラダをチョイス。他のレストランのメニューもWEBサイトと合わせて調べてみましたが、どこへいってもリヨン風サラダがあったので、どんなものなのか試してみたかったからです。
料理が来てみるとびっくり。今まで見たことのない量のベーコンがサラダにのっています。調べてみると、ポーチドエッグがのっているのが主流みたいですね。半熟のたまごをしっかり混ぜていただきました。これがドレッシングとしてかかっているマヨネーズとマッチして美味しかったです。ベーコンが多いので、少し塩っ気が多かったですが、メインくらいの量があるので前菜だけでお腹いっぱいになりました。
メインに選んだのはソシソンショーを呼ばれるリヨンの名物料理。
茹でて厚めにスライスしたソーセージにソースをかけ、じゃがいもなどの野菜を添えた料理です。メイン料理や前菜として提供されることがあります。
早速いただきます!ん?何か違う、、、想像していたソーセージではない。
口に入れた瞬間、ソーセージにはあまり感じたことがないようケモノ臭さが口の中に広がりました。ソース自体は少し甘め。ここにもケモノ臭いソーセージの味が移っているのか、とにかく癖が強く、ジビエ料理などでも苦手なお店が多い私はそれ以上食べることができず、ワインで流し込んでしまいました。
どうにもこれ以上手を付けることができず、付け合わせのじゃがいもだけ完食して、仕方なしにお会計を済ませてしまいました。しかし、あまりに多く食事を残した私を見かねて店員さんが話しかけてくれました。めずらしく英語を流暢に話すフランス人の店員さんだったのでそこにもびっくり。
「頼んだお食事、もしかして間違っていましたか?大丈夫でしたか?」
いえ、合ってます。まぎれもなく私はソシソンショーを頼みました。しかし、口に合わなかったとは言えず「前菜でお腹がいっぱいになってしまいました。」とニッコリ返しました。実は、このあとチーズ味のアイスクリームが待っていたようですがその情報をレジの前で聞いたのでそれだけ食べに席に戻るわけにもいかず、そのまま店あとにしてしまいました。
残念。
お店:Terre adélice(フランス リヨン)
食べたもの:
ジェラード(ストロベリー、胡椒?) €5
この日は晩ごはんにありつけず、お昼に食べ損ねたジェラートを食べておしまい。
この時期のフランスは平均気温が4度と、日本よりも寒い日が多いです。しかし私が訪れた冬の日は、日中はとても温かく極端かもしれませんが半袖の方もいました。そんな日は、冬でもアイスクリーム食べたくなり、特にお昼のリベンジもあってジェラートを食べにお店探し。リヨンの旧市街では有名なジェラート屋さん「Terre adélice」を見つけることができました。人気の秘密は、無添加の果物を使ったフレーバーが充実しているから。
しかし、充実したフレーバーのせいで、食べたいものをお願いするのも一苦労。フランスって、英語が通じないのか、わからないふりをしているのか謎ですが、案の定このお店も店員さんが全く英語が通じず四苦八苦。
40種類以上の色とりどりのフレーバーがあり何にするか迷ったのですが一番好きなストロベリーを注文しようと、いくつかそれっぽいものから運に任せて頼んでみました。ラッキーなことに味は間違いなく「ストロベリー」だったので一安心。よくあるイタリアンジェラートのお店のように濃厚な味わいでとても満足。
しかし問題はもうひとつの味。
バニラを狙い撃ちして、白めのフレーバーを指さしてみました。しかし、これが大失敗。未だに何だったのかわからないのですが、食べた瞬間、胡椒のような刺激が強く辛味がある味が口の中に広がってびっくり!
こんな味がするジェラートって需要があるのか不思議。
よく考えてみれば、私がバニラと間違えて選んだフレーバーは、容器にたくさん残ったまま。この味ではフランスでも人気がないのかも。美味しい味を楽しみたいなら、たくさん減っている味を選ぶのがコツかもしれません。
お店:CORDIAL CAFE(パリ)
食べたもの:
トマトとモッツァレラのカプレーゼ € 5.5
クアトロフォルマッジ €12.99
チョリソーのクレープ €10
カフェクリーム €5.5
イングリッシュティー €4.9
合計 €42.89
この日は朝からパリに戻ってお友だちと合流。ホテルの近くで朝昼兼用のランチをしました。教えてもらったここのイタリアンは、夜になるとたくさんの人で賑わっているようです。お昼の時間は空いていたので、早速こちらで食事をとることにしました。
まず、私が頼んだのはトマトと水牛モッツァレラチーズのカプレーゼ。
ブッファラと呼ばれる水牛のモッツァレラは、ふわふわしてトマトとの相性抜群。トマトは日本の完熟トマトとはちょっと違ってやや硬めでしたが、安心できる味に納得。
オリーブオイルもかけてみたかったので店員さんにお願いしてオリーブオイルをもらいました。オリーブノート編集部としてはイタリアンにはオリーブオイルをかけたくなっちゃいますよね。あまり癖のないオリーブオイルで、日本でいうとBOSCOのようにあっさりとした口当たり。既にドレッシングがかかったカプレーゼにはこっちのほうが合うのかな?
次にチョリソーのクレープを頼みました。リヨンのソーセージ事件からリベンジということで挑戦してみましたが、特有のケモノ臭さがあってショック!フランスのソーセージってみんなこんな感じなのかな?一緒にいた友人も一口食べてNG、ほんとごめんなさい。
最後はピザ。チーズが大好きなのでクアトロフォルマッジを注文。チーズをこんがり焦がして香ばしい匂いが食欲をそそります。ここでちょっと気になったのは、ブルーチーズではなく、なにかちょっと別物?日本で良く頂くクアトロフォルマッジの香りとは違うもののように感じました。加えてハチミツの付け合わせがなくちょっと残念。直径30センチを超えそうな大きなピザは女子二人には十分すぎるボリュームでした。
お店:CAFE LES OISEAUX(パリ)
食べたもの:
アボカドとハムのサラダ €14.5
オムレツ €10.5
エスカルゴのオーブン焼き €9.8
グラスワイン(白) €5.3
ソフトドリンク €5.2
合計 €45.3
パリの最後の食事はこちら。まずはサラダ。アボカドとハムが載った定番のサラダです。少し野菜がパサパサしていたのが残念。トマトやニンジンも入っていましたがフレッシュ感がなくてなにか物足りませんでした。
サイゼリアのお陰で日本でも有名になったエスカルゴのオーブン焼き。バターとガーリックの香りが味を効かしていて合格。大ぶりの殻にはいったエスカルゴですが、中身はサイゼリアと同じくらいのサイズ感。もう少し味が濃いと更にワインが進んだかもしれませんね。
フランスに来て少しびっくりしたのは多くのレストランのメニューにお昼も夜もオムレツが並んでいること。このレストランでもメイン料理がオムレツとメニューに書いてあったのでこちらを注文しました。
中を開くと、あつ~いとろっとした卵ときのこが出てきてとっても美味しい。細かく刻んだハムも入っていて食べ応えがありました。
そういえば、ちょっとお塩がほしくなったので気が付いたのですが、これまで行ったレストランは、テーブル調味料がおいてあるお店はほとんどありませんでした。日本のレストランと違い、朝昼晩とそれぞれ営業しているお店が多いので、基本的なテーブル調味料が置きにくいのかな?
お店:COTE PETIT DEJEUNER(パリ)
食べたもの:
ブレックファーストセット €12.9(オムレツ、チョコデニッシュ、バター付きのパン、フレッシュオレンジジュース、カフェラテ)
最後の朝は早起きしてホテル近くのカフェへ。お店で朝ごはんを食べるとどこへいってもフレッシュなオレンジジュースが出てくるのですね。今回のオムレツは朝ご飯らしくシンプルにバターで味付けをした卵にベーコンがのっています。味は、可もなく不可もなくですが例えていうのであれば、出張先のビジネスホテルの朝ごはんビュッフェで食べるオムレツのような感じです。パリで朝ごはんを食べているというところが最大の味付けでしょうか。一緒にたべたのがチョコデニッシュ。日本にいるとパンをあんまり食べるないのですがフランスへ滞在している間は毎日食べていましたね。
短い期間のフランスへの滞在でしたが、お財布の範囲で色んなレストランで回ることができました。次にフランスに行く機会があれば、今度こそ星が付いたミシュランのお店を訪れたいと強く思います。
振り返ってみれば、一番おいしかったものは何かといえばフレッシュオレンジジュースでしたね。たまたま入ったスーパーではフレッシュオレンジの自動絞り機を発見しました。
33cl(330ml)で€1.59だったので私も挑戦!
この旅一番のおいしさでした。
あっという間のフランス滞在でしたが、あちらこちらのレストランでごはんをいっぱい食べ残してしまい、心残りというかすこし申し訳ない気持ちになってしまいました。
リヨン伝統料理のブション、ソシヨンショーは口に入れるのも大変な感じだったですが、冷静に考えればそれはこの国の人々のソウルフードの味なのだろうなと感じました。もちろん日本国内でも土地が変われば、苦手な味が沢山あるように、フランスの人々が日本に来たら、私たちがおいしいと思って食べているものも、顔をしかめたくなるような味は沢山あるのでしょう。この旅では本来そういう味を体験することに意味があったはず。ただ、その覚悟というか、考えがフランスにいたときはもっと緩くて、自分の口に合う美味しいものを食べたい気持ちばかりだったのです。せっかく取材にいかせてもらったのに、編集長ごめんなさい。
その土地の最高級のレストランやミシュランの星付きではなく、街で生活する人々が普通に毎日利用するお店、フランスに限らず、日本でもどこでもそういったお店で、まだ体験したことのない味にあらためて出会いたい!ごはんを通じてその街の文化に触れてみたい!そうして、私自身の美味しいの基準を深めていきたいのです。
日本に帰り、記事を書きながらこういった思いに至り、今やっと「ソシヨンショー」の味の意味に気が付くことができました。ごちそうさまでした。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。