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2020年7月14日

箱ワインの注ぎ口をヨーロッパ建築風に大変身/妄想キッチン

食まわり、キッチンまわりのグッズを企画し、なんとしても商品化を達成するコーナー!

今回は、最近気になっている「あの箱」をカスタマイズします。

おこもり生活の影響で、最近「箱ワイン」(ボックスワイン)を常備することを覚えました。家で毎日飲む分には十分なお味ですし、何より安い!そして大容量(3リットルなど)なので、買い足しの手間が省けます。

この記事にかこつけて、現在うちに3箱も設置。生活が豊かになったぞ!

箱ワイン(ボックスワイン)

何も知らずに箱ワインで検索してみると、おこもり生活とは関係なく、海外でも箱ワインの人気は高まっているとか。そして高級箱ワイン、オーガニック箱ワインなどバリエーションも広がっているようですね。

そこで!いつもの安い箱ワインをグレードアップするため、あの「注ぎ口」をカスタマイズしてみようと思ったのです。壁から液体が噴き出す…といえばあのお方、「ガーゴイル」さんに登場してもらいましょう。

軽やかワインを見た目だけでも重厚に!

ガーゴイルとは、西洋ゴシック建築などに多く見られる「怪物状の雨どい」のこと。大聖堂の高井場所に鎮座していたり壁からニュッと突き出ていたりします。

ガーゴイル

画像:Notre_dame-paris-view
(注:Michael Reeve – Original photograph by Michael Reeve. Originally from en.wikipedia; description page is/was here, CC 表示-継承 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=15823による)

ただ座っているだけでなく、口から雨水をドバドバ吐き出している。まさに今回の主旨にキミはピッタリだ。

これを、箱ワインになんとかマッチングさせたいと思うのです。

でもまずは1つ問題が。箱ワインの注ぎ口って、大きくわけて2種お目にかかったことがあるのですが、こんな感じになってます。

箱ワイン(ボックスワイン)

左はツマミをひねる方式、右は真ん中を押さえつつ両脇の羽を下から押し上げる方式ですが、ひねるほうはここにカブリモノを施すにはちょっと難しそうかなと。右ならまだなんとかなりそう。だいいち「羽」が、ガーゴイルの羽をほうふつとさせます。

箱ワイン(ボックスワイン)

やるならこっちだな!
というわけでさっそくラフを描いて、資料を揃えて準備。

ヨーロッパ建築風ワインの注ぎ口を、早速工作開始!

羽型注ぎ口に、鬼のような怪物の絵を当てはめてみることにしました(後で思いっきり路線変更します、お楽しみに)。

まずは羽と手を石粉粘土で作ります。中世の彫刻家気分で。

パーツごとに分けて作って、後で組み合わせて注ぎ口に貼る算段。「ガーゴイル注ぎ口3点セット」になります。

頭の部分は、仮面のように前面から貼る方式で。まずは粘土を薄く盛って、曲面のアタリをつけます。

ラフと程遠い仮面が完成!…というのも、試行錯誤の結果「ガーゴイルがワインを吐き出す」ように見せるには、鼻先が長い、鳥のような顔が合っていると考え直しまして。

「怪物」ってことなので、そこは自由にさせてもらおう。

石像らしく塗っていきます。ドライブラシで石造り風に。

そして仕上げにツヤ消しニスを塗って、モノは完成しました。あとは注ぎ口にうまく合えばいいのですが…

箱ワイン壁面で血を吐く怪物ガーゴイルは実在した!

箱ワインの側面にパーツを貼り付けて完成、なわけですが、よくよく考えたら箱ワインの側面って一面に商品説明とか概要などが無味乾燥に印刷されているので(そこが、この企画を考えついた理由でもありますが)、彫刻と合わないことはなはだしい。

なので、ここも「それらしく」壁紙を貼ることにします。そしてできあがったのがこちら!

出来上がった注ぎ口を並べてみた

明らかに異様な箱が出現した!注意深く接近してみよう。

謎の石像が、壁面から顔を覗かせている!これは何だ!

注ぎ口の構造に一切干渉してない親切な設計が伺える!中世の人々の知恵だろうか。

怪物の口から、何か液体が注がれるような形状をしている!ここは何か邪悪な儀式の舞台なのだろうか!

ここで取材班(誰だ)の一人が、おもむろにワイングラスを差し出した!大丈夫なのか?何か間違いがあったとしても、命の保証はないのだ。

これはどうだ!少し見えにくいが怪物の頭を押さえつつ、羽部分を押し上げることにより、謎の赤い液体が怪物の口から溢れ出た!血を吐くガーゴイルは、実在したのだ!

その正体は、いつものワインがいっそう美味しくなる注ぎ口であった!
…もう「水曜スペシャル」口調は十分ですかね。

まとめ

このように、最初とてもカスタマイズできるかわからなかった箱ワインですが、なんとか「ガーゴイル」さんをなじませることができたのではないでしょうか。

注ぐ時にけっこう指で隠れてしまうので、割と出オチ感はありますが、インテリアとして置いておくにはいいかもしれません。3リットル980円とかのワインも、数十年モノのワインの味になるとかならないとか…


乙幡啓子

乙幡啓子

1970 年群馬生まれ・東京在住。「デイリーポータルZ」「フィギュア王」等の媒体で工作記事などを連載するほか、モノ作りイベントやワークショップ、講演などでも活動。
著書に「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」「笑う、消しゴムはんこ。」。 また妄想工作所名義で「ほっケース」「スペース・バッグ」「ケルベコス」などの雑貨製作・企画も行う。
乙幡啓子オフィシャルサイト 妄想工作所

企画:オリーブノート編集部
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