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12月ももうすぐ。今年はとんでもないことが起こって、それぞれができる範囲で目の前の危険と闘ってきたらもう年末、という感じです。今年は恒例のみんなでワイワイの忘年会もできないので、思いっきり“家のみ”、“巣ごもり忘年会”を多数開催するしかないようです。
しかし、いくら巣ごもりだ、家のみだといっても、年末年始は飲み食いで何かと物入りなもの。外食なら高いけど、家食なら安いじゃん、といつもなら買わない高級なサーロインステーキ肉を買ってみたり、マグロのトロを買ってみたりで、いくら年末年始だからといってちょっとぜいたくしすぎだなと反省しています。
そこで、いったんここでいったんリセットです。もともとは200円で買ったマグロのアラをトロ化してみたり、100g38円の鶏レバーをおしゃれなおつまみにした私です。いかに安くおいしく料理を作るか工夫するのが楽しいのですから、初心に戻ることにしましょう。
以前もアラの魅力について書いたことがありますが、とにかく魚のアラは破格に安くておいしいです。特にカマの部分や腹骨のあたりなんか、もう脂のノリが最高です。魚は骨が嫌でねぇ、とか目玉が怖い!などと言う人はこの魅惑的なアラの世界に足を踏み入れることはできません。アラはさばくのが大変なんじゃ?と思うかもしれませんが、最近のアラはちゃんと料理しやすく下処理されているのでご安心ください。骨や目玉なんてなんぼのもんじゃい!と気にしなければ、アラの世界に一歩踏み込むことは難しくないのです。
アラ料理と言えば、私はまず煮物が浮かびます。ならばこれから冬、何を置いてもブリ大根です。ブリは冬に向かってどんどん脂がのり、寒ブリで最高潮を迎えます。また大根もこれからがキメが細かくなって甘みが増す季節。この組み合わせでいきましょう。
早速スーパーに行ってブリのアラを調達に。おおっ!なんと298円でブリのカマと腹骨のところ(肉で言うとバラかな)、背骨に近い部分が調達できました。
ちなみに、ブリは上から見て背中側が深緑色で、腹側にかけてグラデーションのようになって腹の真下は真っ白です。おそらくですが、ブリを上から見ると緑色で海の色に混ざって見分けにくく、また下から見ると真っ白で、海面の光に紛れるからこういう保護色をしているのではないかなと思っています。この色は脂ののりを判断する目安にもなります。魚は腹に最も脂がのるので、ブリの皮つきの切り身を買う時には、より白い皮をしている方が脂がのっている、ということになります。だから脂がのっているのが好きなら白い皮の切り身を買うとよいです。
余談はさておき、調達したブリでさっそくブリ大根を作ります。といっても、いつものブリ大根ではつまらないので、オリーブオイルでひと味加えます。大根をオリーブオイルで炒めてコクを出してから煮ることにしましょう。こうすると煮崩れもしにくく、甘みも増します。アラは骨があってめんどくさい!のであれば、切り身でももちろんOKです。
1. ブリはアラなら一度さっと湯通しする。アラには皮に細かいウロコがついている場合があるので、水に入れて皮を指で触ってウロコを取る。取ったら一口大に切る。切り身の場合はすでにウロコが取られて販売されていることが多いので、皮を触ってツルツルしていれば、切るだけでよい。
2. 大根を5cmぐらいの輪切りにしてから厚めに皮をむく。この皮は捨てずに取っておく。皮をむいたら一口大に切る。
3. しょうがを半分にして、片方は皮をむかずに輪切りに、もう片方は皮をむいて千切りにしておく。
4. 鍋を火にかけ、熱くなったらオリーブオイル大さじ1を入れて大根を炒める。半透明になって少し焼き目がつくまで炒める。
5. 4に3のブリと3の輪切りにしたしょうがを入れ、水、日本酒、砂糖、みりんを入れてからアルミホイルで落し蓋をして中火にして煮始める。
6. 大根に串を刺してすっと通ったら、落し蓋を外して汁を1/3ぐらいまで煮詰める。
7. 煮詰まってきたらオリーブオイル大さじ1を回しかけてできあがり。
厚くむいた冬大根の皮は、そのまま捨てるにはもったいない。むいた皮を半分の幅に切って1日干してから適当な幅に切り、鷹の爪とポン酢で漬けると、簡単にハリハリ漬けができます。箸休めにはもってこいです。ゆずを入れると一段と風味が増します。
煮魚を作ると皮がベロンとむけてしまったり、煮崩れして汚くなるという悩みを持つ方も少なくないと思います。煮魚は長時間煮ないことと、煮ている間は絶対に箸でいじらないのがポイントです。ひっくり返そうとしてバラバラになってしまう、という経験をしたことはありませんか?魚は基本、鍋に入れたら最後まで箸でいじってはいけません。鍋をゆするとか、煮ながら煮汁をかけるなどはOKです。味がしみないのでは?と思うかもしれませんが、煮上がったら器に盛り、煮汁を煮詰めて上からかけるのが、きれいに仕上がるコツです。
今回のブリ大根という王道中の王道の和食でも、オリーブオイルはぴったり合います。ブリの脂とオイルの油は決してけんかすることなく、お互いによい部分を引き出しあって、とてもよい組み合わせだと思います。あーおいしい!
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。