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約8000年前のシリア(現在のトルコ)で誕生したオリーブオイルは、古代ギリシャでホメロスが黄金の液体と呼び、地中海を中心に、こんにちまで大切で価値の高いものとして広く使われています。
また、オリーブの葉は平和のシンボルとして国連のマークやオリンピックの葉冠にもなっており、現代も世界中の人々に認知、愛用され続けています。
そんなオリーブオイルの味や香りについて、どのようなイメージを持っているでしょうか。
世界中で愛されているだけに、オリーブの木は世界各地で1000品種以上も栽培されており、その多様性と、栽培される気候や土壌の違いによって、異なる特徴のオリーブオイルが数多く誕生しています。
オリーブオイルはワインと同じように「テロワール」といった言葉であらわされる、味を決める重要な要素があります。テロワールとはフランス語で、ブドウやオリーブが栽培される気候風土や土壌の個性、土地の特徴を示しているのです。
オリーブ栽培に適したテロワールは、大きく分けて北緯30度から45度の地中海性気候と、赤道を挟んで南緯30度から45度の間にあります。
オリーブは世界中で年間1900万トン以上、世界40か国以上で生産されています。
エクストラバージンオリーブオイルに使われるごく一部の品種と生産国、特徴について紹介いたします。
■ピクアル種
国:スペイン
味の特徴:辛みと苦みがバランスよく感じられ、青りんごのような香り
世界で最も生産されている品種
■オヒブランカ種
国:スペイン
味の特徴:まろやかな甘みがあり、新鮮な花のような香り
■アルベキーナ種
国:スペイン
味の特徴:トマトや生のアーモンドの風味
■マンザニロ種
国:スペイン
味の特徴:バナナ、トロピカルフルーツのような風味
■コラティーナ種
国:イタリア
味の特徴:苦くて辛く、力強くパンチがある
イタリアでもっとも人気のある品種の一つ
■レッチーノ種
国:イタリア
味の特徴:スパイシーで、若草の青々とした香り
トスカーナで栽培され、チリ、オーストリア、カリフォルニアでも栽培される。
トスカーナは他にも、フラントイオ種、モライオーロ種、マウリーノ種などがあり、ピリッとスパイシーで青い香りが特徴
■ノッチェラーラ:デル・べリーチェ種
国:イタリア
味の特徴:スモーキーな香り、辛みと苦みもしっかりある
シチリアの代表的なオリーブオイル
■アスコラーノ種
国:イタリア
味の特徴:熟した桃の香り
■タジャスカッシュ種
国:イタリア
味の特徴:マイルドな口当たり、甘みのある風味
■コロネイキ種
国:ギリシャ
味の特徴:お茶を感じさせる緑の風味、やわらかくまろやかな味わい
ギリシャの主力品種で、世界中でも栽培される。和食にもよく合う
■アイバルク種
国:トルコ
味の特徴:スパイシーでトスカーナのオリーブオイルを想起する
■モロッコ・ピショリーヌ種
国:モロッコ
味の特徴:桃やアプリコットの様なフルーティーでふくよかな風味
■ミッション種
国:アメリカ合衆国
味の特徴:マイルドな味わい、バターのような風味
カリフォルニアで栽培される
オリーブオイルは品種によって、味の特徴は様々です。ワインやお酒を料理に合わせたペアリングを楽しむように、食材や料理に合わせてオリーブオイルを使い分けていくと、もっと楽しく美味しくいただくことができます。
そのためにも、オリーブオイルはエキストラバージンオリーブオイルを使い、まずは生で味わってみてください。すると、辛みや苦み、甘みやフルーティーで華やかな香り、瑞々しい青い香りなど、様々な特徴を感じることができるのです。
例えば、カルパッチョなどには、スパイシーで力強いエキストラバージンオリーブオイルがよく合いますし、甘くフルーティーな香りのエキストラバージンオリーブオイルは苦みのある野菜にかけていただくと、いつも以上の野菜を美味しく感じていただけるかと思います。
このように、料理や素材を引き立てる調味料として、いろいろと試してみることをおすすめします。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。