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もう2年前になりますが、“野生種で粒マスタードを自作する”という記事を書いたことがあります。その時は、セイヨウカラシナの種を使って粒マスタードを作る内容でした。
セイヨウカラシナって何?について詳しくはこのリンク記事を読んでいただければわかるのですが、ヨーロッパ原産のアブラナの仲間の野草で、関東以西、特に関西地方の河川敷などで大繁殖しているのがよく見られる、ちょっと気をつけていれば割とどこにでもある野草です。
たとえばこの写真は東京の二子玉川ですが、3~4月ぐらいになるとこんな感じで一斉に黄色い花が咲きます。これすべてセイヨウカラシナといっても良いぐらいです。
今は2月なのでまだ花は咲いていません。葉物野菜はみなそうですが、花が咲くと“トウが立つ”といって、葉も茎も硬くなって食べられなくなります。花が咲く前は葉っぱと茎が柔らかいので、今が採集のチャンスです。
味はどうかというと、セイヨウカラシナというぐらいですから、カラシナの仲間なのはもちろんで、その名の通りピリッと辛いマスタード成分が入っています。カラシナの親戚には、高菜漬けで有名な高菜があり、味は高菜をイメージすると近いものがあります。塩漬けにしてから細かく切ってご飯にのせると、このピリ辛成分がご飯とマッチして、まさにごはんの無限ループになるおいしさです。
買い物に行く途中に通る道に線路を越える跨線橋(こせんきょう)があり、その両脇が土手になっています。そこに毎年、セイヨウカラシナが群生します。いつも生長度合いを観察していたのですが、そろそろ良い感じになったので、採集に向かいました。といっても自転車で3分です。
まだ2月、タンポポのように葉を平たくして寒さに耐えようとしています。いかにも健気(けなげ)ですが、ここで同情は無用、じゃんじゃん採集します。
土手に生えているうちはまるで雑草ですが、持ち帰って根を切り、きれいに洗うともう、おいしそうな葉物野菜にしか見えません。もちろん鮮度は抜群です。せっかくなので鮮度が落ちないうちに料理してしまいましょう。
私はセイヨウカラシナなら塩漬けが一番簡単でおいしいと思うので、早速漬けてみましょう。その際、カラシナ類は辛みを出すために一度熱湯にくぐらせてから漬けるのがコツです。こうすると漬かるのも早くなり、色味も良く緑鮮やかに漬け上がります。また塩はカラシナを漬ける際にふりかけていきますが、塩辛くなったら水に浸けて塩分を抜けば良いので、少し多めに塩をふった方がうまく漬かります。
また、漬ける容器は漬物器でもよいですし、なければポリ袋に入れて固く口を縛り、2リットルのペットボトルをのせる、でもOKです。私は100均で買ったバケツにポリ袋を入れて漬けています。
1. 鍋に湯を沸かし、セイヨウカラシナの根元の方を入れてから葉の方を入れて湯にさっとくぐらせる。ここでゆでてしまうと柔らかくなりすぎるので、くぐらせる程度に止めるのがコツ。
2. くぐらせた葉を、これ以上柔らかくならないように水で一気に冷やす。
3. 2をぎゅっと絞って水気を切り、バケツに入れたポリ袋に平らになるように並べて入れ、塩をふる。
4. 袋の口を結び、皿などをのせてから2リットル程度のペットボトルで重石をする。これで1〜2日漬けてできあがり。食べる際には一度水に浸けてから、ぎゅっと水気を絞って細かく切る。
高菜の油炒めやチャーハンはおいしくて有名ですが、セイヨウカラシナだって負けていません。高菜はごま油で炒めますが、ここはエキストラバージンオリーブオイル“LUISA”を使って上品に味をまとめます。また、カラシナのマスタード成分は時間が経つと飛んでしまうので、辛みをつけるために鷹の爪を入れています。
1. フライパンを熱し、オリーブオイルを入れ、弱火にしてから鷹の爪を入れて1~2分置いて辛みを出す。
2. 細かく切ったカラシナの塩漬けと麺つゆを入れてさっと炒めて火を止める。白ごまを投入して混ぜる。加熱しすぎると食感が柔らかくなりすぎるのでさっと炒めて火を止めるのがコツ。
セイヨウカラシナは今はタンポポのようですが、3月になると花芽をつけようと茎が太くなって急に伸び、背がぐっと高くなります。この茎がまたおいしいのです。アスパラガスをもう少し密度を濃くしたような感じで、さっとゆでて薄く切り、マヨネーズであえると絶品です。
3月に背の高くなったセイヨウカラシナを見つけたら、折れるところでぽきっと折ると、繊維が少なく柔らかいものが採集できます。“折れるところで折る”はわらびなどの山菜や野草を採集する時のコツです。
セイヨウカラシナとよく似ていて、ほとんど同じところに繁殖しているものに、セイヨウアブラナがあります。どちらも食用なのであまり神経質になる必要はありませんが、ピリッとしたキレのある漬物が好きならセイヨウカラシナがオススメです。
見分け方は、カラシナは葉のフチがギザギザ、アブラナは葉全体が丸い感じです。また茎の根元に小さな葉が巻いてあるのがアブラナ、巻いていないのがカラシナです。どちらも帰化植物で、日本の在来種のバランスを崩すとして大繁殖が問題になっています。在来種を救うためにも採集して、おいしくいただくことで少し貢献してもよいかな、と思います。
セイヨウカラシナは野草でありながら青くささもなく、今の時期はとても柔らかいので、ゆがく際、炒める際には絶対に火を通しすぎないことがコツです。
河川敷にでかけることがあったら、ちょっと見つけてみるのも楽しいものです。おいしいし。
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