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皆さんは日頃、美容を意識してオイルを摂取していますか? 料理に必ずと言っていいほど使われる食用油。実はその種類によって期待できる効果や、効率よく摂るためのポイントも異なります。今回は特に女性に嬉しい成分が詰まった、美容にいいオイルを5つご紹介します。
「体にいい油」と言った時に、一番に思い浮かぶオイルではないでしょうか。オリーブの果実を絞り作られたオリーブオイルですが、実はその抽出方法などで細かく種類分けがされています。
中でも特に美容にいいとされているのが「エクストラバージンオリーブオイル」。果実をそのまま圧搾したもので、余計な化学処理がされていないのが特徴です。世界基準では酸価(酸化の度合い)が0.8%以下(※1)と同種の中で一番低い、つまりフレッシュな状態のもののことをいいます。
参考記事:オリーブオイルの選び方は?オイルの品質・規格と価値、背景と歴史まとめ
※1:欠陥のないエキストラバージンオリーブオイルの酸価は0.2%以下が一般的な値です。通販などの酸価を誇大に謳う商品がありますが、0.2%以下が普通のエキストラバージンオリーブオイルです。
オリーブオイルには、美容につながるとされる以下の成分が豊富です。
全体の70%以上を占めている成分で、酸化しにくくシミやシワに効果が期待できます。
また、腸を活性化する効果もありるので、便通が整えば美容成分をより効果的に吸収することもできるようになります。
これらは肌に潤いを保つ他、アンチエイジング・抗炎症にも効果が期待される成分です。
体内で生成ができない必須脂肪酸の一種。悪玉コレステロールを善玉に変え、DHAやEPAといった成分です。
オリーブオイルの主成分であるオレイン酸は、加熱しても酸化しにくく成分をほとんど損わないのが特徴。そのまま生でドレッシングとしていただくだけでなく、加熱調理でもOK!どちらでもしっかりオレイン酸を摂取することが可能です。
シソ科のえごまの種子から取れる油のこと。一見シソのように独特の風味がするのでは?と思うかもしれませんが、味は至ってマイルドで、コクがあるのが特徴です。
えごま油はその搾油の方法で味わいと栄養価が変わります。おすすめは、一番素材の成分や風味を損ないにくい「非加熱搾油(生搾り)」。
えごま油の成分のうち、特に美容に効果が期待できる成分は以下の通り。
オリーブオイルにも含まれていますが、えごま油はこのαリノレン酸が主成分。商品によっては、60%以上も含まれているものも。悪玉コレステロールに作用する他、代謝を活発にし脂肪を燃焼させる効果や、成分が体内で変化して得られるEPAやDHAには、アトピー性皮膚炎などのアレルギーを改善する効果も期待できます。
抗酸化作用があるポリフェノールの一種。摂取すると糖質の吸収を抑える効果があるとされ、ダイエットに良いとされています。
栄養満点のえごま油ですが、酸化しやすいという難点があるので、加熱せず、開封後はなるべく早く食べた方が栄養がしっかりと摂れるでしょう。また、タンパク質と一緒に食べるといいともされており、魚のカルパッチョなどに使っても相性がよいと思います。
海外のモデルや女優を中心にブームとなった、ココナッツオイル。他のオイル同様、仕様で名称が異なります。美容を意識してココナッツオイルを選ぶときは、低温で圧搾(コールドプレス)された「バージンココナッツオイル」を選びましょう。
ココナッツオイルは、含まれる成分量によって呼び名が変わることもあります。
ココナッツオイルの主成分となる脂肪酸は中鎖脂肪酸です。一般的なサラダ油の長鎖脂肪酸と比べて、効率よく分解され筋肉を燃焼するエネルギーになるのが特徴です。そのスピードは、長鎖脂肪酸の4倍以上。摂取すると腹持ちがよく、空腹感を緩和してくれます。その結果、食事を抑えながら、体脂肪を常に燃焼させてくれる役割を担い、ダイエットの成果に大きく貢献します。
ちなみに、一般的なココナッツオイルは、この中鎖脂肪酸の含有量が60〜80%ほど。量が高いほどダイエットに良いと考えられますが、これが100%配合されているものが「MCTオイル」になります。
就寝前のスプーン1杯で、朝までにしっかり体脂肪を燃焼してくれる。そんな効果が期待できます。
ココナッツオイルは、サラダ油(長鎖脂肪酸)の代わりに使うのが一番効果的。普段の調理に使う油を、ココナッツオイルに変えるのがもっとも効率的で簡単な方法です。
ただし、ココナッツオイルには「ラウリン酸」という成分も含まれています。ラウリン酸は基本的には安心な成分ですが、体質によってアレルギーが出たり、過剰に摂取するとめまいを起こす可能性も。安心して使うためには、大量摂取を避けるためにも揚げ物などには利用しない方が良いかもしれません。
編集部のおススメは、ごはんを炊くときにひと回しいれて炊くことです。
参考記事:MCTオイルをつかった秋刀魚としらすの炊き込みご飯
最近はいろんな種子から作られた油を見ることが増えましたが、「パンプキンシード」もその一つです。その名の通りかぼちゃの種から作られている油。日本ではまだ馴染みが薄いですが、ナッツのような風味と黒っぽい色が特徴です。
これから普及が期待されるパンプキンシードオイルには、以下のように女性に嬉しい成分が含まれています。
ポリフェノールの一種で、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをするため、PMS(月経前症候群)など女性特有の症状に効果が期待できます。コレステロールを下げる効果も。
どちらも抗酸化作用があるので、肌の老化を防ぐ効果が期待できます。
不足しやすいミネラルの一種。皮膚や粘膜を健やかに保つ効果があります。
パンプキンシードオイルもココナッツオイルと同様酸化しやすいので、加熱利用はNG。ドレッシングなど、そのまま食べる方法がいいでしょう。コクのある味わいなので、アイスクリームにちょっとたらして食べるのもおすすめですよ。
マカダミアナッツオイルもまだ認知度の低い油ではありますが、美容成分たっぷり。サラリとした味わいなので、生食しやすいのが特徴です。
植物性オイルなので、基本はオリーブオイルやパンプキンシードオイルと近い成分でできています。
脂肪酸の一種。人の皮脂にも含まれている成分で血管を強くする働きがあります。さらに抗酸化作用が期待できるという研究も。満腹感が高いために食欲をセーブする効果もあります。
風味がとても良いので、サラダなど生で頂くことをお勧めします。
マカダミアナッツオイルは加熱しても酸化したり成分が変化しにくいため、グリルなどにも利用できますが、栄養成分をしっかり摂取するためには、揚げ物など極端に高温になる調理法は避けたほうが良いでしょう。
オリーブオイルのオレイン酸は、老化防止以外にも悪玉コレステロールの抑制や、発煙点が高く料理が美味しく仕上がり、さらに胸焼けがする有毒ガスも発生しにくいなど、いいコトがいっぱいです。毎日使う油ですので、効果を知って上手に切り替えてみてはいかがでしょうか。
今回ご紹介したオイル以外にも、体にうれしい成分が含まれたオイルはたくさんあります。いろいろ試して、自分の体調や料理に合った油を探して使い分けてみるのも楽しいですね。
また、どの油も劣化や成分の変質を防ぐためにも、開封後は早めに食べ終えるのが理想。特にパッケージは色が入ったガラスのものなど、酸化対策がされたものを選ぶのもポイントですよ。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。