オレイン酸の効果、からだに良いのはなぜ？

オレイン酸とは

オリーブオイルの主な成分はオレイン酸です。ちょっとムズかしい話ですが、一価不飽和脂肪酸と言われる油のことで、オリーブオイルやべに花油に多く含まれています。オレイン酸の名前の由来はオリーブオイルから来ているそうなんですよ。

オリーブオイルの勉強をするとわかるのですが、オレイン酸に注目が集まった理由として、1960年代の食生活と病気・健康に関する調査が行われました。その結果、地中海沿岸地方の人々が、ヨーロッパ全体と比較して心臓疾患による死亡率が低いことが分かったのです。なぜなのでしょうか？理由として、地中海沿岸地方の人々は、オリーブオイルを沢山利用する食生活を行っていました。その結果、オリーブオイルに多く含まれるオレイン酸の研究が盛んになりました。

オレイン酸（一価不飽和脂肪酸）がからだに良い理由

オリーブオイルはオレイン酸を70%以上含んでいます。オレイン酸は、植物にたくさん含まれている不飽和脂肪酸で、オメガ９（n-9)系の脂肪酸に属している、酸化しにくい油と言われています。

多くの油は加熱などによって劣化（酸化）しやすいのですが、一価不飽和脂肪酸のオリーブオイルは酸化に強いと言われています。

そもそも不飽和脂肪酸にはコレステロールを減らす作用がありますが、酸化しやすいため、逆にコレステロールや中性脂肪を酸化させた過酸化脂質を作りやすくなり、生活習慣病の原因になります。揚げ物に何度も油を使ってドロドロになった状態を想像してください。血管の血液が中性脂肪やコレステロールによってドロドロになったら大変ですよね。

しかし、一価不飽和脂肪酸のオレイン酸は、酸化に強く、過剰なコレステロールを回収する善玉コレステロール（HDL）を減少させることなく、血液をドロドロにする悪玉コレステロール（LDL）を減少させます。したがって悪玉コレステロールが欠陥に付着するリスクを減少させ、生活習慣病を予防することが分かっています。

オレイン酸が酸化しにくい理由

血液ドロドロを予防するオレイン酸。その理由は、”酸化”の手といわれる二重結合の数にあります。二重結合が少ないほど、悪玉コレステロールを上昇させるトランス脂肪酸の発生を抑えることができます。

オレイン酸：二重結合が一つ（酸化の手が一つ）

一価不飽和脂肪酸、オメガ9（n-9）
オリーブオイルや菜種油。簡単に言うと酸素と結びつく手（二重結合）が一つ（一価）の為、酸化しにくい

リノール酸：二重結合が2つ（酸化の手が2つ）

多価不飽和脂肪酸、オメガ6（n-6)
べに花油やサラダ油などは酸素と結びつく手が2つあり、「多価」と言われる。

αリノレン酸：二重結合が3つ（酸化の手が3つ）

多価不飽和脂肪酸、オメガ3（n-3)
主体のえごま油、アマニ油など、手の数は3つで酸化しやすい

◎参考：トランス脂肪酸について
マーガリンに含まれるトランス脂肪酸の量は？スーパーの市販品を徹底調査

オレイン酸を多く含む植物油

べに花油

オレイン酸含有量：74.7～80.7％
原料：べに花の種子
原料原産国：アメリカ、メキシコ

オリーブオイル

オレイン酸含有量：59.7～80.2％
原料：オリーブの果実
原料原産国：イタリア、スペイン、チリ

なたね油

オレイン酸含有量：60.0～64.8％
原料：あぶら菜の種子
原料原産国：カナダ、オーストラリア

こめ油

オレイン酸含有量：42.0～43.8％
原料：米ぬか
原料原産国：日本、タイ、ベトナム、ブラジル

参考：日清オイリオHP