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オリーブオイルの作り方の基本は、バージンオイルの過程がそれにあたります。
収穫したオリーブの実を選別、洗浄した後、粉砕・練り込み(搾油の為に必要な工程)を行い、搾油します。
その後、ろ過する場合とノンフィルター(無濾過)のオイルに別れますが、ボトルに詰められます。
簡単に言えば、オリーブの実を搾っただけのオリーブ果汁がエキストラバージンオリーブオイルです。果実からオイルを変質させることなく、その全てを物理的かつ機械的な行程のみで作られ、科学合成は行いません。
したがって、古代ギリシャやローマ時代から基本的な製造方法は同じなのです。
IOC(国際オリーブ協会)がエキストラバージンオリーブオイルの規格を定めています。
こうして企画をクリアした酸価0.8%以下のオイルを、エキストラバージンオリーブオイルと呼びます。
エキストラバージンオリーブオイルを精製して作られます。したがって、エキストラバージンオリーブオイルの爽やかな香りや辛み・苦味などの味わいは失われ、基本的に無味無臭です。
どうしてわざわざそんなことをするのでしょうか?
理由は、バージンオリーブオイルの搾油した状態が悪かったり、酸価が高すぎたりしてそのままでは食べられないからです。
つまり、品質が悪く本来のオリーブオイルとして食用に適さないオリーブオイルをなんとか市販するために、精製してピュアオリーブオイルが作られます。
価格差が大きいのも頷けづけますね。
IOCでは、精製オリーブオイルとピュアオリーブオイルに分けて規格を定めています。
以上の作り方の違いや、ピュアオリーブオイルが生産される背景を見れば一目瞭然ですが、エキストラバージンオリーブオイルは、オリーブの果汁そのものですので、風味や味わいに加えて、オリーブの果実に含まれるポリフェノールなどの栄養が豊かです。それに対して精製されたオリーブオイルは基本的にただの植物油。風味や味はほとんど感じられず、精製の過程でオリーブが持つ様々な栄養成分も減少します。
しかし、味の違い以上に、精製行程で酸価を下げる脱酸の場合、リン酸および苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)が用いられ、脱臭行程では油を高温急加減圧の状態に置くことで、トランス脂肪酸が生成されやすいなど、問題も少なくありません。
※最近ではトランス脂肪酸が発生しにくい製法を行っているメーカーもある
したがって、どこかのメーカーのCMにあるような、オリーブオイルを焼きたてのトーストにじゅわっとかけて食べるのであれば、エキストラバージンオリーブオイルの一択です。
とはいえ、エキストラバージンオリーブオイルもピンキリ。努めて良質なエキストラバージンオリーブオイルをお探しいただくことをおすすめします。
エキストラバージンオリーブオイルは原則そのままかけて食べる、ドレッシングや加熱しない調味料として使い、ピュアオイルは、一般的な植物油としてトランス脂肪酸が少ない分だけ安心な加熱油として利用します。揚げ物は高温で使いやすいので大変美味しく仕上がります。以下の記事にオリーブオイルが健康な理由を書いていますが、
・オリーブオイルが科学的に健康によい理由をわかりやすく解説
キャノーラ油など一般的なサラダ油と言われるものよりは、脂肪酸がオレイン酸主体のオリーブオイルが健康的で安全です。
炒め物、揚げ物はピュアオイルに切り替えることをおすすめいたします。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。