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2020年4月26日

JAS基準の完全無農薬有機野菜を一から栽培。福祉事業家からの転身農家

食事がただの消費や道楽になりつつあるこの時代。そんな今だからこそ、敢えて食の安全について考え直してみませんか? 安全な食材の生産現場を取材して、直接生産者の想いを伝えるこの企画。今回は京都府綾部市で完全無農薬農業を追求する株式会社健康ファームの代表取締役、小田垣歩さんにお話をうかがいました。

福祉系の事業家からの転身

編集部:小田垣さんは以前は農業とは全く無縁の、福祉系の事業家だったと伺いました。なぜ農業に転身されたのでしょうか。

小田垣さん(以下小田垣):福祉系の仕事は、言うまでもなく心身が弱られた、高齢の方や障がいのある方々に手を差し伸べ、サポートすることが目的です。特に私は介護系でしたから、高齢の方が対象でした。長年福祉系の会社を経営していると、食生活がきちんとしていれば、もっと長い期間自立できていただろうにという方をよく目にするようになりました。栄養失調から身体を壊す方、うまく咀嚼ができないからと柔らかいものばかり口にしたために物を噛む、という脳に刺激を与えることができにくくなって認知機能が衰えてしまった方など、「食」から来る心身へ影響は想像以上のものがありました。

よく「健康寿命を延ばそう」と言われますが、私はこうした経験から、いつまでも健康にいられるようにするためには、まずは「食」、それも質の良い安心安全なものを美味しく口にするべきだと思い立ったわけです。それで「食」の要である農業をやろうと。しかも完全無農薬で美味しい野菜を作ろうと決意したわけです。

畑には無理強いしない。極力自然に

試行錯誤で七転八倒

編集部:農業初心者としてご苦労があったでしょうね。

小田垣:私は思いついたらすぐ行動に移さないと気が済まないので、決意してから農地を開墾する行動に移すのは早かったのですが、そこからが大変でした。農業なんてやったことない、しかも完全無農薬なんてできるんだろうかという不安で夜も寝られませんでした。最初開墾した畑は雑草と害虫の攻撃で作物を植えるどころじゃないし、粘土質の土がトラクターにへばりついて立ち往生、なんていうこともよくありました。しかし、無農薬を実践されている農家さんで働かせてもらったり、いろいろな方に話を聞いたりして徐々に知識と経験が身につき、少しずつ光が見えてきたんです。

開墾当時の苦労を語る小田垣さん

完全無農薬実現に向けて前進

編集部:そうした経験を積まれて今、完全無農薬を実践されているのですね。

小田垣:この土地はほとんど車も通らないので化学物質が0に近いんです。しかもきれいな川が流れている。この土地なら、あとは雑草と害虫とうまく付き合うことで完全無農薬を実現できるのではと思いました。

開墾した後は、まず土を調べることから始めました。成分を分析して何が足りないのか、それを補う自然由来のものは何か。たとえば落ち葉なのか、たい肥なのかを徹底的に調べました。その結果、すべて自然由来のものを畑に入れて、滋味豊富な土づくりに成功しました。土が豊かなら、作物も丈夫に育つ。雑草や害虫にも負けない強さが生まれるんです。

除草剤や農薬、化学肥料などを畑に使うと、土の栄養分が極度に下がります。その土でできた作物、たとえばピーマンは、本当の栄養価からすれば1/8に下がる。そうなると外敵にも弱くなるんですね。

ただ、畑の土は人の力だけでは滋味豊富にはならないんです。土はミミズや微生物の力も借りて豊かになっていくからです。これも無農薬でなければできないことです。うちに農業体験に来る子供たちは、土を掘り起こすとミミズやオケラ、カエルなどがたくさん出てきてびっくりしますが、本当はこれが自然の形なんですよね。

粘土質の土が滋味豊かな野菜を育む

編集部:今年こうした努力が実って、完全無農薬の上に有機JASを取得されたそうですね。

そうなんです。有機JASは基準が厳しく、対象になるうちの畑だけでなく、たとえば肥料にするために野山から採った落ち葉を畑に撒こうとすれば、その落ち葉があった場所まで化学物質が影響していないか審査の対象になります。ここまで厳しいとは正直思っていませんでしたが、それでこそ取得して維持するだけの価値があるなと思いますね。

でも、正直しんどいなと思うことはあります。完全無農薬で有機JASを維持するには、土だけでなく害虫や雑草とも戦わなければなりません。たとえば黒豆を作る時には、害虫がつく時期に手で払って虫を落とすんです。それを何度も繰り返す。害虫との根くらべになりますね。また雑草も大変。春をすぎると、増える勢いと伸びる勢いに圧倒されます。伸ばしすぎると畑の養分を取られますし、刈るのも大変。毎日のようにカマをふるって格闘しています。おかげで筋トレなしにマッチョな体を手に入れました(笑)

編集部:最近収穫が終わったサツマイモにもこだわりをお持ちだそうですね。いただいてみるとまるでスイーツのように甘い!野菜とは思えません。

小田垣: 品種は“紅はるか”ですが、この芋は収穫した時は甘くないんです。しっかり温度管理をした倉庫で、じっくり3ヵ月寝かせます。他の生産者は1ヵ月程度のところが多いですが、うちは厳密な温度管理、湿度の管理で3ヵ月。そうすると糖度が50度を超える強い甘みを持ち、繊維質もほとんどなくなってねっとりした芋になります。焼き芋にすると蜜が出て、スイーツのようにスプーンで食べるくらいとろりとします。オリーブオイルをかけて塩コショウして食べても美味しいですよ。3ヵ月熟成はカビたり腐ったりするものもあってなかなか難しいですが、この美味しさを知っていただくために頑張っています。

サツマイモは連作障害(毎年同じ場所で作ると作柄が悪くなる)が起こるので、イモを収穫したら、今度は玉ネギを植えて連作障害を防ぎます。これも自然の知恵です。この玉ネギも味が濃いのに全然辛味やえぐみがないので、生でジュースにして飲めるぐらいなんですよ。

完全無農薬への挑戦、数々の困難を乗り越えて作られた作物は、自然の土で育まれた滋味豊富な味で、本当の野菜はこういう味なのだと気づかされました。

今年の初イモ。ここから熟成させる

有機JAS野菜 × 有機JASオリーブオイルがベスト!

小田垣さんが手塩にかけて育てたサツマイモや玉ネギは、野菜が本来持つ力強く濃厚な味がします。合わせるオリーブオイルも同じように手間をかけて作られた有機JASのエキストラヴァージンオリーブオイルでないと、せっかくの有機JAS野菜が台無しです。

そこで、取材の際にいただいた“紅はるか”を有機JASの“LUISA”で焼き目を付けてから塩と酒を入れ、サツマイモの炊き込みご飯を作りました。これが絶品。芋の上品な甘さと“LUISA”のコクが、炊き込みご飯の味を数段上に引き上げて想像を超える旨味を生み出しました。

イモの甘みとオイルのコクが絶品

有機JAS紅はるかとのベストマッチ-LUISA

LUISA(ルイーザ)

  • 原産国:南イタリア
  • タイプ:有機エキストラバージンオリーブオイル(味はミディアムとフルボディーの中間)
  • おすすめ料理:肉料理や野菜料理の仕上げに回しかけて
  • 価格:1980円(税込)/190g

 【特徴】

名門オリーブオイル農家の4代目であるルイーザさんが、健康ファームの小田垣さんと同じく「自然に優しく、からだが喜ぶ」にこだわって作った100%有機栽培の果実を使ったオリーブオイル。約3年かけて有機栽培の土壌を作り上げ、オリーブの栽培から収穫、搾油までの全てを農園内で行っています。口に含むと若々しく青い香りが広がり、ピリッと喉に響く新鮮さはしっかりとした味の有機野菜にも負けません。

【取材協力】

名称:農業生産法人 株式会社健康ファーム
住所:京都府綾部市睦合町念道35番地
電話:0773-54-0039
HP:http://ayabekfc.com/

オイルの紹介(PR)

ルイーザ(LUISA)

有機エキストラバージンオリーブオイル ルイーザ(LUISA)

有機栽培オリーブ果実100%のエキストラバージンオリーブオイル

南イタリア・プーリア州の単一農園で、100%有機オリーブ果実を使用して栽培から搾油まで一括管理して作られたオリーブオイル。 搾りたての有機エキストラバージンオリーブオイルです。
企画:オリーブノート編集部
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