超人的な肉体を維持するトップアスリート。彼らの食へのコダワリや想い、楽しみ方について、自由にお話ししていただきます。
今回のゲストは、2020年東京オリンピックを目指す塩浦慎理選手。日本人競泳界男子自由形きってのスプリンター。泳法の中では最もパワーが必要なクロールは日本人にとって不利な種目ですが、そんな中、初めて世界の中で記録を残してきた東京オリンピック期待のホープに話を聞いてみました。
塩浦さんは、自他共に認めるコーヒー通で、オフタイムには様々なカフェ巡りをしたり、自らもこだわりを持ってドリップコーヒーを淹れて楽しんでいるとのこと。パワフルな自由形で”世界と戦う猛者”をイメージしていましたが、いい意味で予想を裏切られました。そんな塩浦さんのモチベーションの源泉の一つでもあるコーヒーのお話です。
– コーヒーを好きになったキッカケはなんでしょう。
最初は21歳の時、エスプレッソマシンをちょっと背伸びして買ってみたんです。ネスカフェのエスプレッソマシンです。僕の中ではエスプレッソってかっこよくって、一人でゆっくりエスプレッソ飲みながらくつろぐ、そんな姿に憧れたのかもしれませんね。とにかくこれがきっかけでコーヒーにはまっていったんです。
– もともとコーヒーはあまり飲んでなかったのですか?
うちは親も好きだし、コーヒーを飲む機会はありました。普通にコーヒーもある家庭ですね。だからあまり意識したこともないのかな。どちらかというと、食べ物は親もいろいろ気を遣っていたと思います。男3人兄弟でとにかくよく食べましたよ。肉の消費量は結構とんでもなかったんじゃないかなぁ(笑)。兄弟は3人とも180cm越えてますからね、でかくってちょっと暑苦しい一家ですかね。
– ご兄弟みなさん、塩浦さんのように大きいのですね。塩浦さんのお好きな食べ物はなんでしょう?
肉は大好きですね。このあいだ北海道に友達と遊びに行った時なんて、ジンギスカンを3人で一人1キロずつペロリと食べました。お店の方も途中から笑ってました。もちろんその後のラーメンも美味しくいただきましたよ。お酒も好きですよ、まぁそんなに大きな声では言えませんけど。ビールも好きですが、ハイボールを飲むと食も進みますね。プリン体少なめでいいですよね。
– ホントに楽しそうにお話しされるんですね。お酒話はずっと聞いていたいのですが、コーヒーの話に戻りましょう。本格的なドリップコーヒーにも挑戦しているとか。
遠征の時ですが、美味しいコーヒーを飲んだ機会があって、オーストラリアでとても感動したんです。かれこれシドニーは10回以上行っているのですが、ゴールドコーストやメルボルンに美味しいコーヒーショップがたくさんあるんです。オシャレでコーヒーの情報もしっかりと提示されていて、そして安い。なんか素晴らしい環境というか、そこで本格的に目覚めたのかな。うん、オーストラリアですね。
– 遠征先で競技に磨きをかけて覚醒するだけじゃなく、さらにコーヒーまで覚醒しちゃったんですね。
そうですね。日常は水泳競技を中心に追いかけられているので、今思えば唯一の趣味がコーヒーなんです。だから僕の中ではとても素敵な趣味に出会えたと思っています。コーヒーがいいのは遠征先ならどこへ行ってもありますからいつでも楽しめますし、何より美味しいお店が世界にはたくさんある。それから、コーヒーって競技のパフォーマンスが上がるんですよ。やっぱりカフェインが入っていますし。いい作用があるんですよ。
– どんなコーヒーがお好きでしょうか?
焙煎はまだやったことがないのですが、ちょっとコダワリがあって、浅煎りのコーヒーが好きなのです。でも、僕の求める浅煎りになかなか出会えなくて。日本では深煎りが人気なのだと思います。しっかりとしたコクと苦味。確かに美味しいですよね。でも、浅煎りのほうが豆の違いが分かるんですよ。逆に深煎りだと味がよって行っちゃって、豆自体の差が小さくなる、そう感じています。浅く煎った豆を丁寧にドリップすると、コーヒーそのものの違いが良く分かると思います。そもそも、浅煎りだと酸味が強くなるイメージがあって、そういったコーヒーはあまり好まれない方も多いかと思います。でも、それは新鮮でない豆や焙煎して時間が経ったものを使っているからなのですよ。いったん焙煎するとどんどん酸化していって味は落ちていきます。コーヒーショップでも大きなポットで保温しながら置き売りしているコーヒーは、残り半分も過ぎると変に酸味が増して美味しくありません。やっぱり新鮮な豆で煎りたてをつかって飲みたいですね。それにはお店選びから考えて行かないと。最近は新鮮な豆を使った浅煎りで美味しいコーヒーショップも増えていて、是非試していただきたいです。
– それは是非行ってみたいですね。では塩浦さんのお気に入りのカフェはどこですか?
神泉のハーツライトコーヒー
マインドがいいんですよ。焙煎機をわざわざトルコからもってきて、これ日本で一台しかないらしいのですよ。
とにかく焙煎機の細工も凝っていて、感動しました。とてもいい豆を使っていると思いますが、価格も良心的。エスプレッソもドリップも美味しかったです。小さなお店ですけど、雰囲気がとてもいいですよ。ドリップするのも自作のくるくる回転するドリッパーで入れてくれるんですよ。
とにかくコダワリそのものがカッコいいです。
代官山のパーチ
神保町のグリッチ
ここは海外からもお客さんがいっぱいきているみたいですね。
中目黒のPNB
デンマークからコーヒーを買ってきているお店。店が凄くきれい、ここはあさ煎りのお店です。
初台のディアオール
虎ノ門の虎ノ門コーヒー
ここは贅沢なコーヒーがとても安く飲めます。他にも美味しいお店はありますが、最近飲んだお店の中ではとてもオススメです。どこもドリップもエスプレッソも飲めますよ。僕はカフェに行ったら大体どっちも飲んじゃいますね。
– もう、ほぼグルメライターですね。
まぁそこまでは思いませんけど、いま、自分の舌の基準を作っていこうと思っているんです。いいコーヒーだったら好みの差はあったとしても美味しくなるので。そういったお店をいろいろ回って楽しみながら味を覚えていってます。
– なるほど、好きと学びが同居できる趣味って良いですね。では、そんな塩浦流コーヒーのコダワリを教えていただけますか。
たとえば温度とお湯の量、豆を挽く細かさ、ドリップの時間、、、全部計りながら入れています。これいっちゃうと笑われるというか、結構引かれるのですが、ホント、86度と87度では違うんですよ。1度でも変わります(笑)。
でも、ほら、このコーヒーも温度下がってくると味も変わりますよね。それからカップの色でも味は変わるんですよ。感じ方だと思いますが、白いのに入れると苦味を感じますし、青だと甘みを感じます。
– すると、カップもこだわっていろいろ揃えたりしますか?
逆にカップで味を変わって感じるのであれば、できるだけ同じカップを使うようにしているのですよ。だから僕の持っているカップはこれで全部。最近買ったのはこの透明なやつです。これは保温カップなので、温度のギャップがあって、たまに火傷するのですけどね。と、まぁ全然持ってないのですよ。自分で楽しむだけのものなのでこれで十分なんです。
– なるほど、そういった考え方に人柄がでますよね。今、オリーブノートスタッフはますます塩浦ファンになったと思います(笑)。ところで、今日も使って頂いているMCT、遠征にも持って行かれるそうですが、今日はスタバのアメリカーナなので、エスプレッソを伸ばしたものなんですけど味は邪魔しませんか?
不思議ですよね、MCTはコーヒーの味を邪魔しないです。味を変えないってのが一番いいですよね。変な味が付いていると、続かないですもんね。
自分を始め、アスリート仲間でも最近MCTオイルを使っているやつ多いんですよ。僕も沢山食べますから、体重のコントロールは大変で。でも好きなコーヒー飲みながら、自分の筋肉にガンガン燃焼材送り込んでいける感覚がいいです。中鎖脂肪酸って教えていただきましたけど、理にかなってて面白いですね。
メーカーもいろいろあるようですが、混ざり物がなくて、医療用や赤ちゃんにも使われるということで、日清オイリオのものをこだわって使ってます。あ、これ頼まれても何でもないんですけど、でないとコーヒーにも味がついちゃうから他のは使えないんですよ。僕はでかいビンのやつ使ってたんですけど、ドレッシングもこれと塩と胡椒だけでいいんですよ。ただ、これ飛行機で漏れるんですよ。だから遠征にはマジでサランラップで巻いてもって行ってました(笑)。
– あら、粉末のやつがあるのご存知ないですか?
本当ですか?それはいいですね。プロテインみたいな?プロテインとか粉物はなんでもそのまま飲むんで、逆にいいですよね。
– コーヒーにも瞬間でさらっと溶けます。むしろ油感がないから塩浦さんには粉がオススメですね。今度編集部からプレゼントしますよ。
ありがとうございますっ!絶対ですよー!
屈託のない笑顔でコーヒーを語る塩浦さん。マッチョで大っきくて、世界のトップステージで我らが日本を代表して戦っている研ぎ澄まされたアスリート。そんな彼がスマホの写真を見せながら、楽しくコーヒーの話をしてくれています。彼のモチベーションを支える美味しいコーヒーの秘密はまだまだ深いお話があるようです。
次回はそんな核心に迫ってみますよ。お楽しみに!
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。