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2020年7月9日

リバーシでおぼえる左ヒラメの右カレイ /妄想工作キッチン

妄想工作家の乙幡啓子が、食まわりのあれこれに「妄想」を加えたグッズを企画し、果ては商品化を目指していこうという企画。

その第1弾は・・・「ヒラメとカレイの見分け方」がテーマの、食育玩具です!地味!

左ヒラメの右カレイ

ヒラメとカレイは両方とも目がどちらかに寄っていて形がそっくり。なので見分ける方法として「左ヒラメの右カレイ」という言葉があるのは、料理漫画の影響などでけっこう皆様ご存知なのではと思います。正位置に置いたとき、左を向くのがヒラメ、右を向くのがカレイ、と(ヌマガレイなど例外は有り)。

今回はその見分け方を、ビジュアルとゲーム性との両面から脳に叩き込もうという試み。

つまり、ヒラメとカレイを表裏一体にすればぴったり一体化するので、それをコマにしてオセロ=リバーシができるのでは!と、まさにヒラメいたのです。華麗なるヒラメきであーる。

そうと決まれば早速作り始めましょう。なんといってもリバーシのコマ数は8×8の64コマ。わぁ、多いな!数の勝負ですね。いつできあがるか全然予測できない・・・!

まずはコマの大きさとデザイン決め。小さいとわかりづらいが大きくしすぎても盤面自体がでかくなっちゃうので、そこをミリ単位で検討。45mm四方のマスに収まるよう描きます。

平らに固めた石粉粘土に絵柄を写して、両面にそれぞれ、レリーフ状にヒラメ・カレイを彫っていきます。精巧な成形技術は持ってないので、ゆるめに、おもちゃっぽく仕上げます。今回はおもちゃだし、これでよかろう。

さてこれをどうやって複製するか・・・。シリコーンでこうやって型(モールド)を作る、まではいいんだけど、そこに樹脂を流し込んでプラスチックコマにするか、粘土を押し込んで乾かして粘土コマにするか。一長一短すぎて悩む…

詳しくは書きませんが、あとあとの作業を考えて、ここは簡素に粘土で行くことにします。簡素とはいえ、いばらの道なのは想像できる・・・64個・・・(この後も何度かこのセリフを吐きます)。

シリコーン型が固まるまで数時間、その間に盤面作りです。

家にちょうど、断熱材などに使われるスタイロフォーム(発泡スチロールの、目が詰まったタイプのもの)があったので、これにマスのラインを彫り込みます。軽いし工作しやすい!

ヒラメやカレイは砂地にいますので、盤面も砂っぽく。アクリル絵具に「レジンサンド」という素材を混ぜ込んで塗っていきます。ざらざらになります。コマが擦り切れそうなほどに。

そうしているうちに、シリコーン型ができあがってきました。ヒラメは獰猛で口が大きく、カレイはおとなしめで口が小さい、というのも加味して作ったつもりの原型ですが、ものすごくわかりにくいぞ。

この型の両方に石粉粘土をギュウギュウに押し付け、それぞれ型からはがしたあと、湿っているうちになんとか貼り合わせて縁をきれいに整えます。これを64個…。

ヒー、ハー。なんとか64個、型取りし終え、すぐにでも色を塗りたいのですが、中まで乾かさないといけません。トースターで何度か焼いて乾かします。ヒラメとかカレイ作ってる感覚じゃないなこれ・・・クッキー感覚だ。

なんとか乾いてくれたので、色決めです。正直、ヒラメもカレイもなんとも地味な似たような色でして、そこをどう色分けしようかと、茶系の絵の具を何色か買って試したんですが・・・。

本来の「左ヒラメの右カレイ」、これを叩き込む玩具というのを思い出しまして、ほぼ同じような色で塗ることにしました。色で感じるんじゃない、向きで感じるんだ!

とはいえ、塗ってる間にも左右間違えるありさま。とにかく左向きのやつをこの色で塗るんだ!64個を・・・そのあとは裏返し(右向き)にして、もう少し暗い色で、64個・・・。

模様は、ドライブラシで薄く汚しを入れるくらいにしましょう。本格的に模様を描くと、両者の違いが本当にわかんなくなりそうだから。これを64個・・・両面・・・。

目をペンで入れて(64個・・・)、クリアスプレーをかけて完成です(64個・・・)。

わはは、ゆるい造形とはいえ、64個集まると壮観!お目目がかわいいぞこのやろう。

左ヒラメの右カレイ・リバーシで遊んでみる

さていよいよ、この「左ヒラメの右カレイ・リバーシ(長い)」で家人と対決してみたいと思います! じゃんけんで勝った方がカレイかヒラメか、それはお好きな方で!

しかしわかりにくい…自分がどっち側だったっけと、常に確認しながら進みます。左ヒラメか右カレイか考える余裕ないな。ちなみに私がカレイ(濃い色)です。

置き方、逆!逆!(上段の真ん中)。

というかこれ、対面式だと相手の知育にならないですね。左右逆で。

だんだんチョコにも見えてきた。濃い方がビター、薄い方がミルク。土器っぽくもある。

ややもすると相手側(ヒラメ)で置いてしまいそうになるので、あらかじめ手元にカレイ側を見せて置いておきます。それでも途中でわかんなくなる。

リバーシが白と黒というはっきりした色なのは、理にかなってるんだな…とこのときぼんやりと考えていました。

それでも勝負はそれなりに白熱し終了。22対42で圧倒的に負けましたが、左ヒラメ右カレイとかの知識は勝敗に全然関係ないかと思います。

「左ヒラメの右カレイ」を頭に叩き込むはずが余計わかりにくく終わったこのリバーシですが、親子隣同士で並んで、1手さすごとに「ヒラメ!」「カレイ!」などと名乗りをあげて遊んでいただくなどすれば、目的を果たせるのではないかと思いますよ。

今後も、こういった「どっちがどっち?」シリーズでゲームが作れそうですね。カブと辛味大根、ニラとスイセン(シャレにならない有毒植物)とか。このサイトに沿ったテーマなら「エキストラバージンオリーブオイルとピュアオイル」のチェス、とか…?いつか、作ってみたいと思います!


乙幡啓子

1970 年群馬生まれ・東京在住。「デイリーポータルZ」「フィギュア王」等の媒体で工作記事などを連載するほか、モノ作りイベントやワークショップ、講演などでも活動。
著書に「妄想工作」「乙幡脳大博覧会」「笑う、消しゴムはんこ。」。 また妄想工作所名義で「ほっケース」「スペース・バッグ」「ケルベコス」などの雑貨製作・企画も行う。
乙幡啓子オフィシャルサイト 妄想工作所

企画:オリーブノート編集部
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