目次
大衆魚の代表格と言われ、栄養豊富な青魚、いわし。日本各地で水揚げされ、手に入りやすい価格から、食卓への登場回数が多い家庭もあるのではないでしょうか。
古くから日本で食べられてきたいわしですが、世界的にもなじみのある魚。スペインやイタリアなどでも愛され、いわしを使った加工品「オイルサーディン」や「アンチョビ」は、エキストラバージンオリーブオイルとの相性も抜群ですね。
今回は、この時期とくに美味しいと言われているいわしの栄養や保存方法についてご紹介します。
青魚の代表格、いわしは春から夏に北上し、秋から冬に南下する海水魚です。長崎県や三重県、宮崎県を中心に、日本の多くの沿岸部で水揚げされています。
なかでも、この時期に収穫される真いわしは「入梅いわし」と呼ばれています。その名の通り、梅雨時期に水揚げされるものを指し、産卵前で脂がのった別格の味わい。この時期だけの旨味や甘みを楽しめるため、ぜひ食べておきたいですね。
いわしと言えば、主に真いわしを指しますが、色々な品種があります。
●真いわし
国内漁獲量の半分ほどを占める品種です。体長は20cm程度。背中は青みがあり、お腹は銀色で、お腹の上には7つの反転があることが特徴です。
中くらいの大きさのものは丸干しやめざしに、小さいものはみりん干しやオイルサーディンに活用されます。
●かたくちいわし
国内漁獲量の1/4ほどを占める品種です。下あごが短く、上あごしかないように見えることが名前の由来(漢字で書くと片口いわし)。背中が黒いので、背黒いわしと呼ばれることも。
塩漬けにして発酵・熟成させ、オリーブオイルを注いだアンチョビの原料としても使用されます。また、煮干しやおせちの定番田作りにも加工されます。
●うるめいわし
うるんだ眼のように見えることから付いた名前。体長は25cm前後。いわしの中では脂が酢k内ので、干物やうるめ節などに加工されます。真いわし、かたくちいわしに比べて漁獲量は少なくなっています。
「いわし百匹、頭の薬」と言われるほど、その栄養豊富さが古くから注目されています。
青魚に豊富に含まれる不飽和脂肪酸であるDHA、EPAを補うことができます。
DHAはしっかり摂取をすることで脳の神経細胞を活性化させることから、認知症予防や脳活性化などに効果的とされています。EPAは血栓ができるのを防ぐはたらきがあり、生活習慣病予防などに効果的です。
どちらも酸化されやすいので、生魚の状態で食べることで効率よく補えるほか、脂が減らないよう調理するのもポイント。グリルで焼いて脂を落とすことはせず、煮付けや揚げ物など、良質な脂を一緒に補える調理法がおすすめです。
いわしはカルシウムや、カルシウムの吸収を助ける栄養素が豊富なことから、「泳ぐカルシウム」と呼ばれることも。煮干しや水煮缶、オイルサーディンなど、骨ごと食べられる形状のものはさらにカルシウムを補うことができます。この時期にはさっぱり梅煮にして、骨ごといただくのもいいですね。
ビタミンDは、カルシウムの吸収に必要なたんぱく質の生成を盛んにすることで、カルシウムの吸収をサポートするはたらきがあります。また、カルシウムの骨への沈着を助ける作用もあり、丈夫な骨や歯を作るのに不可欠なビタミンです。
いわしは漢字で「鰯」と書くように、傷みやすい魚です。以下の点に注意して選びましょう。
いわしはとにかく買ってきたらすぐに処理をしましょう。冷蔵保存のほか、冷凍保存をすることで寄生虫が死滅するため、おすすめです。
頭、内臓は取り除き、軽く洗いましょう。しっかり水気を取り、1尾ずつラップに包んで保存します。買ってきてパックなどに入ったままにせず、この処理は必ず行いましょう。下処理済みで販売しているところや、下処理を行ってくれる店舗もあるので、活用するのもいいですね。
調理せず冷凍する場合は、3枚おろしなどにした状態で、小分けにラップに包んで保存しましょう。焼き魚にし、身をほぐして冷凍する方法や、煮魚にして煮汁ごと、つみれ状にして冷凍する方法もあります。
寄生虫が生息していることも多いいわしですが、加熱または-20℃以下で1日冷凍すると死滅します。冷凍保存は寄生虫予防にも効果的です。
そのほか、干物や酢じめ、オイルサーディンにして保存する方法もあります。オリーブノートでは、エキストラバージンオリーブオイルを使った、手作りアンチョビのレシピを公開しています。
エキストラバージンオリーブオイルを使った手作りアンチョビのレシピ
市販のアンチョビって買うと高いですよね。そこで、エキストラバージンオリーブオイルでアンチョビを作るレシピをご紹介します。パスタやピザなど、イタリアンとの相性も抜群。清潔な容器で作ることで、半年程度保存がききます。
旬の時期は、刺身コーナーにもいわしが並びますね。そのまま刺身や寿司ネタで食べるのもいいですが、千葉県の漁師メシ、なめろうや胡麻和えなどもおすすめです。生で食べることで良質な脂も余すことなく補えます。
調理する場合、この時期にさっぱりの梅煮や南蛮漬けなどがおすすめ。また、余裕があればつみれやいわしバーグなど、少し手の込んだ料理を楽しむのもいいですね。
安価で栄養豊富ないわし。まだもう少しジメジメした不快な梅雨時期が続きますが、この時期だけの「入梅いわし」で食卓に旬を取り入れてみませんか。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。