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先日、とある田舎、といっても首都圏からほど近いところに行ってきました。目的はふきのとうを探すこと。ここのところ寒い日が続きましたが、そろそろ山菜の先陣を切ってふきのとうが顔を出す頃だなと思って狙いに行きました。
でもふきのとうって、そもそもモリモリ食べるものではありません。私はあの独特の苦みと強い香りがどうも得意ではないのですが、売られているものを見るとそこそこ高いし、今の時季しか出回らないとかでなんだか貴重品みたいです。今を逃すとチャンスがありません。採集にいくモチベーションづくりとして、ふきのとうについて調べてみました。
ふきのとうとは、フキ(蕗)の花です。あの独特の苦みはポリフェノール=アクです。つまりアクが強いので、アク抜きをしないふきのとうはすごく苦みを感じます。またあの香りは“フキノリド”と呼ばれる成分です。
ことわざに、“春の皿には苦みを盛れ”というのがあります。ふきのとうを初めとする山菜に含まれる苦み成分のポリフェノールには、抗酸化作用に加え、新陳代謝や血行を促進する作用もあるので、体を冬の静かな状態から春に活性化させるために、苦みのあるものを食べろ、ということのようです。
冬眠から目覚めた熊が最初に食べるのはふきのとうと言われています。熊もふきのとうの苦みを体内に取り入れることで、冬眠状態から体を目覚めさせるために食べるようです。
他にもふきのとうには老化防止に働くビタミンE、カルシウムやビタミンK、マグネシウム、貧血予防や改善に効果がある鉄や葉酸、さらに余分なナトリウムを排出し、血圧を正常に保つカリウムなどが含まれています。
これって立派なファイトケミカルの一種ですね。
ふきのとうの秘められたパワーを知ったら、元気なものでさっそく採集に向かいます。以前から目をつけていた、夏になるとフキが群生している場所に行ってみました。
すると…ありました!
ふきのとうは、土から顔を出した時点からどんどん変化していきます。最初はずんぐりとして、福寿草(知らないかな?)みたいな感じです。
時が経つと、背が伸びて白い花が咲きます。
食べておいしいのはずんぐりしているもので、花が咲いたものはアクがいっそう強くなり硬くておいしくありません。ずんぐりしたものだけを選んで採集します。
これで大体、一握りぐらいです。山菜は採ったらすぐに調理するのがおいしく食べるコツです。時間を置くとアクがどんどん強くなり、硬くなっていきます。さっそく調理にかかります。
ふきのとうと言えば天ぷら、というのは当たり前なのでおもしろくない。ふきのとうがもう出回らなくなってもおいしく食べられるような調理法を探しました。それがオリーブオイルで漬ける方法です。これなら何にでも使えそうです。使うオイルはエキストラバージンオリーブオイル。春の香りと味をオイルの中に閉じ込めます。
1. ふきのとうをよく洗い、塩を入れて沸騰した湯で1分ゆでる。ゆで過ぎは風味が飛んで柔らかくなりすぎるので、必ず1分を守る。
2. 1分ゆでたらすぐ水に取り、色を止めることと柔らかくなりすぎるのを防ぐ。
3. 1時間程度水に浸けたままにしてアクを抜く。
4.3 を水から上げて手でギュッと絞り、粗みじん切りにする。
5. 保存用のガラス瓶などに4を入れ、エキストラバージンオリーブオイルを注いでオイル漬けのできあがり。
ふきのとうをオイル漬けにするとおいしいのかな?とちょっと不安になりましたが、ふきのとうの個性がオリーブオイルに絶妙にあうということがわかりました。オイルの辛さとふきのとうの苦みがうまく交じり合って、なんともいえないおいしさなのです。苦みがおいしく感じられるから不思議です。さらに思ったよりフキの香りも主張して、まさに春の香り。これはアレンジレシピがたくさんできそうです。
そこで、まずはオイル漬けでパスタを、それから味噌と混ぜてふきのとうのオリーブオイル味噌でおにぎりを作ってみます。
これはいたって簡単です。パスタをゆでてからサーモンフレークとふきのとうのオイル漬けを混ぜるだけ。塩味はサーモンフレークのもので十分です。フキの香りのする和風のパスタです。サーモンフレークの代わりに、ノンオイルのツナ缶でも合うと思います。ツナ缶を使う場合は少し塩を足してください。
こちらも簡単。オイル漬けと味噌を半分ずつ混ぜ、そこに味醂を少々入れて練ります。これをおにぎりに塗ってオーブントースターで香ばしく焼き上げればできあがりです。おにぎりの代わりに、木綿豆腐やこんにゃくに塗って田楽にしてもおいしいです。
ふきのとうはとにかく茹で過ぎないこと。あっという間に柔らかくなるので、目を離さないで必ず1分で上げてください。次に水に浸けすぎてアクを抜きすぎないこと。アクの苦みはオリーブオイルと合います。アクもおいしさのうちです。
ふきのとうは今が旬です。一気に出てくるので見逃さないようにしてください。
春の山菜狩りは楽しいものです。自分で採ったものがおいしいなんて、最高じゃないですか。
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しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。