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健康で快適な生活を送るには、栄養バランスの整った食事が大切です。特に三大栄養素の摂取バランスは、下のグラフのように炭水化物、脂質、たんぱく質の順になることが望ましいとされています。つまり、食べ物は「何を食べるか」とともに、「どれくらい食べるか」も重要なのです。
美容の観点から見ると、よく「油抜きダイエット」や「炭水化物抜きダイエット」という話題が聞かれますが、栄養素の極端な偏りは危険です。油には体内で合成できない必須脂肪酸が含まれていますし、炭水化物にもエネルギー源としての大切な役割があります。排除するのではなく、摂取量に注意を向ける方が、健康だけでなく美容にも効果的です。
植物油には脂肪酸以外にも、美容と健康に効果的なビタミンが豊富に含まれています。植物油に含まれているビタミンの種類と、それぞれの効果について見ていきましょう。
ビタミンEは、老化防止に役立つとされる成分です。老化の原因の一つに、過酸化脂質があります。過酸化脂質は、脳や心臓、肝臓、皮膚などの細胞に付着して老化現象を引き起こすのですが、ビタミンEはこの過酸化脂質の増加を抑える働きがあるのです。
また、ビタミンEが不足すると、月経不順を起こしやすくなるともいわれており、老化防止効果と合わせて、女性が積極的に摂取したい成分でもあります。
植物油の中で、ビタミンEを特に多く含むのはひまわり油です。その他、綿実油、べに花油、米油、コーン油、菜種油等にも含まれています。
緑黄色野菜に豊富に含まれているビタミンA(β‐カロテン)は、目や皮膚の粘膜を健康に保ったり、抵抗力を高めるなどの働きがある成分です。このビタミンAは脂溶性ビタミンと呼ばれ、脂質を一緒に摂取することで吸収率が大幅に高まります。
緑黄色野菜を植物油で炒めて食べることは、緑黄色野菜の栄養を無駄なく吸収するための賢い食べ方なのです。
ビタミンDも、ビタミンAと同じく脂溶性ビタミンです。油と一緒に摂取することで、吸収率が大幅にアップします。ビタミンDはカルシウムの吸収を促進し、健康な骨や歯を形成する役割がある成分です。
ビタミンDは、おもに魚類やキノコ類、卵等に多く含まれています。植物油で焼く、揚げるなどして食べると良いでしょう。
ビタミンCは、コラーゲンを生成するのに必要な成分です。ストレスや風邪を防ぐなどの健康効果が高いほか、日焼けを防止するなど美容効果もあります。
最近ではビタミンCの抗酸化作用がガンの予防になるという説も出ているのですが、問題はビタミンCが熱に弱いことです。ビタミンCを含む野菜であまり生食しないピーマンやホウレン草等は、茹でる、煮込む、蒸すなどの加熱調理をするとビタミンCが分解されてしまいます。
そこで植物油を使って手早く炒めれば短時間で加熱調理ができ、ビタミンCの損失が最低限で済むのでおススメです。
ビタミンB1は、ブドウ糖をエネルギーに変換する際に必要な成分です。体内でビタミンB1が不足すると、脚気(かっけ)や食欲不振、だるさを引き起こし、ひどくなると脳や神経系に障害を引き起こします。
植物油にはビタミンB1の消費を節約する働きがあるので、植物油を使った調理はビタミンB1の確保にも効果的です。ビタミンB1は肉類や魚類、酵母、豆類などに含まれています。
参考
日清オイリオHP(https://www.nisshin-oillio.com/)
山田豊文監修「植物油の事典 料理に、美容に、植物油を自分で楽しむ」
一般財団法人 日本植物油協会HP内 「植物油と栄養」 (https://www.oil.or.jp/kiso/eiyou/)
公益財団法人 長寿科学振興財団 「健康長寿ネット」 (https://www.tyojyu.or.jp/net/index.html)
イラスト:いとうひとみ
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