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再び“巣ごもり”“家のみ”の足音が忍び寄って…というか大股でドカドカと近づいてきています。これから忘年会シーズンだというのに、大皿料理をみんなでつついて飲んで騒いで、はできそうにありません。
しかし、今の状況を嘆いてばかりはいられません。家で楽しく巣ごもり忘年会を開く方向に頭を切り替えないとなりません。コロナだろうとインフルだろうと、間違いなく年末は近づいてくるし、なんとかして“家のみ”でも忘年会を開き、1年の区切りをつけたいわけです。
そこでおいしい鍋料理、しかもふだんはやらない味付けで作ろうと考えました。目を付けたのが担々鍋です。ひき肉をたっぷりのせた担々麺のスープで食べる鍋は、担々麺好きの私としては堪らない魅力です。
この担々麺、2018年前後からブームになり、都市部では相次いで担々麺の専門店がオープンしました。担々麺は、19世紀中頃に中国・四川省で生まれたとされる麺料理で、ひき肉やザーサイなどを細かく切って炒め、辛みの強い味付けにしたものをゆでた麺にのせたものでした。つまり元祖は汁なしです。担々麺の「担」は、もともと天秤棒で「担いで」売りあるいたからその名がついたとも言われているので、今の日本の担々麺のスタイルだと、汁があったら担いで売れませんね。
この汁なし担々麺を汁ありにしたのは、某有名料理人だそうです。私は辛い汁あり担々麺が大好物なので、この料理人に感謝したいところです。某料理人の手によって日本で独自に進化を遂げた担々麺が脚光を浴びるようになり、それまでは中華料理店のメニューでもあるかないか、あってもタンメンや味噌ラーメンなどに紛れて存在感が薄いものだったのに、専門店ができるほどになりました。最近では少し落ち着きましたが、それでも街を歩くと担々麺を大々的にアピールする看板が目につきます。
もとは中国四川省の“汁なし麺”が日本で“汁あり麺”に変わり、かつそれが日本風の鍋に変化(へんげ)した担々鍋。便利なもので、担々鍋にもお手軽な鍋つゆが存在します。これを使えばとても簡単に担々鍋を作ることができるでしょう。しかしそれではオリジナリティがなくてつまらない。自分の好きなように辛さや味を調整したい私は、あえて最初から自作することにします。
調べて見ると豆板醤(トウバンジャン)やら甜面醤(テンメンジャン)、コチジャンなど、結構ふだんはあまり使わない調味料が必要なようです。せっかく買ってもどうせそんなに使わないしなぁ…そんな時は100均です。ダイソーさんならあるに違いないと、早速出掛けました。すると思った通り、ありましたよ、すべて。
ここまで揃えばあとは作るだけです。早速作ってみることにします。
担々鍋の主役は、もちろん豚ひき肉です。ひき肉料理のコツは“よく炒める”ことで、これにより香ばしさが増しておいしくなります。また担々麺や担々鍋の辛さは豆板醤の他にラー油を入れるからですが、今回はオリーブオイルと韓国唐辛子で辛味を出すことにします。さらに最後に“追いオリーブオイル”で味に深みを与えます。具材の野菜は何でもOK。冷蔵庫にあるものをじゃんじゃん入れちゃいましょう。辛味もラー油でも鷹の爪でも何でもOKです。調味料をそろえるのがめんどくさければ、担々鍋つゆを買ってしまえば、話は早いです。
<スープ>
<追いオリーブオイル>
1. 鍋を熱し、オリーブオイルを入れてから豆板醤とテンメンジャンを入れて香りを出す。
2. 1にひき肉と日本酒を入れて炒める。ひき肉から脂がじわっと出てくるまで炒めると香ばしさが増しておいしくなる。
3. ひき肉をよく炒めたら一度鍋から取り出し、そこにスープの材料をすべて投入してひと煮立ちさせる。
4. 3に3cm幅に切った白菜、斜め切りにした長ねぎ、5cm程度に切ったにら、石突を取ったしいたけ、豆もやし、豆腐を入れて、真ん中に炒めたひき肉をのせて煮る。
5. 適度に野菜が食べごろになってきたら、追いオリーブオイルをかけてできあがり。後は食卓でくつくつと煮ながら食べる。
鍋物というと、最後はごはんで雑炊か、うどんやラーメンなどの麺類で〆たくなります。しかしやっぱりカロリーが気になるなぁという方のために、大根麺で〆ることにします。
大根麺は、皮をむいた大根をピーラーで薄くそぐだけ。見た目は刀削麺みたいですが、ちゃんと大根です。さっと煮るだけだとシャキシャキするし、よく煮ればやわらかくなります。今回は人参も同様に作って鍋に投入します。
私はシャキシャキが好きなので、5分ほど煮てから食べてみましたが、最後の少し味が濃くなった鍋つゆにはよく合って、満足感も得られました。カロリーを気にせずいけるので、これはいいです。
これから本格的な冬を迎えて寒くなってくると、鍋料理はベスト。作るのも簡単だし、冷蔵庫のあまった野菜の有効利用にもなるし、巣ごもり忘年会にはもってこいです。この担々鍋は、普通の鍋よりボリューム感があります。すりごまとオリーブオイルが入っているからだと思うのですが、辛いものが好きな方にはおすすめの鍋です。うんと辛くしてアツアツをフーフー言いながら食べると、ウサが晴れそうです。みんなでわいわいおしゃべりできない今、おうちでおいしいものを好きなだけ食べて、巣ごもり忘年会をしながら年末を迎えましょう。来年の年末にはみんなで心置きなく集まれることを願いながら。
ピエトラ・コロンビナ
トスカーナ州産の実を使用したオリーブオイルの「ヌーボー」
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。