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5月下旬頃から生の梅が店頭に並びます。梅酒・梅シロップ・梅干しなど、この時期梅仕事をするのが定番、という方も多いのではないでしょうか。
この季節と梅は深い関係があり、「梅雨」にも梅の漢字が使われているほか、梅雨に入ることを「入梅」とも呼びます。由来は諸説ありますが、梅が熟す時期の雨という意味で使われているという言い伝えもあります。
今回は梅の種類や栄養、おいしい食べ方などをご紹介します。
2月初旬〜3月初旬に花を咲かせる梅。バラ科サクラ属に分類され、原産地は中国です。梅の実の収穫時期は5月〜6月で、この時期に青梅や完熟梅が多く出回ります。
国内の収穫量は和歌山県がダントツのトップ。ほかに群馬県、神奈川県、福井県などでも収穫されています。
ここでは代表的な梅の品種をいくつかご紹介します。
●南高
和歌山県を中心に、多く栽培されている品種です。実が大きく種が小さいのが特徴。ジューシーな味わいが人気です。南高を一回り小さくした小粒南高という品種もあります。
●白加賀
群馬県を中心に、東日本で多く栽培されている品種。大粒で梅酒や梅シロップにぴったりの種類です。
●豊後
大分を表す「豊後」という地名があるとおり、大分県が発祥地の品種。梅とあんずを掛け合わせたもので、寒さに強いのが特徴です。
梅には酸味成分や食物繊維、ミネラルなどさまざまな成分が含まれています。
●酸っぱさのもととなる有機酸
梅干しの酸味は有機酸によるものです。青梅の時はリンゴ酸が多く、熟すにつれてクエン酸が増加します。有機酸はだ液分泌を促進し、消化を助け、口腔内を清潔に保つ役割があります。ほかにクエン酸は炭水化物の代謝に関わり、疲労回復などにも効果を発揮します。
●食物繊維やミネラルなど
生の梅100gには、2.5gの食物繊維が含まれます。カリウムなども含まれていますが、生の梅にはアミグダリンという有害成分があり、そのまま食べるのは大変危険です。梅干しやジャム、梅酒などに加工する工程で無害な香り成分に変化するため、必ず加工してから利用しましょう。
梅干しには鉄も含まれています。
梅干しには塩分が多く含まれているので食べ過ぎには注意しましょう。減塩梅干しやはちみつ梅などがおすすめです。
ここでは生の梅の選び方のポイントをご紹介します。
生の梅は冷凍・冷蔵保存ができます。まずは下処理をしてから保存しましょう。
●下処理
青梅は一晩たっぷりの水に浸けてあく抜きをします。水気をよく切り、竹串などでへたを取り除きます。手間ですが、へたを取り除かないとえぐみなどの原因となるため、しっかり行いましょう。また水気が残っていると菌の繁殖の原因にもなるため、くぼみの部分までキッチンペーパー等で取り除いてください。
●冷蔵・冷凍保存
下処理した梅はチャック付き保存袋に入れて、空気を抜き保存します。特に冷凍保存がおすすめです。冷凍することで梅のエキスが出やすくなり、梅酒・梅シロップ、梅干しなど加工しやすいのが特徴。また発酵しにくいので、一度冷凍することで失敗しにくくなります。
生の梅が手に入るこの時期は、梅シロップや梅酒がおすすめです。すぐに楽しむことはできませんが、梅シロップは2週間後くらいから楽しめます。漬けた梅はジャムにすれば余すことなく楽しめます。
梅干しは殺菌効果もあるのでお弁当のおかずにもぴったり。おにぎりはもちろん、梅和え、煮物、炒め物など調味料感覚で色々な料理に活用できますよ。
オリーブノートでは梅干しを使用したレシピを多数ご紹介しています。
【プロが教えるパスタ】ホタルイカと梅のトマトソーススパゲッティ
「プッタネスカ」と呼ばれるパスタのレシピです。プッタネスカとはオリーブとケイパーを使って作る少し酸味のあるトマトソースパスタですが、ケイパーはなかなか使う機会がないので梅干しの果肉を使っています。ワタの苦みを力強い梅トマトソースが受け止めて絶妙なバランスです。
節約&栄養満点!作り置きにぴったりな鮭のあらで作る梅南蛮漬け
梅雨のじめじめした時期や、夏の暑いときにおすすめの南蛮漬けを梅味にアレンジ。雑菌が繁殖しやすい時期ですが、南蛮漬けはお酢を使うことで防腐効果があり、作り置きにもぴったりの一品です。はちみつ×梅の甘めなたれがやみつきに。
ゆでずにお湯に5分ほど置いておくことでゆで上げ後、時間がたってもくっつかない、のびないと話題になったゆでないそうめん。オリーブオイル×梅干しのそうめんアレンジはまんべんなく梅干しの酸味と旨味がオイルを介してうまくからまり、梅干しだけよりもずっとおいしく感じます。
生の梅が手に入るのはこの時期だけ。梅干しは少しハードルが高いですが、梅シロップや梅酒は初心者でも手を出しやすいので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ヘルシーで様々な効能を持ったオイルへの注目が高まっています。中でもオリーブオイルの消費量は大きく伸び、同時に、ココナッツオイル、アルガンオイル、亜麻仁油、MCTオイルなど、なじみのなかった様々なオイルも注目されるようになってきました。
しかし、私たち日本人の日常的な食卓では、その活躍の幅はまだまだ狭く、真新しいノートのように真っ白な状態ではないでしょうか。 Olivenoteでは、読者の皆様の意見やオリーブノートアンバサダーへの参加を募りながら、カラダに美味しいオイルを中心に、楽しく健康的な食卓を築いて行ける情報を綴ってゆきます。